第26回吃音親子サマーキャンプ 13
吃音ファミリー
滋賀県彦根市にある荒神山自然の家は、僕の住む大阪より少しだけ秋の訪れが早いようです。8月の第3週に行われる吃音親子サマーキャンプの頃は、そろそろ秋の訪れを感じさせます。特に今年は、過ごしやすい3日間でした。
サマーキャンプという名前がついていますが、いわゆるキャンプの要素が少ない僕たちのキャンプ、唯一2日目の午後の荒神山へのウォークラリーが野外活動です。
子どもたちは、劇の練習後に、演劇・生活班ごとにウォークラリーに出発します。最近は、若いスタッフがリーダーになり、高校生が率先して、年下の子どもたちの面倒を見て、みんなで協力し、荒神山の頂上を目指します。ここでもいろいろなドラマが生まれています。
頂上からは、琵琶湖が見え、とてもきれいだそうです。というのは、僕はこの時間、親の学習会をしているので、ウォークラリーには一度も参加したことがないのです。帰ってきた子どもたちの、疲れたけれど満足そうな顔を見て、ウォークラリーの楽しさを想像しています。


この日の夕食は、自然の家の食堂で作ってもらったカツカレーを外のクラフト棟で食べます。以前はカレーだったのですが、20周年記念のときにカツカレーにして、好評だったため、その後ずっとカツカレーです。
子どもたちは劇の練習と荒神山へのウォークラリーで、親たちは学習会でみっちり学習したため、外での夕食は、格別です。ご飯もカツもカレーもたっぷり。みんなお代わりをして、大満足です。クラフト棟のすぐそばの小山を駆け下りる子どもたち、フリスビーや野球を楽しむ子どもたち、テーブルを囲んで大きな笑い声をあげている若者たち、参加者もスタッフも区別がつかない、リラックスした、いい光景です。


民間放送のTBSが「報道の魂」で吃音親子サマーキャンプを取り上げたとき、このカレーの食事の光景に、こんなナレーションが流れます。
「サマーキャンプでは、みんなが吃音について話し合うことから始めて、やがて吃音を超え、苦労すること、悩むこと、そして生きることについての思いを分かち合う。2泊3日の時間と様々な活動を通して、吃音の子どもと親とスタッフの140人あまりの集まりは、緩やかで、いろいろで、そして大きなひとつの家族になっていく」
アキアカネが飛び交い、気持ちのいい風が吹き、あちこちで語らいがあり、僕は、毎年、この光景を見るのが大好きです。まさに吃音ファミリーだと実感します。
日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2015/9/28
吃音ファミリー
滋賀県彦根市にある荒神山自然の家は、僕の住む大阪より少しだけ秋の訪れが早いようです。8月の第3週に行われる吃音親子サマーキャンプの頃は、そろそろ秋の訪れを感じさせます。特に今年は、過ごしやすい3日間でした。
サマーキャンプという名前がついていますが、いわゆるキャンプの要素が少ない僕たちのキャンプ、唯一2日目の午後の荒神山へのウォークラリーが野外活動です。
子どもたちは、劇の練習後に、演劇・生活班ごとにウォークラリーに出発します。最近は、若いスタッフがリーダーになり、高校生が率先して、年下の子どもたちの面倒を見て、みんなで協力し、荒神山の頂上を目指します。ここでもいろいろなドラマが生まれています。
頂上からは、琵琶湖が見え、とてもきれいだそうです。というのは、僕はこの時間、親の学習会をしているので、ウォークラリーには一度も参加したことがないのです。帰ってきた子どもたちの、疲れたけれど満足そうな顔を見て、ウォークラリーの楽しさを想像しています。


この日の夕食は、自然の家の食堂で作ってもらったカツカレーを外のクラフト棟で食べます。以前はカレーだったのですが、20周年記念のときにカツカレーにして、好評だったため、その後ずっとカツカレーです。
子どもたちは劇の練習と荒神山へのウォークラリーで、親たちは学習会でみっちり学習したため、外での夕食は、格別です。ご飯もカツもカレーもたっぷり。みんなお代わりをして、大満足です。クラフト棟のすぐそばの小山を駆け下りる子どもたち、フリスビーや野球を楽しむ子どもたち、テーブルを囲んで大きな笑い声をあげている若者たち、参加者もスタッフも区別がつかない、リラックスした、いい光景です。


民間放送のTBSが「報道の魂」で吃音親子サマーキャンプを取り上げたとき、このカレーの食事の光景に、こんなナレーションが流れます。
「サマーキャンプでは、みんなが吃音について話し合うことから始めて、やがて吃音を超え、苦労すること、悩むこと、そして生きることについての思いを分かち合う。2泊3日の時間と様々な活動を通して、吃音の子どもと親とスタッフの140人あまりの集まりは、緩やかで、いろいろで、そして大きなひとつの家族になっていく」
アキアカネが飛び交い、気持ちのいい風が吹き、あちこちで語らいがあり、僕は、毎年、この光景を見るのが大好きです。まさに吃音ファミリーだと実感します。
日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2015/9/28