今、アドラー心理学が注目されている
アドラーは、「人間の悩のすべて人間関係にある」、「究極的には、我々の人生において対人関係以外の問題はないようにみえる」と行っている。 「アドラー心理学を読む」 岸見一郎 (アルテ)
僕はどうしてあんなに吃音に深く悩んだのだろう。どもること自体に問題がないから、小学2年生の秋までは悩む子とも、困ることもなかったのです。何度も書いていることですが、小学2年で吃音を否定的にとらえて、悩み始めてからは、たくさんいた友だちが一人減り、二人減りで3学期にはひとりぼっちになっていました。
アエラ(朝日新聞社)の5/19号に「ぼっちが怖い、今どきの大学生−友達づくりに四苦八苦」の記事がありました。大学の学生相談室の相談は「勉強、研究、就活」と「人間関係」の二つに集中すると言います。
もし、友達が吃音を理解してくれ、仲の良い友達がいたら、吃音に悩む子とは、あれほど大きなマイナスの影響を受けずに済んだと思います。事実、友達が理解し,友達のいる、学童期、思春期の子どもは、吃音は大きな問題とはなっていません。その後、社会人になって悩み始める人は少なくないので、この間に、しっかりと吃音とつきあう技術を学んでおいた方がいいと思うのですが、現実に困っていないので取り組まない人がいます。
ともあれ、吃音は「吃音の症状の治療、軽減」よりも、その人の人間関係をよりよいものにしていくことを考えた方が現実的です。今、言語聴覚士の専門学校での講義がつづいていますが、言語の専門家としては、症状への治療、改善へと目が向きがちですが、そうではなくて、吃音に悩んでいる人の人間関係の悩みに取り組んで欲しいとお願いしています。すると、学生から、それなら精神科医や、臨床心理士の領域ではないと疑問が投げかけられるのですが、吃音に悩む人にとっては、吃音が人間関係に影響をしていると考えているので、吃音について、しっかり学び、知識をもっている言語聴覚士が、専門的な知識でなくても、カウンセリングや精神医学に少しの興味関心をもって、取り組んで欲しいと言つています。吃音の劣等感をつきあえる程度に軟らかくしておかないと、他のことに自信をもとうとしても、人間関係のスキルを育てててもうまくいきません。
吃音としっかり向き合い、自分としっか向き合い、人間関係にもしっかり向き合う必要があります。よりよい人間関係を育む5つの要素として、僕は次の5つを考えています。
1 肯定的で、明確な自己概念
2 人の話にしっかりと耳を傾ける、傾聴
3 適切な自己主張である、アサーション
4 感情の適切な処理と、表現
5 自己開示
言語訓練よりも、これらのことを一緒に考え、一緒に取り組むことも、言語聴覚士の役割だと話し続けています。
日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2014/05/15
アドラーは、「人間の悩のすべて人間関係にある」、「究極的には、我々の人生において対人関係以外の問題はないようにみえる」と行っている。 「アドラー心理学を読む」 岸見一郎 (アルテ)
僕はどうしてあんなに吃音に深く悩んだのだろう。どもること自体に問題がないから、小学2年生の秋までは悩む子とも、困ることもなかったのです。何度も書いていることですが、小学2年で吃音を否定的にとらえて、悩み始めてからは、たくさんいた友だちが一人減り、二人減りで3学期にはひとりぼっちになっていました。
アエラ(朝日新聞社)の5/19号に「ぼっちが怖い、今どきの大学生−友達づくりに四苦八苦」の記事がありました。大学の学生相談室の相談は「勉強、研究、就活」と「人間関係」の二つに集中すると言います。
もし、友達が吃音を理解してくれ、仲の良い友達がいたら、吃音に悩む子とは、あれほど大きなマイナスの影響を受けずに済んだと思います。事実、友達が理解し,友達のいる、学童期、思春期の子どもは、吃音は大きな問題とはなっていません。その後、社会人になって悩み始める人は少なくないので、この間に、しっかりと吃音とつきあう技術を学んでおいた方がいいと思うのですが、現実に困っていないので取り組まない人がいます。
ともあれ、吃音は「吃音の症状の治療、軽減」よりも、その人の人間関係をよりよいものにしていくことを考えた方が現実的です。今、言語聴覚士の専門学校での講義がつづいていますが、言語の専門家としては、症状への治療、改善へと目が向きがちですが、そうではなくて、吃音に悩んでいる人の人間関係の悩みに取り組んで欲しいとお願いしています。すると、学生から、それなら精神科医や、臨床心理士の領域ではないと疑問が投げかけられるのですが、吃音に悩む人にとっては、吃音が人間関係に影響をしていると考えているので、吃音について、しっかり学び、知識をもっている言語聴覚士が、専門的な知識でなくても、カウンセリングや精神医学に少しの興味関心をもって、取り組んで欲しいと言つています。吃音の劣等感をつきあえる程度に軟らかくしておかないと、他のことに自信をもとうとしても、人間関係のスキルを育てててもうまくいきません。
吃音としっかり向き合い、自分としっか向き合い、人間関係にもしっかり向き合う必要があります。よりよい人間関係を育む5つの要素として、僕は次の5つを考えています。
1 肯定的で、明確な自己概念
2 人の話にしっかりと耳を傾ける、傾聴
3 適切な自己主張である、アサーション
4 感情の適切な処理と、表現
5 自己開示
言語訓練よりも、これらのことを一緒に考え、一緒に取り組むことも、言語聴覚士の役割だと話し続けています。
日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2014/05/15