伊藤伸二の吃音(どもり)相談室

「どもり」の語り部・伊藤伸二(日本吃音臨床研究会代表)が、吃音(どもり)について語ります。

2014年01月

北九州の小倉で吃音講演・相談tがひらかれます。


 毎年2月ごろ開催されます。小倉での相談会です。主催者の案内をご紹介します。
 近くのお住まいの方、吃音に関心のある方ご参加下さい。いろいろとご紹介いただくとありがたいです。
 毎年、私にとっても参加者にとっても、いい時間になっています。

 日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2014/01/19 


      吃音講演・相談会 吃音とともに豊かに生きる

 日本の吃音指導のリーダー的存在であり、吃音の当事者である伊藤伸二氏をお招きして、講演・相談会を行います。第10回吃音世界大会(オランダ)に参加して得た世界の吃音臨床の状況やどもる人の生き方。ことばの教室や吃音親子サマーキャンプで出会った子どもたちの体験などを元に、どもる子どもの子育て、指導、教育、成人のどもる人の吃音への対処の仕方などについて具体的な体験やエピソードを盛り込みながら話していただきます。日頃、困っていることや疑問に思っていることなど、参加者からの相談に答える形で話が進みます。多くの方の参加をお待ちしています。

1 日時  平成26年2月2日(日)
第1部(幼児、小学生、中学生の部) 午後1時30分〜4時
対象者:吃音幼児・小・中学生の親、保育士、幼稚園・小学校教諭等

第2部(高校生、大人の部)   午後6時〜8時30分
対象者:吃音で悩んでいる大人(高校生以上)とその関係者

2 会場  北九州市立障害福祉センター 電話 093-522-8724  Fax 093-522-8772
       北九州市小倉北区馬借一丁目7−1(総合保健福祉センター3階) 

3 講師  日本吃音臨床研究会会長 伊藤伸二 氏 大阪教育大学非常勤講師  
言語聴覚士養成専門学校非常勤講師・国際吃音連盟顧問理事
      著書:『吃音の当事者研究』『吃音と認知療法・認知行動療法』(金子書房)
『どもる君へ いま伝えたいこと』『どもりと向きあう一問一答』
『親、教師、言語聴覚士が使える吃音ワークブック』(解放出版社)
カルタ教材:学習・どもりカルタ(日本吃音臨床研究会)など多数

4 参加費 無料
5 主 催 北九州市立障害福祉センター
6 申し込み、問合せ先  北九州市立障害福祉センター  徳本郁恵
電話 093-522-8724  Fax 093-522-8772

どもりカルタで、大阪吃音教室の楽しく幕開け

どもりカルタを作ろう

世界中で、どもりのことをこんなに楽しく語り、遊べるグループはあるだろうか。

 年の初めに大阪吃音教室で、どもりカルタの講座をするようになって8回目。そろそろネタが尽きる頃かと思ったけれど、終わってみれば一年に一回、44文字のひとつのカルタが出来上がっているという不思議な時間を過ごしました。去年の反省で、読み札を味わう時間をできるだけ長く取り、カルタができた背景を味わいました。
 
(1)カルタを作る時間(読み札、絵札)
(2)味わう時間(読み札)
(3)カルタで遊ぶ時間
 
 「読み札」「絵札」を、グループになって作ります。一番読み札に入れてほしいことは「自分の経験」です。自分のどもりの経験から言葉を探していきます。経験から学んだこと、自分が大切にしていること盛り込み、それをユーモアに包んで作っていきます。グループに分かれて、わいわいがゆがや、2時間という時間の中で、最後のカルタ取りまでする、おもしろい時間です。こんなカルタができました。
 
あ あわてずに ゆっくりどもろう 自分のことば
い 言い換えて 結局吃って 意味ないじゃん
う 上を向いて どもればツバが 落ちてくる
え 「えーっと」の 起爆装置で 話し出す
お 追いかけよう どもったままでも 夢叶う

か からすかよ ばかにされても どもりきる
き 吃音が結ぶ 世界の 大きな輪
く 苦しかった 日々が私の 宝物
け 蹴りを入れ 壁を打ちつつ 電話する
こ 公表を するなら 笑顔で伝えたい

さ さぁ、行こう!! みんなでどもれる 日本の未来
し 心配ない!! どもりのままで 花は咲く
す すさまじく どもった後は ひらきなおり
せ 先生と 目線を合わせぬ 努力する
そ それもこれも どもりのせいに してた僕

た たまごから 鶏卵・エッグと 七変化
ち 調子悪い ときはジェスチャー 大活躍
つ つまってもなまっても きっとなれるさ 落語家に
て 手を抜いた わけではないのに 声出ない
と 友達が 沢山できるよ どもりなら

な ナリタブライアン 第4コーナー いくぞあせるな ゴールまで
に にわか雨 いつか止むんだ どもり晴れ
ぬ ぬくぬくと お風呂にはいって 発声練習
ね 粘り強く あきらめないぞ どもっても
の のんびりと ゴロゴロしたって どもり消えない

は 初詣 治りませんようにと 今、祈る
ひ ひょっとして 隠れ吃りか!? あの人も
ふ ふんばって 言えた言葉が 通じ合う
へ 平気なふりして 笑っているが ぼくのどもりは泣いている
ほ ホッとした ぼくの前で止まった 朗読

ま マンネリだ 本読み練習 もう飽きた
み みんなの視線 気にしたあの日も 今は懐かし
む 無理やろか? いやいや待てよ 言い換えじゃ
め メンチカツ 言いやすいから いつも食う
も もっとなめらかに もっと早く もっともっともうやめた

や 屋根の上大きな声で どもったら 思いが天に 届くだろうか
ゆ ゆわしたる 私を笑う あの連中
よ 酔ってたら スラスラ出るのは なんでやろ

ら 楽にどもる それができれば 世話はない
り リモコンが 音声認識 えらいこっちゃ
る 留守電の コールが鳴ったら 受話器置く
れ 練習を やめて開ける 新世界
ろ 録音じゃ 5倍以上も どもってる

わ わがままな どもりの機嫌を 今日もとり

 「初詣 どもりませんようにと もう願わない」がみんなでみんなで話し合い、「初詣 治りませんようにと 今祈る」に変わるなど、グループの話し合いがおみしろいのです。
  
■気に入った作品をひとり5つ選んで挙手して、人気投票。

に にわか雨 いつか止むんだ どもり晴れ 12票

わ わがままな どもりの機嫌を 今日もとり 10票

は 初詣 治りませんようにと 今祈る 8票

感想 
・考えていたときは「治さない どもりのままで」っていうことを頭にイメージして作りました。「治さなくていい」「どもっていてもいいんだ」っていうメッセージを伝えたかった。それを込めて。

・何人かの経験からの共作のものがけっこう上位にきていた。いくつかありましたね。

・グループのなかでの話し合いがなかなか良かったのではないかな、と思います。はじめのほうはみんな静かであんまり声が聞こえてこなかったんですが、だんだんと時間が経つにつれて、笑い声がでてきたり「それちゃうやろ〜」っていう声が聞こえてきたり、その輪のなかがだんだん盛り上がっていくのを、私は感じているので、合作というもの、いい言葉がきっと出てくるんだろうなあと思います。

・僕らの「たまご」もそうだし「初詣」もそうだし、初詣とかたまごというものがあってね、そのなかで話し合っているうちに出てきて面白かったね。

・いつも思うんですけど、この読み札にあるような言葉は、1人で悩んでいた時には絶対に思えなかったことばかりで、それを一年の初めに笑いながら味わえるというのはとってもいいなあと思います。

・今までは予期不安があったり、そういう言葉が出るんだけど、そういう言葉がないのに表しているっていうのがいいですね。

・ 新しい言葉ができた。「どもり晴れ」「起爆装置」こういう言葉を大事にしていきたい。

・この中の、気に入ったものを書き留めておいて、しんどい時にそれを思い出しながら、
元気グッズのひとつに加えていただいて、これから一年元気にやっていけたらいいかなと思います。

 
 日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2014/01/15 
 
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千竃八重子さんとのうれしい出会い


  千竃さんの紙芝居
 1月4日の湯布院での「小さな座談会」に、千竃八重子さんが北海道在住の絵本作家、本田哲也さんのお連れ会いのチヱ子さんとつれだって参加してくださいました。千竃さんは鬼ヶ島文庫の館長さんです。

 鬼ヶ島文庫
 湯布院町の中心から少し離れた塚原高原に、「絵本の中から飛び出てきたような素敵なログハウス」と誰かのブログにありました。そのブログから写真も転載しました。

 千竃さんが子どもたちのために開いた小さな文庫で、近くの子どもたちだけでなく、訪れる人に開かれた文庫です。子どもたちが好きな絵本を、親がベンチに座って読み聞かせたり、本を借りることもできます。子どもだけでなく大人も楽しめる空間。詳しくは聞けなかったので、間違っているかもしれませんが、火事になり、大切なたくさんの絵本と共に消失したそうです。
 千竃さんだけでなく、子どもたちや、親、その文庫に関わってきた多くの絵本作家にとって大きな悲しい出来事だったことでしょう。それを、80歳になる千竃さんは再建を決意します。たくさんの絵本作家が新たにえほんなどを寄贈して再建されました。

 すごいですね。大変に失礼なことですが、僕が80歳で、このような状況で再建を考えることができるかどうか、自信がありません。たくさんの作家との深い交流、地域の人たちに強く支持され、必要とされていたからこそ実現できたのだと思います。再開された日、今日、僕の話を聞きに集まって下さった人も、たくさんの人とお祝いをしたそうです。
 今回は、僕が話をして、皆さんが質問して語る会だったので、千竃さんについて、お話が聞けませんでしたし、鬼ヶ島文庫にも行っていません。次に湯布院に来たときは、鬼ヶ島文庫に行って、千竃さんから、ゆっくり話をお聞きしたいと思いました。
 
 千竃さんは、芝居文化の会という会も積極的にかかわっておられます。僕はしらなかったのですが、紙芝居が世界に広がっているというのです。紙芝居は、日本独自の文化財で、優れた紙芝居作品が優れた演じ手によって演じられ、世界中に共感の輪が広がり、ベトナムの紙芝居をみせていただきました。日本の文化が世界に広がっていることはとてもうれしいことです。
 
 そして、楽しい食事がすんでから、千竃さんが特別に紙芝居を演じて下さいました。
 僕の大好きな宮沢賢治の「雪わたり」を「キツネのげんとう」としてつくられて作品です。小学生の頃、親から禁じられていた紙芝居。どうして禁じられていたのだろうと不思議に思っていたのですが、今から思えば、料金とも言える「お菓子」を買うお金がなかったからかもしれません。60ぶりかで、子どもに帰って紙芝居を楽しみました。

 キツネのげんとうは、竹内敏晴さんの演出で何度か舞台で演じたことがあります。とても懐かしく、うれしく、千竃さんの語りの世界に引き込まれていきました。

 人が出会い、またその人の仲間にであっていく。湯布院に知り合いが、ひとり二人と増えていくこと、とても不思議で有り、うれしく、しあわせなことです。うれしい食事会でした。

 日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2014/01/10

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湯布院での小さな座談会


 湯布院は第二のふるさと

 不思議なことが起こる湯布院は、僕の第二のふるさとになっています。第一のふるさとは、20歳まで過ごした三重県の津市ですが、楽しい思い出のなにひとつなかった津市でしたが、同窓会でみんなが歓迎をして下さったおかげで、第一のふるさとになりました。旧友との交流もはじまり、昨年は本の執筆の最終段階であったために同窓会にさそわれていたのですが、参加出来ませんでした。しかし、待っていて下さる仲間もできたので、懐かしいふるさとになっています。

 湯布院はここ数年、年末年始に滞在しているのですが、ゆきつけの店もできました。また、、九州大学の村山正治先生のエンカウンターグループのつきあいで親しくなった、湯布院在住の、中曽根不二さんが、いろんな所につれて行って下さり、ご自分の知り合いを紹介してくださるので、随分知り合いが増えました。

 その人たちがみんな、反原発や人権問題など僕と価値観を同じくする人たちなので、話をしていても楽しく、いろんな興味深い話が聞けて、とても居心地がいいのです。
 夏に鹿児島の全難言の大会の後、湯布院に寄って、子育て・教育について講演をして欲しいと頼まれていたのですが、その時は都合がつかず。湯布院にはよれませんでした。

 そこで、今回、僕の話を聞き、作ったものを持ち寄って食事をしようという、食事会をもって下さいました。10人ほどが集まって、僕の「吃音と共に生きてきて、今、考えていること」の話を聞いて下さいました。
 その中には、湯布院で映画祭をの事務局をしている人、子どもの文庫を開設している人、北海道から絵本作家のつれあいで、小学校の校長を退職し、今は幼稚園の園長をしているひとなど、多彩な顔ぶれが集まりました。
 
 どもりについておそらく聞いたことがなかったであろう話を、みなさん、熱心に聞いて下さり、いろいろと質問をして下さいました。また、感想として、ご自分の弟さんの聴覚障害について考えたこと、子育てのことなどを話して下さいました。質問だけでなく、ご自分のことを語って下さったことで、座談会にふさわしいものになりました。

 どもりをきっかけにして、いろんな人生に触れた、とてもいい時間でした。そして、それぞれが作ってきた料理が並べられ、楽しい食事会となりました。
 湯布院という小さな町に、やさい作りの名人、おいしいパンをつくる人、美術館を管理している人、子どもの本の館長さん、社会的な映画の上映や、講演会を企画する人、スクールカウンセラーをしている人など、いろんな形で、地域に貢献しながら、この小さな喫茶店の周りに親しい人がこうして集まってくる。都会にはない、人の、「じか」なつながりが、とてもうらやましく感じました。そして、その輪の中に入れていただいている幸せも感じました。

 会の終わり間近になって、うれしいハプニングがありました。それは次回に。

 日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2014/01/08 

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今年も、JAL欠航


 湯布院から帰りました

 1月6日朝、大分空港へ。あっという間の2週間でした。11時30分発の伊丹行きの飛行機に乗りましたが、なかなか出発しません。しばらくしてアナウンス。機体に不備が判明したので点検が終わり次第出発しのすといいながら、15分が経過しました。そして、不備が修復できないので、この便を欠航しますとのアナウンス。
 
 僕は東京へ行くのもほとんど飛行機で、よく飛行機には乗りますが、このようなことは初めてです。満員の乗客は降ろされて、新幹線で振替輸送。バスで杵築までゆき、特急ソニック号で小倉へ、小倉から新幹線です。小さな子どもを二人もつれているお母さんなど大変です。しかし、誰ひとり文句を言うことなく、JAL職員の指示にしたがっています。僕たちも急ぐ旅でもないので、このハプニングをJALはどんな手際で処理するか、乗客はどんな反応をするのかを見るのを楽しんでいるところがありました。大きなトラブルはないものの、説明の仕方、処理方法はもうひとつでした。素早く動いたために予定の特急、新幹線に僕たちは乗れましたが、子連れのお母さんたちは間に合わず、バスに乗れなかった人は、おそらく一時間以上遅れてしまうはずです。

 JR.などでも、いろんなハプニングがこれまであれましたが、いつも思うのは対応のまずさです。
 昨年の一月、東京吃音ワークショップの帰りも、大雪で飛行機が欠航。新幹線に急遽乗り換えましたが、そのときの対応もお粗末でした。不思議なことに、原因は違いますが二年連続の新春の欠航騒ぎです。昨年は、とてもいい年だったので、この欠航も、今年がとてもいい年の前兆かもしれません。
 「今年は春から縁起がいいわい」でした。
 予定の5時間も遅れて大阪に帰ってきました。

 日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2014/01/07


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再び奇跡 どもり仲間との23年ぶりのうれしい再会


 不思議な縁 

 まさか、もう二度と会うことはないだろうと思っていた人に、奇跡的な偶然が重なって再会しました。
 一昨年、由布院の湯の坪街道のはずれの「おもう こほせす」というカフェで、そのカフェを経営するお連れ合いと、話をしている時、偶然共通の知り合いがいることがわかりました。かつて、大分県教育センターで言語指導室をしていた、指導主事、佐世省吾さんです。とても親しくしていて、大分で何度もお会いし、高崎山などへ連れて行ってもらった人です。ことばの教室の草分けのような人で、全国吃音巡回相談会や、私の著書「吃音者宣言」(たいまつ社)にも文章を書いていただくなどとてもおせわになった人です。その時はそのままになっていました。

 昨年末、といっても数日まえですが、夜にジョギングをしいてたら、店を閉めていたはずの「おもうこぼす」に明かりがついています。立ち寄ってみると、佐世さんの知り合いの和田さんがいました。そこで、電話番号がわかれば教えて欲しいとお願いし、調べてもらうことにしました。おそらく、80歳をすぎているだろうから会っておきたいとおもったからです。

 佐世省吾さんは、僕が、言友会から離れるとき、一番心配して下さった一人です。しかし、離れてからは、僕たちと交流がないままにここまできました。だから、二度とあうことはないと思っていたものの、大分の由布院にくるとふと思い出していました。おもうこぼすの和田さんは、少年院の監察官で、佐世さんは刑務所を出所した人の保護司をしていたので、カウンセリング研究会を通して知り合ったとの話でした。

 土日しかひらいていない「おもうこぼす」に寄ると、和田さんは、ちゃんと住所と電話番号を調べて下さっていました。その場で電話をしました。「大阪の伊藤です」佐世さんはすぐにわかって下さり、久しぶりに懐かしく話しました。お聞きすると84歳になっておられました。そこでは一旦電話を切ったのですが、その話を中曽根不二さんにすると、大分市まで連れて行ってあげるからあった方がいいと言ってくださいましたので、会いたいからね大分に行ってもいいかと電話をすると、「いや、私の方から保養ホームに行く」と、1月3日ホームまで来て下さいました。

 24年ぶりの再会です。1986年の第一回吃音世界大会の話や、大分言友会のことなど懐かしく話しました。吃音については、もうとっくに卒業されましたが、40前からのカウンセリングワークシヨップは今でも大分で開き、「いのとの電話」の担当者の研修会の講師をするなど、お元気でした。

 僕が、言友会を離れてからも活動していることを喜んで下さいました。
 中曽根さんの知り合いのつれあいとふと話したことがきっかけで、今回の再会になる。初恋の人との再会も不思議な縁でのことでしたが、いろんな人と出会っていく輪のおもしろさを今年も感じました。

 その佐世さん、若い頃は吃音に深く悩んだ経験があり、そのために空手の8段り有段者になったり、教育センターの言語室でどもる子どもの教育に携わってきたが、吃音にとって一番良かったのは「カウンセリング」との出会いだと話されました。たくさんあった全国のワークショップも今は3か所で開かれているだけになっています。その一つの大分でのワークシヨップを今も続けておられることに敬服です。

このような不思議な縁を通しての再会に感謝しつつ、今年も、いろんな出会いを楽しみにしているのです。

 日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2014/01/04 







源流太鼓の響きとともに一年が幕が開けました。


 すばらしい太鼓の響きで勇気が出ました

 由布院の旅館の御三家のひとつ、亀の井別荘では、毎年元旦12時ごろから、地元の源流太鼓の演奏で、新年を祝います。30年以上、地元で活躍する太鼓の一座で、その道の人には有名な一座です。

 2012年の元旦の太鼓の響きは、すごいものでした。東日本大震災の犠牲になった人々への鎮魂の祈りと銘打った演奏は、静かに、時に強く、魂に迫ってくるすばらしい太鼓でした。
 吃音親子サマーーキャンプに3年連続して、宮城県、女川町から参加していた、阿部さんのお母さんと、高校入学を控えていた莉菜さんが津波にのみ込まれて亡くなっただけに、僕には万感の思いで太鼓の音と、からだに響く振動を体感していました。翌年はもうひとつだったのですが、今年は昨年と比べて格段にすばらしいものでした。昨年初めてたたいていた小学6年生が、今年は中学一年生、体力のひつような太鼓を必死でたたいているのが、とても印象的でした。和太鼓の世界は、豊かなものだと、団員の一所懸命さにうたれました。

 亀の井別荘の天井桟敷という茶寮で、一年の計を考えました。

 「吃音を治す、改善する、軽減する」の大きな壁、最近の大きな波に向き合っている僕にとって、2014年は大きな年になります。まだ、紹介していなかったかもしれませんが「吃音の当事者研究−どもる人がべてるの家に出会った」で成人吃音について、「吃音とともに豊かに生きる」のパンフレットで学童期の吃音について書きました。
 今年は、幼児の吃音について取り組みたいと考えています。

 吃音をナラテイヴ・アプローチほもとに考える
 幼児の吃音について考える

 このふたつを2014の大きな柱としたいと考えています。

 この一年どうかよろしくお願いします。

 日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2014/01/02、 
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