大阪スタタリングプロジェクトの、年に一度の運営会議
2月20・21日、大阪スタタリングプロジェクトの年に一度の運営会議が行われました。以前は、宿泊で行っていたこともありますが、最近は日帰りで、土曜日に、機関紙「新生」の発送終了後の午後2時から、よる9時までと、翌日曜日の午前9時から正午まで、2015年度を振り返り、2016年度の企画を考えます。
大阪の運営委員は、24人。今回、新しいメンバー4人が加わり、総勢30人の大所帯になりました。そのうち、今回参加したのは、24人。出席率が高いのにびっくりします。大阪吃音教室の講座についてのふりかえりを一人一人がしました。自分が担当した講座のこと、参加して印象に残った講座のこと、合間に質問やコメントが入ります。このふりかえりでの気づきが、来年度の講座に活かされていきます。
毎週の大阪吃音教室の世話人を決め、ニュースレターの編集担当を決め、来年度のスケジュールと講座担当者を決めました。講座の担当者も、「○○をしてみたい」「誰々さんの担当する講座を経験してみたい」など、自薦他薦で決まっていきました。金曜日に吃音教室を始めた1987年、僕は当時45回の全講座を僕が担当しました。資料を全て用意し、当日の講座を1年間通して担当したのです。一年間45回講座を担当したことは、僕とって大きな自信となりました。それだけの時間、吃音に関わることを話せると言うことは、吃音の豊かな世界を物語っています。「吃音を治す、改善する」の立場での言語訓練的な例会だったら、とても45回も話せません。僕の講座を受けた人が僕の資料や、書籍、さらには自分で他の場所で開かれている研修会や、講座を受講し、大阪吃音教室の担当者になっていく。年を重ねる度に、僕の担当する講座は減っていき、今では、年に3回程度になっています。1987〜1990年ころと比べたら、とても大きな違いです。僕の出番も少なくなり、うれしい半面、少しさびしいような気持ちになります。
そして、今回、運営会議では、最近の吃音事情についても、みんなで共有しました。自分の体験だけで吃音を語るのではなく、どもる子どもやその保護者のこと、日本の吃音に関する状況、世界の流れなどにも、関心をもち続けたいと思います。運営委員には、そのような幅広い視野も必要なのです。吃音が発達障害支援法に、支援の対象となったこと、そこからくる諸々の影響について、まだ始まったばかりなので、想像でしかないのですが、ひとりひとりが自分のことばで語りました。自分を大切にし、自分の吃音を愛おしく思う仲間の語りに、僕は耳を傾けながら、しなければいけない課題に、仲間とともに真摯に向き合っていこうと決意しました。大阪スタタリングプロジェクトの運営委員が語ったことは、どこかで紹介したいと思っています。
このようなまじめで、真剣に吃音に向き合う人たちのおかげで、僕の場合はもう50年もつづけているので、卒業してもいい年齢なのですが、若い人たちとやはり、頑張って続けていきたいと思うのです。本当にありがたい、心強い仲間たちです。
日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2016/02/28