4月28日、今日は僕の誕生日でした。79歳になりました。
自分でも、びっくりするくらいの年齢を重ねました。
小学校2年生までは、どもっていましたが、明るく元気で活発でした。小学2年の秋に、学芸会でセリフのある役を外されて、吃音に強い劣等感をもち、勉強も遊びもスポーツもしなくなり、友だちもいなかった僕は、社会人として生きる姿が想像もできませんでした。
どもりを治さないと自分の人生はないと思い、21歳のとき、東京正生学院で、30日間、合宿生活を送りました。しかし、どもりは治らず、僕は、どもる覚悟を決め、吃音とともに豊かに生きる選択をしました。その後、どもる人のセルフヘルプグループを作り、世界大会を開き、吃音親子サマーキャンプを続けてきました。
根拠なく、63歳ぐらいで「野垂れ死にする」イメージをもっていた僕ですが、思いがけず幸せに長生きしています。この年齢になって、吃音親子サマーキャンプや吃音講習会を一緒に取り組んでくれる、大勢の仲間がいること、鹿児島県や千葉県などで、ことばの教室の研修会の講師として呼んでいただけること、すべて吃音のおかげだと、吃音に感謝しているのです。おまけの、付録の余生が、ご褒美のようにも感じられます。
吃音に関する研修会や講演会で、僕はよく自分の人生を語ることから始めます。僕の体験を通して、吃音の問題は何かということを話しています。
あれほど悩み苦しんだ吃音が、今は、僕にとってなくてはならない大切な人生のテーマになっています。吃音に定年はありません。命の続く限り、吃音とともに生き、僕の人生を通しての吃音哲学を磨き、伝えていけたらと思います。僕の目の前の人と対話をしていくことが、今、僕にできる最大のことだと感じています。一時期、治ってしまうのではないかと恐れるくらいどもらなくなったのですが、幸いにも、今また、以前よりかなりどもるようになりました。吃音を生き切ることができそうです。
どれだけの時間が残されているのかわかりませんが、これからの日々、吃音哲学に役立つことを学び続けるとともに、子どもの頃からの放浪癖のままに、行きたい所に行き、したいことをし、食べたいものを食べ、会いたい人に会い、悔いのないように生きていきます。
幸い、体調も万全です。新・吃音ショートコース、吃音講習会、吃音親子サマーキャンプと、今年度もイベントが続きます。そして、このブログも続けていきます。どうぞ、お付き合いください。
日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2023/04/28
自分でも、びっくりするくらいの年齢を重ねました。
小学校2年生までは、どもっていましたが、明るく元気で活発でした。小学2年の秋に、学芸会でセリフのある役を外されて、吃音に強い劣等感をもち、勉強も遊びもスポーツもしなくなり、友だちもいなかった僕は、社会人として生きる姿が想像もできませんでした。
どもりを治さないと自分の人生はないと思い、21歳のとき、東京正生学院で、30日間、合宿生活を送りました。しかし、どもりは治らず、僕は、どもる覚悟を決め、吃音とともに豊かに生きる選択をしました。その後、どもる人のセルフヘルプグループを作り、世界大会を開き、吃音親子サマーキャンプを続けてきました。
根拠なく、63歳ぐらいで「野垂れ死にする」イメージをもっていた僕ですが、思いがけず幸せに長生きしています。この年齢になって、吃音親子サマーキャンプや吃音講習会を一緒に取り組んでくれる、大勢の仲間がいること、鹿児島県や千葉県などで、ことばの教室の研修会の講師として呼んでいただけること、すべて吃音のおかげだと、吃音に感謝しているのです。おまけの、付録の余生が、ご褒美のようにも感じられます。

あれほど悩み苦しんだ吃音が、今は、僕にとってなくてはならない大切な人生のテーマになっています。吃音に定年はありません。命の続く限り、吃音とともに生き、僕の人生を通しての吃音哲学を磨き、伝えていけたらと思います。僕の目の前の人と対話をしていくことが、今、僕にできる最大のことだと感じています。一時期、治ってしまうのではないかと恐れるくらいどもらなくなったのですが、幸いにも、今また、以前よりかなりどもるようになりました。吃音を生き切ることができそうです。
どれだけの時間が残されているのかわかりませんが、これからの日々、吃音哲学に役立つことを学び続けるとともに、子どもの頃からの放浪癖のままに、行きたい所に行き、したいことをし、食べたいものを食べ、会いたい人に会い、悔いのないように生きていきます。
幸い、体調も万全です。新・吃音ショートコース、吃音講習会、吃音親子サマーキャンプと、今年度もイベントが続きます。そして、このブログも続けていきます。どうぞ、お付き合いください。
日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2023/04/28