ナラティヴ元年
いよいよ、8月2、3日の「親・教師・言語聴覚士のための吃音講習会」が開かれます。今、その準備に集中しています。今回のテーマは、「ナラティヴ・アプローチ」。まだあまり教育の世界では浸透していないのですが、翻訳されている書籍だけでも、僕の書棚には50冊以上あります。これだけたくさんあるのに、なぜ浸透していかないのか不思議です。読めば読むほどに、吃音との相性は抜群です。確かも論理療法、認知療法、認知行動療法を知ったときも同じように感じました。
僕はこれまで、「吃音を治す、改善する」とまったく違うアプローチを30年以上探ってきました。本当にいろんな子とを学んできたと思います。アサーティヴ・トレーニング、論理療法、認知行動療法、が金子書房から出版され、昨年は、「べてるの家」との出会いの「吃音の当事者研究」がやはり金子書房から出版されました。
そして、今年は講習会も、吃音ショートコースも「ナラティヴ・アプローチ」です。これまで学んできたことが、「当事者研究」「ナラティヴ・アプローチ」にまとまっていきます。いよいよ僕のどもりの旅は、最終到着地点にたどりつけそうです。一年をかけて、これらをまとめた本を書きたいと思っています。
夏の金沢で、また、いい仲間たちと熱く「どもり」について語り合う。こんな幸せなことはありません。それが過ぎると、25回目の吃音親子サマーキャンプ。
「吃音を治す・改善する」の50年前に逆戻りしたかのような、最近の吃音の世界。またまだ、しなければならない、発信しなければならないことは多いです。目の前のものを、一つずつ丁寧に取り組みたいと考えています。
今日は,少し和らぎましたが,暑い日が続いています。ご自愛下さい。
日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2014/07/28