対話における大阪人の突っ込み力は、相手への信頼があるから
「吃音の夏」第二弾
第10回 親、教師、言語聴覚士のための吃音講習会〜大阪吃音教室の公開講座を終えて
参加者が丸く円になり、講習会のふりかえりをした後、短時間だったのですが、感想を記入していただきました。そこに書かれていたことは、また機会があれば、ぜひ紹介したいのですが、今日は、それとは別に、NPO法人・大阪スタタリングプロジェクトのメーリングリストで交わされた、講習会1日目の午後、吃音チェックリストを使っての、大阪吃音教室の公開講座をめぐるやりとりを少し紹介します。
吃音講習会に参加のみなさん、お疲れ様でした。
吃音チェックリスト公開講座を担当いただいた嶺本さん、ありがとうございました。
実際に活用する様子を見て参考になったと、最終日ふりかえりで参加者から感想がありました。吃音チェックリストは、吃音に関するとらわれ度や回避度の数値が下がったもの、数値に変化がないものも含めて、互いの吃音について語り合う、対話のツールでした。
話し合いの中で普通に、なぜそうなのか? どういう気持ち? など、知りたいと思ったことを相手に質問しますが、どもる子どもを傷つける恐れがあるので、「大阪の人のようなつっこみはできない」ということばの教室の担当者がいました。予想外の反応でしたが、相手の気持ちを配慮し、あまり慎重になりすぎると対話になりません。短い期間で異動することばの教室担当者のとまどいや悩みを知ったようでした。
吃音チェックリスト、言語関係図、吃音氷山説などは、大阪吃音教室でやっていますが、ことばの教室でも教材として実践され、事例研究が進みます。講習会ではそれらの事例研究が報告され、教材としての意味づけを知り、参考になりました。
伊藤さんが基調講演で話された健康生成論の首尾一貫感覚の〈わかる、できる、意味がある〉感覚は、幸せに生きるためになくてはならないものですが、私たちがこれまで教材としてきた論理療法、交流分析、アサーションなどで学び、自分への気づきを得てきたのは首尾一貫感覚で意味づけることができます。ことばの流暢性を求めなくても吃音の悩みから解放され、幸せに生きることができる裏づけをもらったようでした。
内容の濃い、盛りだくさんの吃音講習会でした。大阪のメンバーが参加し、いろいろな体験を話す意味合いを改めて思いました。(東野)
参加されたみなさん、講習会でのチェックリストの例会実演、いい時間でしたね。吃音チェックリストの数値は、ともすれば数字の低さをよしと考えがちになるのですが、やりとりの過程でそうではないことが示されていく様子は、吃音講習会の参加者にとって圧巻の展開だったと思います。
吃音チェックリストは健康生成論の首尾一貫感覚における「わかる」に焦点化したものでしょうが、「できる」、「意味がある」ところにまで私たちの話し合いは進んでいましたのでなおさらです。
プログラム最後の振り返りでは、公開講座に参加していた大阪吃音教室の人たちの話に「つっこむ力」が話題になりました。興味・関心ゆえのつっこむ力、応答する姿勢は伊藤さんや顧問の牧野さんが語ったこととも通じて、ことばの教室の教員の夏休み明けの子どもたちに向き合っていきたいという振り返りのことばに結実したと感じました。
嶺本さん、普段の大阪吃音教室と違って、それなりに緊張感がともなう担当だったと思いますが、それこそ嶺本さんにとっての適度なバランスのとれた負荷、経験だったのではないでしょうか。いい時間をともにさせてもらいました。ありがとうございます。(坂本)
「大阪で普通にしていることが、参加者にとっては、とても新鮮で、衝撃的だったようですね。大阪人だから? いえいえ、相手を信頼しているからできることだと思います」と、伊藤さんたちが書いていましたが、名古屋での吃音講習会での反応で、私が一番驚いたのがその点です。
普段子どもを相手にしている先生や言語聴覚士が、吃音のことを子どもに質問したり、子どもの発言にツッコんだりするのに、何をためらうんだと思いました。まあ、参加者のそういう反応を通じて、「これからは子どもたちとの対話を心掛けよう」と思う、そんな先生たちが増えていきそうな実感が持てた講習会でした。
今後とも、大阪から参加しやすいときは、講習会に参加しようと思っています。(西田)
日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2023/08/15
「吃音の夏」第二弾
第10回 親、教師、言語聴覚士のための吃音講習会〜大阪吃音教室の公開講座を終えて
参加者が丸く円になり、講習会のふりかえりをした後、短時間だったのですが、感想を記入していただきました。そこに書かれていたことは、また機会があれば、ぜひ紹介したいのですが、今日は、それとは別に、NPO法人・大阪スタタリングプロジェクトのメーリングリストで交わされた、講習会1日目の午後、吃音チェックリストを使っての、大阪吃音教室の公開講座をめぐるやりとりを少し紹介します。
吃音講習会に参加のみなさん、お疲れ様でした。吃音チェックリスト公開講座を担当いただいた嶺本さん、ありがとうございました。
実際に活用する様子を見て参考になったと、最終日ふりかえりで参加者から感想がありました。吃音チェックリストは、吃音に関するとらわれ度や回避度の数値が下がったもの、数値に変化がないものも含めて、互いの吃音について語り合う、対話のツールでした。
話し合いの中で普通に、なぜそうなのか? どういう気持ち? など、知りたいと思ったことを相手に質問しますが、どもる子どもを傷つける恐れがあるので、「大阪の人のようなつっこみはできない」ということばの教室の担当者がいました。予想外の反応でしたが、相手の気持ちを配慮し、あまり慎重になりすぎると対話になりません。短い期間で異動することばの教室担当者のとまどいや悩みを知ったようでした。
吃音チェックリスト、言語関係図、吃音氷山説などは、大阪吃音教室でやっていますが、ことばの教室でも教材として実践され、事例研究が進みます。講習会ではそれらの事例研究が報告され、教材としての意味づけを知り、参考になりました。
伊藤さんが基調講演で話された健康生成論の首尾一貫感覚の〈わかる、できる、意味がある〉感覚は、幸せに生きるためになくてはならないものですが、私たちがこれまで教材としてきた論理療法、交流分析、アサーションなどで学び、自分への気づきを得てきたのは首尾一貫感覚で意味づけることができます。ことばの流暢性を求めなくても吃音の悩みから解放され、幸せに生きることができる裏づけをもらったようでした。内容の濃い、盛りだくさんの吃音講習会でした。大阪のメンバーが参加し、いろいろな体験を話す意味合いを改めて思いました。(東野)
参加されたみなさん、講習会でのチェックリストの例会実演、いい時間でしたね。吃音チェックリストの数値は、ともすれば数字の低さをよしと考えがちになるのですが、やりとりの過程でそうではないことが示されていく様子は、吃音講習会の参加者にとって圧巻の展開だったと思います。
吃音チェックリストは健康生成論の首尾一貫感覚における「わかる」に焦点化したものでしょうが、「できる」、「意味がある」ところにまで私たちの話し合いは進んでいましたのでなおさらです。
プログラム最後の振り返りでは、公開講座に参加していた大阪吃音教室の人たちの話に「つっこむ力」が話題になりました。興味・関心ゆえのつっこむ力、応答する姿勢は伊藤さんや顧問の牧野さんが語ったこととも通じて、ことばの教室の教員の夏休み明けの子どもたちに向き合っていきたいという振り返りのことばに結実したと感じました。
嶺本さん、普段の大阪吃音教室と違って、それなりに緊張感がともなう担当だったと思いますが、それこそ嶺本さんにとっての適度なバランスのとれた負荷、経験だったのではないでしょうか。いい時間をともにさせてもらいました。ありがとうございます。(坂本)
「大阪で普通にしていることが、参加者にとっては、とても新鮮で、衝撃的だったようですね。大阪人だから? いえいえ、相手を信頼しているからできることだと思います」と、伊藤さんたちが書いていましたが、名古屋での吃音講習会での反応で、私が一番驚いたのがその点です。
普段子どもを相手にしている先生や言語聴覚士が、吃音のことを子どもに質問したり、子どもの発言にツッコんだりするのに、何をためらうんだと思いました。まあ、参加者のそういう反応を通じて、「これからは子どもたちとの対話を心掛けよう」と思う、そんな先生たちが増えていきそうな実感が持てた講習会でした。
今後とも、大阪から参加しやすいときは、講習会に参加しようと思っています。(西田)
日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2023/08/15

2日目は、国立特別支援教育総合研究所の牧野泰美さんの基調提案から始まりました。



その後は、子どもと対話をすすめるためのツールとしての教材の紹介です。吃音カルタ、言語関係図、吃音チェックリストの3つに分け、僕たちの仲間のことばの教室の担当者が次々と登壇し、自分の実践を紹介していきました。うれしそうに、楽しそうに、そのときの子どもの様子を伝えながら、紹介していく様子は、聞いていて気持ちがいいものでした。
最後は、参加者全員が丸く円になり、講習会のふりかえりをしました。2日間を通して、自分が感じたこと、考えたことを話していきます。僕は、この時間が好きです。充実した2日間が、みんなのふりかえりの中でよみがえります。片付けを全員でして、会場を出たのが、午後4時半でした。会場内の喫茶室で打ち上げをして解散しました。その後、僕たちは、難聴・言語の教員の研修の千葉県大会のために、千葉へ向かいました。なんと慌ただしいスケジュールでしょう。東京に向かう新幹線に乗る前、夕食に、名古屋名物のきしめんを食べました。JRに貢献しているなあと思いつつ、東京へ、そして千葉へ向かいました。(つづく)
「吃音の夏」の前半、大阪を出発して埼玉県大宮で全難言大会、そこから愛知県名古屋市に移動して「第10回親、教師、言語聴覚士のための吃音講習会」、そこから千葉市に移動して千葉県の合同夏季研修会、と紹介しようとしていたのですが、前半の前半で止まっていました。
実行委員長の奥村さんのあいさつの後、全員が会場を動き回って簡単な自己紹介をして、公式プログラムがスタートしました。
最初のプログラムは、前日、大宮で発表した千葉市ことばの教室担当者の安田さんの実践発表「吃音のある子どもが幸せに生きるために、ことばの教室でできること」です。「大宮の全国大会で予行演習をしてきました」と、みんなを笑わせながら、始まりました。子どもとの対話場面の映像を流し、安田さんの飾らない、素直な気持ちがあふれた発表でした。その後、僕が進行しながら、参加者から質問や感想を受けました。前日と違ったのは、そこで、たくさんの質問、感想、意見が出たことでした。これでこそ、実践発表が生きてくるのだと改めて思いました。いいスタートでした。
午後は、僕が基調提案として、「どもる子どもが幸せに生きるために〜ことばの教室でできること」とのタイトルで話しました。具体的な取り組みを午前中に安田さんが話してくれたので、僕の話が、参加者に入りやすかったのではないかと思いました。PowerPointを使わず、一気に話しました。