伊藤伸二の吃音(どもり)相談室

「どもり」の語り部・伊藤伸二(日本吃音臨床研究会代表)が、吃音(どもり)について語ります。

2022年12月

第10回 吃音と向き合い、語り合う、伊藤伸二・吃音ワークショップin東京

 さきほど、今月号のニュースレター「スタタリング・ナウ」が印刷所から自宅に送られてきました。これから、購読していただいている全国の読者に向けて、発送作業をします。
 今月号では、今年の1月、東京都・北とぴあで開催した伊藤伸二・吃音ワークショップin東京での話し合いの様子を掲載しています。時間がずいぶん経過してしまいましたが、参加者の顔やそのときの様子など、その場面が鮮やかに思い出される、すてきな時間でした。
 来年1月にも、同じように、計画しています。

 東京でのワークショップは、コロナの影響を受け、2021年1月は中止になりましたが、毎年1月に開いています。毎回、どもる人の人生に深く共感し、場を支える参加者と共に、 豊かな時間を味わっています。人とのつながりを再確認できる場でもあります。
 人生の途中で少し立ち止まって、吃音について、自分について、人生について、考える時間をもつことは、意味あることだと思います。ご一緒できれば幸いです。  
 
「吃音を治すことにこだわらず、吃音と共に豊かに生きていくことを目指そう」
 大阪を基盤に活動している日本吃音臨床研究会の伊藤伸二とその仲間と一緒に、吃音の問題について考え、話し合い、吃音との上手なつきあい方を探る関東地方での吃音ワークショップです。参加者ひとりひとりの吃音の悩み、知りたいこと、体験したいこと、学びたいことに関わり、それを皆で共有し、「当事者研究」のように進めていきます。
 人生について、吃音について深く考えたい方、どもりながら生きていく上でいろんな思いを抱えている方、どもる仲間とじっくり話したい方、伊藤や日本吃音臨床研究会の活動に関心があっても大阪まではなかなか行けない方、この機会にぜひご参加下さい。

 内容は参加者の要望によって組み立てますが、次のようなことが考えられます。
◇吃音を生きる、論理療法、交流分析、認知行動療法、アサーティヴ・トレーニング、健康生成論、レジリエンスなどについて学ぶ
◇吃音で苦戦している問題についての具体的対処
◇どもって声が出ないときの対処・サバイバル
◇吃音を治す言語訓練に代わる、日本語の発音・発声のレッスン
◇今、困っていることや悩んでいることの課題を明らかにし、展望を探る公開面接<対話>
◇当事者研究の手法を用い、やりとりをしながら、今後の対処を明らかにする
         
□日時 2023年1月9日(月・祝)   10:00〜17:00
□会場 北とぴあ 東京都北区王子1−11−1  TEL 03−5390−1100
      JR京浜東北線「王子」駅北口徒歩2分
      東京メトロ南北線「王子」駅ト崕亳直結
□定員 18名  
□参加費 5,000円…当日、受付でお支払い下さい。
□申し込み方法…メールか電話、FAXでお申し込み下さい。 
 〔樵亜´年齢 住所 づ渡暖峭罅´タΧ函´ο辰傾腓辰討澆燭い海箸篳垢たいこと О貌伸二・吃音ワークショップを知ったきっかけ  
□申し込み締め切り 2023年1月8日(日)  席があれば当日参加も可能 
□申し込み先  日本吃音臨床研究会・伊藤伸二
メールアドレス jspshinji-ito@job.zaq.jp
TEL    090-1228-2360 
FAXの場合   072-820-8244 (2022年12月27日まで)

 今後のコロナの状況で、開催が難しくなることも考えられます。ホームページなどでご確認下さい。中止になった場合、お申し込みいただいた方にはご連絡します。


日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2022/12/16

宇都宮での相談会&研修会

 栃木県宇都宮市での相談会・研修会は、僕たちの仲間のことばの教室の担当者の高木浩明さんが計画してくれました。その計画は、随分前からあったのですが、コロナの影響を受け、なかなか実現しませんでした。ようやく開催でき、うれしかったです。先日、高木さんから電話があり、あの後、感染者が増えて、ことばの教室の通級指導がストップしているとのこと、今なら相談会も研修会もできなかった、あのとき開催できたことは絶妙なタイミングだったと話していました。そんな幸運にも恵まれ、一日、たくさん話しました。自分でも不思議なくらい、尽きることはありません。

宇都宮 研修 伸二 午前中は、保護者向けの相談会でした。自己紹介の後、僕も自己紹介をしました。医療ではなく、教育の場で、吃音の問題を考えていること、小学2年生から21歳まで吃音に悩んで生きてきたこと、その後、大阪教育大学で、ことばの教室担当者の養成に携わったこと、初めてどもる人のセルフヘルプグループを作ったこと、そのセルフヘルプグループの活動の中で、どもる人の世界大会を初めて開催し、どもる子どものために吃音親子サマーキャンプを31年も続けていること、一貫してどもる人として生きてきたことを話し、そんな僕に質問をしてもらいました。

○小学生のとき、吃音で苦しかったとき、両親はどうしていたのか?
○吃音をコントロールすることはできるのか?
○21歳のときが転換だったとのことだが、何があったのか?
○どもる自分を研究するという話だったが、いつ、どこで、勉強したいと思ったのか?
○今、子どもは小学6年生で、周りにも恵まれ、いじめもなく、気分良く過ごしているが、来春中学校に行くと、新しい環境になっていろいろあるだろうと思う。不安でいっぱいになる。中学校に送り出すとき、どんな声をかけてやればいいのか?

 どれも、親ならば当然の、子どものことを思っての質問でした。いつものように、ひとつひとつの質問の背景を尋ね、やりとりし、ていねいに答えました。
 最後に聞かせてもらった感想には、不安ばっかりだったが、わが子に限らず、どの子にもあること、みんな自分で乗り越えていかないといけない、子どもを信じて待ちたい、今までは、サポートし過ぎていたかもしれないので、これからは、本人と相談し、ゆっくりとつきあいたい、きれいな丁寧な日本語を話せるよう練習したい、など大切なことをしっかりと受け止めてもらえたようでうれしかったです。

宇都宮 研修 全体宇都宮 研修 校長と伸二 午後は、会場を変え、丸くなって、研修会でした。吃音の問題をとらえるときの基本的な立場、吃音の基礎的な知識や指導のあり方など、できるだけ基礎的なことを中心に丁寧に話しました。今、取り組んでおられることにプラスしてもらいたいことなど、提案もしました。あっという間に時間が過ぎていきました。校長先生も、最初から最後まで聞いてくださいました。千葉で出会った子どもたちの話もしました。きっと、この宇都宮でのことも、今後どこかで話していくだろうと思います。どもりながらも、それなりに豊かに自分らしく生きているどもる子どもや大人の話を、僕は伝え続けていきたいと思っています。

日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2022/12/15

千葉と栃木の間で、ほっと一息、大学ラグビーの早明戦

早明戦 看板 千葉でのことばの教室訪問と吃音相談会&学習会を終えて、東京に戻りました。ひとつのことが終わった安堵感の中で、国立競技場に向かいました。今回の旅の目的のひとつ、関東大学ラグビー対抗戦の早明戦を観戦しました。新しい国立競技場に来るのは、今回で2度目です。取り壊される前の古い国立競技場での、最後の早明戦、終わった後の、ユーミンが歌った「ノーサイド」の歌、鮮明に思い出されます。
 今回は、吃音親子サマーキャンプに小学4年生から参加し、大学卒業後はスタッフとして欠かさず参加してくれている森田俊哉さんと俊哉さんのお母さんと一緒です。彼は、吃音親子サマーキャンプの卒業式で、「僕にとって、とても大切なキャンプですが、来年から参加できません。大学のラグビー部に入るので、その練習で参加できません」と言っていました。早稲田大学ののラグビー部に入っていたのです。4年間しっかりラグビー部でラグビーに取り組み、大学を卒業してからは、毎年スタッフとして参加してくれています。現役時代は彼がチケットをとってくれ、お母さん、姉さんと観戦していました。
早明戦 国立競技場全体 僕の唯一の好きなスポーツはラグビーで、かなり前から観戦し続けていますが、ラグビー場で観戦するようになったのは、この森田さんのおかげです。それからは、毎年、12月の第一日曜日の早明戦を必ず見に行くようになりました。森田さんは早稲田大学のラグビー部員、僕は明治大学OBです。国立競技場なのでさすがに満席とはいきませんが、準決勝や決勝ではなく、対抗戦グループの最終戦である、「早明戦」独特の雰囲気があり、受け継がれてきた伝統の力が発揮されて好きなのです。。
早明戦 スクラム 始まってすぐに3トライをあげた明治。キッカーも安定しているし、落ち着いて見ていることができました。パスが明治らしくないなあと思う場面もありましたが、勝つことができました。次は、正月2日の準決勝に出てきてくれることを願います。
早明戦 整列 国と国とが闘うオリンピックは子どもの頃から嫌いですが、唯一好きな大学ラグビーを今年も観戦できたことはうれしいことでした。ラグビー観戦の後、銀座の町を歩き、ホテルに戻りました。翌5日は、栃木県宇都宮市での相談会と研修会です。

日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2022/12/13

ちば吃音相談会&学習会

 12月3日は、ちば吃音相談会&学習会でした。企画してくれた渡邉さんからは、参加人数が少ないかも、と聞いていましたが、僕には、人数は関係ありません。その場で出会った人と、真剣に対話をするだけです。顔を見て、質問してもらい、その質問に対して僕の方から尋ねるなど、やりとりできる人数の方がいいのです。
ちば相談会&学習会 伸二 来年4月に小学校入学を迎える子どもの母親が2人参加しました。今は、幼稚園で理解してもらい、いきいきと過ごしている。でも、小学校に入学し、環境が変わるとそのいきいきした子どもの良さが消えてしまうのではないか、今、親として何ができるか、との質問を受けました。親として、当然の心配だと思います。僕は、小学2年生のときの、学芸会でせりふのある役を外された経験を話しました。それは、担任の教育的配慮ともいえるものだったのでしょう。でも、僕は、担任のその配慮で傷つき、そのときから、吃音の悩みの中に入っていきました。せめて、僕に相談してくれたらと思いますが、それもありませんでした。
 どもったらかわいそうだという気持ちが、どもる子ども本人をどれだけ傷つけるか、親心としてよかれと思うことが却って悩ませる原因になるか、知ってほしいと思います。保護者に伝えたいことの最大のものは、「どもったらかわいそう」と思わないでほしいということです。吃音を否定しないでほしいのです。どもっていてもいなくても、今のままの子どもを愛情いっぱい育ててほしいのです。それに尽きます。親が子どものの吃音をなんとかしてやろうということは、子どもに、今のままではだめだというメッセージを与えてしまいます。そんな話を、自分の経験やこれまで会ったたくさんのどもる人、どもる子どもの経験を通して話しました。 もうひとつは、子どもの力を信じてほしいということです。将来、親が子どもに代わって生きることはできません。いろいろな困難に立ち向かっていくのは、子ども自身です。転ばぬ先の杖を持たせないで、自分の力や仲間の助けを借りて、なんとか対処していく生きる力を育てたいのです。岡山のある高齢者施設の話をしました。その高齢者施設は、バリアフリーではなく、バリアアリーです。食事も、いろんな行事への参加も自分で決めます。周りができるだけ手助けしないことで、高齢者も元気になっていくそうです。これから人生の荒波を生きなければならない子どもであればなおのこと、自分の人生の主人公は自分だと自覚したいものです。
ちば相談会&学習会 全体 ことばの教室の担当者からも、具体的な質問がありました。担任している子どもとのやりとりを再現してもらいました。対話が大事だということはよく知っておられる担当者でした。でも、僕からすると、あっ、ここでもう一歩踏み込んで質問してもらいたかったなと思うところがありました。クラスの子どもたちに、自分の吃音のことを話して理解してもらっていると思っていたのに、からかわれた子がいました。どもる子はショックでした。そのために、これまでできていた日直もできなくなりました。でも、その子はなんとか自分を支え、しばらくして日直をしました。「もう一度、クラスのみんなに話そうか」と向けると、「言いたくない!」と拒否したので、「そうだね。言いたくないよね。気持ちは分かるよ」と返したそうです。
 僕なら、そのとき、「なぜ、言いたくないの?」「言ったら、どんなことが起こる可能性があるだろうか」と、対話を続けるだろうなと思いました。ここで、参加者に尋ねました。この子はなぜ言いたくなかったのだろうか、言ったらどんなことが起こると考えたのだろうか、そして、担当者として次の打つ手はどんなことだろうか、と。研修会というよりワークショップのようになってきました。自分ならどうするか、参加しているひとりひとりが考え、発表していきました。ホワイトボードに書き挙げてみると、たくさんの選択肢があることに気づきます。
 最後に、僕は、からかう子はたった一人なのだから、他の子は分かってくれていること、クラスのみんなは敵ではないこと、からかう子を逆に研究してみようと提案することなどを話しました。
 対話が大事だと分かっていても、具体的にどう対話をするのか、どう子どもとやりとりしていくのか、それはそのときのことなので、how toを提案することは難しいです。でも、こうして具体例を出していただいたおかげで、僕も、参加したみんなも考えることができました。こういう積み重ねをしていくことが大切なんだと思いました。
 参加者から出された話題をもとに、あっという間に時間が過ぎていきました。終了時刻に近くなって、少しだけまとまった話をしました。安全基地、ムーミンの話、三間の話、自己肯定感についてなどです。自己肯定感は、「自分は自分であって大丈夫」という感覚です。吃音親子サマーキャンプで言い続けている、「あなたはあなたのままでいい」「あなたはひとりではない」「あなたには力がある」を子どもが自分の体験を通して思ってほしいことです。そのためには、担当者や保護者にも、その感覚を持ってほしいと思います。
 伝えたいことがいっぱいあります。僕の吃音の旅は、まだまだ続きます。

日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2022/12/12

ことばの教室訪問 子どもたちとの対話

山王小訪問 看板 サイズ変更 千葉市のことばの教室とは関係が深く、秋には千葉で吃音キャンプがあったばかりです。ふたつの学校から依頼を受けて訪問し、どもる子どもたちや保護者から質問を受け、対話をしました。
 まず午前中の山王小学校に入ると、手作りの歓迎の立て看板が目にとまりました。チャイムが鳴り、子どもたちが集まってきます。子ども6人と保護者、担当者、そして僕たちがそろって、授業が始まりました。
山王小訪問 みんなで輪 山王小訪問 伸二ひとりはじめに、子どもたちが、自分にとっての幸せとは何かについて書いた画用紙を見せながら自己紹介をしてくれました。
 そして、子どもたちから僕への質問コーナーに移りました。
・今年、放送委員をしている。アナウンスするときに、自分がどもることを考えたことはない。もし、伊藤さんが僕と同じ放送委員だったら、どんなことを思いますか。
・大人になってから、どもって困ったことはありますか。
・休みの日は1人で遊ぶことが多いですか。
・どもっていると、つけない仕事があると思いますか。
・私は友だちが110人います。自分から「友だちになろう」と声をかけて友だちを作るけれど、伊藤さんはどうやって友だちを作りますか。
・どうして、世界大会やどもる人のグループを作ったのですか。
・僕は吃音について、将来の不安がありません。「なんでそういう話し方なの?」と聞かれることは今までもあったし、これからもあると思うけれど、慣れていくしかないと思っています。どもりと向き合う心の作り方も分かりました。困ったら、そのとき考えればいいと思っています。こんな僕をどう思いますか。
・どもらなければもっと楽しい生活になるだろうと思う人がいます。なぜ、そう思うのだろうか。どもっていても、楽しい生活はできると私は思います。
・吃音を気にしないレベルを10段階で表したら、伊藤さんは10に見えます。私は10を目指しているけれど、今、レベル7の位置にいます。あと3は気になってしまいます。気になる3をなくし、10になるにはどうしたらいいですか。

 小学生の子どもたちが、こんなことを考えているのかとびっくりします。質問の意味を確かめ、子どもひとりひとりとやりとりをしながら、僕は自分の考えていることを話していきました。個別学習やグループ学習で、しっかり吃音を学び、自分の吃音について考えているからなのだろうと、自分自身の小学生の頃と比べてしまいました。

山王小訪問 心の作り方図解 僕と同じ名前の伊藤君が、「どもりと向きあう心の作り方」という図を見せてくれました。
 前は、僕の全体が吃音だったけれど、今は、僕の中のほんの一部が吃音で、ほかにもいろいろあるのが僕だ、ということだそうです。すごいなと思います。
 もちろん、これからの人生の中で、いろいろなことがあると思います。理不尽なことにも遭遇するかもしれません。でも、そんなときもきっと、小学生のある時期、こんなことを考えていたという実績は消えることはありません。吃音親子サマーキャンプで出会った子どもたちのように、苦しいことやつらいことがあったとしても、なんとかしのいでいってくれるだろうと確信しました。
松が丘小訪問 全体 午後は、松ヶ丘小学校に行きました。ここは、17家族が参加しました。人数が多いので、体育館で行いました。ここも、はじめは、幸せについてひとりひとりが話してくれました。そして、質問の時間になりました。

・ことばがなかなか出ないときはどうしたらいいですか。
・どもってよかったことは何ですか。
・将来、どもっても、なりたい仕事につけますか。そのためには、何か苦労がありますか。
・どもっているのに、どうして大学の先生になることができたのですか。
・友達や仲間をどうして作ってきたのですか。
・受験のとき、面接でどもっても大丈夫ですか。
・どもっていても、楽しく暮らせますか。
・カレー屋さんになったとき、どもって困ったことはありましたか。僕はないと思うのですが。
・子どものころ、どんな大人になると考えていましたか。将来の夢は何でしたか。

松が丘小訪問 伸二 ここでの質問も本当にいい質問ばかりでした。僕は、子どもたちと対話しながら、たくさん話しました。お寿司屋さんになりたいという夢をもっている子には、僕のカレー屋さん時代の話をしました。大阪教育大学を辞めて、カレー屋さんになったとき、店の名前をどうするか悩みました。インドの詩人「タゴール」が好きだったので、「タゴール」としたかったが、タ行は苦手です。でも、やっぱり「タゴール」にしました。心配していたとおり、材料の注文のときには「こちら、○○です」と言ってから注文しないといけませんが、なかなか「タゴール」が出てきません。でも、そのうちに相手が僕のどもっていることに慣れたのか、「タゴールさん?」と言ってくれるようになりました。また、閉店時刻を尋ねられたときも困りました。閉店は7時です。僕は、「しち」も「なな」も、とても言いにくいのです。そんな懐かしい話をすることができました。
 最後の感想で、「伊藤さんの昔の話を聞くことができてよかったです」と言ってくれた子がいましたが、僕の方こそ、昔の話をすることができてうれしかったです。
 ことば教室訪問は、無事終了しました。新鮮ないい刺激を受けて、とても気持ちのいい時間でした。

日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2022/12/10

千葉、東京、宇都宮に行っていました

 いつの間にか12 月。今年も後1ヶ月です。
 しばらくブログをお休みしました。
 1日、千葉に行きました。
 2日は、千葉市内のことばの教室2校を訪問しました。子どもたちのグループ学習に参加して、子どもたちや保護者からたくさん質問を受けました。
 3日は、渡邉美穂さんが企画してくれた「ちば吃音相談会&学習会」がありました。こにも、保護者、ことばの教室担当者、言語聴覚士の人たちが参加してくれて、たくさん話しました。特に、来年4月に小学校に入学するという子どもの母親が2人参加していて、不安に思うことがたくさんあったようで、いい質問をしてくれました。僕の頭は、質問によって活性化され、刺激を受けて、フル回転します。対面で、お互いに顔を見ながら話せることの喜びを感じながら、過ごしました。
 4日は、毎年恒例の、関東大学ラグビー対抗戦の早明戦の観戦でした。僕は、明治大学OBです。スポーツの中で唯一好きなのはラグビーということで、ずうっと明治を応援しています。今年の会場は、国立競技場でした。吃音親子サマーキャンプに小学4年生から参加し、その後はスタッフとして参加してくれている森田俊哉さんと一緒に観戦しました。彼は、早稲田大学ラグビー部だったのです。前半の3トライまでは、パスがうまく回り、気持ちよく観ていたのですが、その後は、小さなミスがたくさんあって、明治らしくないなあと思いながら観ていました。まあ、勝ったので、よし!なのですが、次回を期待しています。
 5日は、栃木県宇都宮市に行きました。高木浩明さんが企画してくれた、栃木県中部地区言語障害教育研究会研修会です。前日までとは違って、ぐんと冷え込んだ宇都宮でした。午前中は、保護者の相談会、午後はことばの教室担当者の研修会でした。研修会の3時間、ずっと聞いていてくれた校長先生が、「伊藤さんの話を聞いていると、吃音は、言語障害の中に入れることはないですね。ひとつの個性ととらえたら、そのままでいいのですから」「ことばの教室に通う子どもたちは、ある意味、幸せですね。ひとりひとりに合わせて手厚く見てもらえるのだから」と感想を言っていました。そのとおりだと思います。
 家庭やことばの教室が、子どもたちにとって安全基地となること、吃音の学習を通して、子どもも担当者も共に学ぶこと、対話を通して今の自分の課題に挑戦していくこと、そんなことを楽しく取り組んでもらえたらうれしいなと思いながら、大阪に戻りました。

 毎月のニュースレター「スタタリング・ナウ」の入稿が迫っていて、千葉や宇都宮の余韻に浸る間もなく、パソコンに向かっていました。ようやく入稿できたので、簡単な近況報告をしました。

日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2022/12/07
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