伊藤伸二の吃音(どもり)相談室

「どもり」の語り部・伊藤伸二(日本吃音臨床研究会代表)が、吃音(どもり)について語ります。

当事者研究

第11回 吃音と向き合い、語り合う 伊藤伸二・吃音ワークショップin東京

 東京ワークショップは、「吃音を治すことにこだわらず、吃音と共に豊かに生きていくことを目指そう」と、大阪を基盤に活動している僕と僕の仲間と一緒に、吃音の問題について考え、話し合い、吃音との上手なつきあい方を探る関東地方での吃音ワークショップです。 これまで毎年1月に開催し、今回で第11回目となりました。参加者ひとりひとりの吃音の悩み、知りたいこと、体験したいこと、学びたいことに関わり、それを皆で共有し、「当事者研究」のように進めていきます。毎回、どもる人の人生に深く共感し、場を支える参加者と共に、豊かな時間を味わっています。人とのつながりを再確認できる場でもあります。
 人生について、吃音について深く考えたい方、どもりながら生きていく上でいろんな思いを抱えている方、どもる仲間とじっくり話したい方、僕や日本吃音臨床研究会の活動に関心があっても大阪まではなかなか行けない方、この機会にぜひご参加下さい。
 人生の途中で少し立ち止まって、吃音について、自分について、人生について、考える時間をもつことは、意味あることだと思います。ご一緒できれば幸いです。

 内容は参加者の要望によって組み立てますが、次のようなことが考えられます。
◇吃音を生きる、論理療法、交流分析、認知行動療法、アサーティヴ・トレーニング、健康生成論、レジリエンスなどについて
◇吃音で苦戦している問題についての具体的対処
◇どもって声が出ないときの対処・サバイバル
◇吃音を治す言語訓練に代わる、日本語の発音・発声のレッスン
◇今、困っていることや悩んでいることの課題を明らかにし、展望を探る公開面接<対話>
◇当事者研究の手法を用い、やりとりをしながら、今後の対処を明らかにする
         
□日時 2024年1月8日(月・祝)   10:00〜17:00
□会場 北とぴあ 東京都北区王子1−11−1  TEL 03−5390−1100
      JR京浜東北線「王子」駅北口徒歩2分
      東京メトロ南北線「王子」駅ト崕亳直結
□定員 18名  
□参加費 5,000円…当日、受付でお支払い下さい。
□申し込み方法…メールか電話、FAXでお申し込み下さい。 
 〔樵亜´年齢 住所 づ渡暖峭罅´タΧ函´ο辰傾腓辰討澆燭い海箸篳垢たいこと О貌伸二・吃音ワークショップを知ったきっかけ  
□申し込み締め切り 2024年1月7日(日)
□申し込み先  日本吃音臨床研究会・伊藤伸二
メールアドレス jspshinji-ito@job.zaq.jp
TEL    090-1228-2360 
FAXの場合   072-820-8244 (2023年12月25日まで)

大阪吃音教室 昨日の講座は、東野会長の当事者研究

吃音教室 当事者研究 東野1 昨日の大阪吃音教室は、年に一度の当事者研究でした。昨日、登場したのは、大阪吃音教室の会長、東野晃之さんでした。事前に、A4の紙2枚の年表を送ってもらっていました。 東野さんは、中学1年生の春、どもり始めました。昨日まで普通にしゃべれていたのに、ある日突然しゃべれなくなる。思春期まっただ中に自分の身に起こったことは、容易には受け入れられないものだったようです。僕のように物心ついたころからどもっていて、普通にしゃべっていた時期がない人間は、戻るべき姿が想像できないのですが、東野さんの場合は、明確に想像できるから、いつか元に戻るという意識を捨てきれなかったようです。お父さんが病気で早く亡くなられ、母子家庭で育ったことは聞いていました。長男として、さまざまなプレッシャーも吃音に影響していたことでしょう。
 中学1年生でどもるようになって、大きな不安の中で、東野さんが大阪吃音教室を訪れたのは、高校2年生のときでした。NHKの全国青年の主張コンクールで最優秀賞をとったのがどもる人だったことで、そんな人もいるのだと思っていた頃に、新聞記事で集まりをみつけ、弟に頼んで代わりに電話してもらって問い合わせをし、初めて大阪吃音教室に参加しました。そのころ例会でしていたことは、発声練習とスピーチの練習でした。単調でおもしろくなく、だんだん参加しなくなります。それでも、つながりは切れることなく続き、「吃音者宣言」に出会い、1986年、京都で開かれた第1回世界大会に参加し、世界大会の翌年から大阪吃音教室が今のスタイルである、金曜日開催になったときに、会長になって、以後35年、ほぼ皆勤で参加しています。会長としての責任感からだけでは、なかなかできることではありません。東野さんは、継続してきたことについて、「おもしろかった。学ぶことが本当に楽しかった。刺激的だった」と言いました。
吃音教室 当事者研究 東野2 自分の人生を語る機会はそうあるものではありません。聞き手がいて、周りに同席する仲間がいる。そのような大阪吃音教室の当事者研究という場で、新たな視点で自分をみつめることができます。新しい意味づけをすることもできます。これまでの人生をじっくりと振り返ることは意味のあることだといえます。そして、参加してその場にいる人は、ひとりの人の人生を聞くことで、自分のことと重ね合わせ、自分の人生を振り返ります。 大阪吃音教室の中には、豊かな時間が流れました。
 僕も考えてみれば、57年間、ずっと継続して活動しています。やっぱり、僕も楽しいから続けているのだといえます。誰かのため、何かのためだけなら、続くものではありません。吃音という狭い入り口から入って進んでいくと、中には、広い深い世界が待っていた、そんな気がしています。

日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2022/11/12
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