伊藤伸二の吃音(どもり)相談室

「どもり」の語り部・伊藤伸二(日本吃音臨床研究会代表)が、吃音(どもり)について語ります。

2013年10月

 吃音をどう理解されたいか

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 第12回静岡吃音キャンプの親の学習会



 親の学習会の3時間30分は、親から出される質問に沿って話していくことにしている。講演の形にすると、親がもとめていたものとずれてしまうからです。しかし、質問をしてもらうと、少なくともその人には関心があることなので、安心して話すことができます。

 最初に父親から発言がありました。

 「他の病気や障害はある程度理解がある。私も、子どものころから、目や耳や身体に障害がある人に対して、からかったり、指摘したりなど、教えられなくてもしてはいけないことだとの認識はある。それらに比べて、「なんど、そんな話し方はするんだ」「ちゃんと日本語しゃべれ」などと、子どもは指摘や、からかいにあっている。それが,他の障害のある人にくらべて、そうすることが失礼や、問題だとおもっていない。どもりをたいしたことがないと思っている。どうしたら、他の障害や病気と同じくらい、どもる子どもに対する理解がすすんでいくのか。子どもが生きやすくなるのか、吃音はとても軽く見られている」

 これは議論によっては深い議論になる、大切な問題です。

 「お父さんは、どのように子どものことを理解して欲しいですか。「かわいそうな存在」、「弱い存在」として、同情や、特別の配慮をして欲しいですか」と尋ねました。

 「たいしたことではない」がプラスのこととして、みんながどもって時間がかかっても聞いてくれるのであればいいが、「早く言え」などと言われると、やはり理解がひろがればいいと思う」
 とすぐに横の母親が発言しました。
 
 本当にそうですよね。「かわいそうな存在」として、特別の配慮をして欲しい、たとえば障害者として認定して欲しいと考えているわけではないとの発言もありました。

 どもる人にとっての理解とは何か、以前書いた文章がありますので、後で紹介しようと思いますが、おもしろい話し合いになりました。「たいしたことがない」「吃音を理解してもらわなくてもいいから、僕の話し方に慣れてくれればいい」と、吃音親子サマーキャンプの子どもが言っていました。
 「どもりながら、自分なりの豊かな人生を送っている」との肯定的な吃音のとらえ方がひろがればいいなあと僕はおもっているのですが、どうでしょうか。

 さきほどの、「たいしたことがない」と思われて、からかわれたり、笑われたりするのであれば、「かわいそうだと」哀れみをかけられるよりは、ずっといいと言った子どもがいました。岡山のキャンプであった子どもは、デメリトはメリットに変えられると、変換する練習をしているように僕にはみえましたが、彼ならこの話し合いにどんな反応をするか、しりたくなりました。「たいしたことがないと思うから、わらったりするのなら、ぼくらも、本当にたいしたことがじゃない、笑われるくらいのことなんだと、軽く考えればいいんだ」、と言うかもしれません。

 「吃音の理解」につては、今後も考え続けたいと思います。

 日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2013/10/30




 

第12回 静岡キャンプが始まった


  静岡のキャンプは、スタッフの学習会からはじまります。

 静岡も、同じく吃音キャンプをしている島根県と似て横に広い件です。沼津と伊豆ではかなり距離が離れています。それにも関わらず、静岡県下から朝の学習会に集まってきて下さるのには頭が下がります。今年のテーマは「ナラティヴアプローチ」です。半数近くは毎年私の話を聞いて下さっていますが、半数は初めて聞く人です。前列には、言語聴覚士養成の大学さんが並んでいます。大学で学ぶ吃音と私の話す吃音は、ほとんど別物といっていいくらい違います。
 「ナラディヴ・アプローチ」が吃音にとってなぜ重要かを話す場合、これまでの吃音の治療の歴史を話す必要があります。その中で、ジョゼフ・G・シーアンの吃音氷山説と、ウエンデル・ジョンソンの言語関係図は外せません。アメリカ言語病理学から学べるものは、この二つしかないと言っていいくらい大切なものです。しかし、講義では聞かなかったと聞いておどろきました。やはり、吃音の治療・改善についてしかまなばないからでしょうか。
 2時間ほどの講義の後、食事をしながら、キャンプの実行委員会です。

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 静岡のキャンプを始めた、当時はことばの教室の先生で、今は静岡大学に勤める海野智子さんの開会の挨拶で始まります。12回目のキャンプが開催できたことへの思いを語ります。
 10回が終わったとき、10回続けて来たのだから終わりにするかとの話が持ち上がり、私をふくめて三人でつづけるかどうか話したことがあります。始めたものはいつかは終わりが来ます。いろんな準備の大変さの中で、いつやめてもいいとの思いを持たないと、実は続かないのです。続けなければならないと考えると、かえって続きません。
 その中で、この人たちがここまで続けて来られた情熱はなにでしょう。キャンプが終わって、終わりの会で「楽しかった、また参加したい」と、発言する子どもたちの笑顔がまたみたい。この思いなのです。
 台風で中止になりそうな所を、念力で開催できたのは、子どもたちの思いなのかもしれません。
 とにかく、スタートしました。うれしいことです。

 日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2013/10/29

 

第12回 吃音キャンプ・静岡 台風を追いやって開催

 やはり、トロは食べられなかった

 朝、静岡からなかなか電話がかかってきません。やはり中止になったかと思い始めていた、午前11時ごろ、「
開催します。ホテルも予約しました」との電話がありました。僕は気づかなかったのですが、「えっ、開催ですか?」と意外そうな感じだったと、電話を下さった島田さんが言っていました。半々の思いが、中止かもしれないに傾いていたからかもしれません。

 まず、会場に送っていなかった「書籍」を宅急便で送ったり、学習会の「ナラティヴ・アプローチ」の整理をしていたら、大阪出発が6時ごろになってしまいました。台風が追っかけてこないうちに早く静岡につきたかったのですが、雨はだんだん強くなってきました。雨で新幹線が止まることなく、静岡についてまずほっとしました。

 静岡の楽しみのひとつに「寿司」があります。静岡駅のステーションの5階だかに、「沼津魚がし」という寿司屋があります。僕はその寿司屋が好きで必ずいきます。いつも良く込んでいるのですが、台風のせいもあるのか、すぐに座れました。カウンターから少し高い、握っている職人さんに注文するのですが、毎回苦労します。
 バリー・ギターの「流調性促進技法」が紹介されてから、特に意識して、構音器官の軽い接触、弾力的発話速度、軟起声の、「ゆっく、そっと、やわらかく」をためしてみるために、大好きな「トロ」と「タマゴ」に挑戦することにしています。

 ところが、忙しく握っている職人さんに、「ゆっくり」はともかく、「そっと、やわらかく」では、相手に声が届かないのです。そっと、やわらかく、「トロ、お願いします」と言うと、必ず聞き返されます。すると「・・・・と」と出てこないのです。「とととととととととととと・トロ」とまで言ってまで、どうしても食べることもないので、つい別のものを注文してしまいます。

 おかげで、出始めた「かき」「のどぐろ」をおいしく食べました。

 「吃音と共に豊かに生きる」と言いながら、伊藤も結局、吃音を恥ずかしい、悪いものと思って逃げているじゃないか。

 そう思われると、それは違います。どもりたくない訳ではないし、恥ずかしいわけでもありませんが、「ととととと・・・」といっても、最後には出る自信も僕にはありません。

 どうしても言わなければならないこと、どうしても言いたいことは、僕は決して逃げません。どうでもいいことについては、、たとえば、寿司屋の注文で逃げたとしても、何の悔いも残れません。
 むしろ、「統合的アプローチ」の技法が、僕のように、講演や、講義をして話すことの多い仕事をしている人間でも、難しいということが、毎回確認ができるのが、うれしいのかもしれません。
 「完全でなくても、少しでも吃音の症状を軽減すべきだ」の主張が、いかに、ばかばかしいことか。以前からすれば、かなり症状が軽減している僕でさえ、こうなのだと自ら証明できるのを楽しんでいるのかもしれません。

 やっぱり、今年も「とろ」と「たまご」が食べられなかった。
 だけど、「好きな「かき」と「のどぐろ」と「ホッキ貝」がたべらけたもんね」と満足しているのです。

 静岡で、どもる自分自身を再発見するのが、とてもうれしい。できないことが、あるのがうれしい。
 だから決まって、注文しにくい、しかし、おいしいこの寿司屋がすきなのです。
 明日からの、静岡のキャンプにそなえる、僕のひとつの「儀式」になっているのだと思います。

 明日から、静岡のキャンプの報告です。

 日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2013/10/28 

 

静岡・吃音キャンプ


 キャンプは実施されるか

 今週末の静岡でのキャンプ。台風の進路が気になって早く目が覚めました。
 どうやら、進路はそれそうなのですが、雨はかなりふるかもしれません。静岡の実行委員の皆さんがどんな決断をされるのでしょうか。半々のような気がします。

 今年のスタッフへの吃音の講義は「ナラティヴ・セラピー」です。そして、二日目には親も子どもも全員での、「ことばのレッスン」があります。準備をしてきたのですが、台風がどうやら直撃しそうなので、おそらく中止かなあとおもって、ペースダウンしていました。キャンプ実施される可能性がでてきましたので、今、朝早く起きてもう一度、気合いの入れ直して、キャンプ実施決定にそなえようと思います。

 岡山キャンプに続いての静岡のキャンプ。どもる子どもや保護者の方々、どもる子どもを支援する、ことばの教室の先生や、言語聴覚士のみなさんと、こうして吃音について関われること、本当に幸せなことです。
 どうか、実施されますように。

 静岡では、島根や、滋賀、岡山でのキャンプでの子どもたちの話ができます。こうして、子どもたちの考えていること、思いを話し、つないでいくことができるのが、ありがたいことです。

 日本吃音臨床研究会  伊藤伸二 2013/10/25 台風が気になって早く起きて

第11回 吃音キャンプ・岡山 どもる子どもの語り


 どもる子どもたちは、すごい


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 今年11回となったキャンプで、これまでのプログラムになかったのは、グループに分かれての話し合いでした。 まず、僕が30分ほど話して、そのあと,同年代の子ども4人ほどとスタッフが進行しての話し合いをするというものです。
 さて、30分で何を話すか。島根スタタリングフォーラムでは、親子・スタッフ全員の前で私が話をします。英国王のスピーチの解説や、劣等感、劣等コンプレックスについて話したりしてきましたが、今回、岡山で初めての試みです。私の話を受けて、その後子どもたちが話し合う形になっています。あれこれと考えましたが、24回続けている滋賀の吃音親子サマーキャンプで合った子どもの話をすることにしました。

 まず、NO法人全国ことばを育む会が発行して下さった「吃音とともに豊かに生きる」(400円)にも紹介した、2011年3月11日の大津波でなくなった、安倍莉菜さんの話をしました。彼女のことはこのブログでも紹介しています。そして、今年の吃音親子サマーキャンプに参加した6年生の子どもの、感想文を紹介しました。

 「話し合いの中で、ある子がいった、どもりは人口の1パーセントいて僕たちは選ばれた人なんだと思えばいいと言ったことが、心に残りました」

 このような、キャンプで会った子どもの話や、作文を、みんな真剣に私の話を聞いてくれました。
 僕が話した後、何か質問はありませんかと尋ねると、すぐに小学1年生の女の子が手をあげて、「どもりは治りますか」と質問しました。

 「ウーン・・」、としばらく間を置いて、
 「あなたは、どもりを治したいんだね。あなたにとって、治るとはどういうふうになることを、治ったと思うの?」
と尋ねました。尋ね返されて女の子はとまどい、すぐには答えられません。ここから、その場の雰囲気が一変しました。私の得意とするところです。「どもりの白熱教室」に変わりました。

 手を挙げたり、私が指名したりしながら「どもりが治るとは」についてどんどん話が展開していきます。とても、テンポのある、話し合いが展開していきました

 「どもらないで話せるようになること」
 「つまらずに話せること」
 「それは、いつでも、どこでも、どもらない友だちのように話せるということ?」
 と展開していきます。すると、4年生の男の子が、
 「どもっていても、悩まない、気にしなくなること」 と言い始め、
 「僕は、今こうしてどもっているけれど、悩むことも、困ることもないから、伊藤伸二は治ったことになるのかなあ?}と言うと、そうだといいます。みんなも、その考えに賛成のようでした。
 「どもりは絶対治らない、治ったとおもっても必ず再発する」
 こう言った4年生は、どもりのメリット、デメリットを考えればいい。どもるメリトがあると言い始め、みんなはその子どもの言う言葉に注目しました。
 「どもるとからかわれたり、いじめられたりするけれど、そのことにメリットはあるの?」
 「そうされることは、自分の心を強くするのに役立つ」

 なかなかのものです。ダメリットを瞬間的にメリットに変えていく、この4年生の男の子に脱帽です。白熱教室をもっとつづけたかったのですが、その後の話し合いの時間があるので、ある程度で終わりましたが、岡山の子どもたちは、10年のキャンプの精神をしっかりと受け継いでいるとうれしくなりました。

 後日送られてきた感想分には、この時の話し合いのこと、私が話した二人の子どものことが書いてあり、実際に出会ったこどもの話や作文は、子どもたちに、吃音について真剣に考えるきっかけになるのだと思いました。
 
 機会があれば作文を紹介したいですが、こんなうれしい感想がありました。
 
 「伊藤さんは、すごいと思いました。きつ音のことをぜんぜん気にしていないし、とても、楽しそうにしゃべっているからです。わたしは、どもりながらしゃべっていて少しほっとしたかなあと思いました。グループの話し合いは、自分の思っていることをいっぱいうちあけました。ことばの教室でも言っているんだけど、吃音のひとどうしで聞いてもらうとなにかちがうなあと思います。
 二日間本当に楽しかったです。わたしも、伊藤さんみたいな人になりたいと思いました」

 うれしいですね。僕は以前よりもどもるようになって、本当によかったと思いました。ぼくたち大人が、どもることをコントロールするのではなく、自然にどもりながら楽しく話していくことが、子どもたちに勇気をあたえるのだと、うれしくなりました。

 さて、今週末は静岡のキャンプ12回目か13回か。これも続いています。ところが、強い台風が来ています。中止になるかどうかは、金曜日のご午前中に決まります。
 もし、中止になると、これまでたくさんのキャンプをしてきていて初めてです。なんとか、進路がそれてくれればいいのですが。

 日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2013/10/24 台風を心配しつつ

 
 




第11回 岡山吃音キャンプ

 継続は力


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 今年で11回目になる岡山のキャンプ。
 岡山駅に迎えに来て下さったスタッフの一人が、実は今回どうしようかと話し合ったのですと話して下さいました。3年は続けようの合い言葉で始まったのですから、10年はすごいことです。島根県や静岡のキャンプは、始めた人が現在も中心人物として続けているのですが、岡山の場合、始めた人次に引き継いだ人が、教育委員会や、大学などに仕事が変わり、キャンプのスタッフを降りました。それが、ここまで後の続いた人たちが、ここまで続て下さったいたことに頭が下がります。

 ベテランの先生が、10年続けたのだから、今がやめる潮時と考えてもいいかもしれないと言ったのに対して、若手の先生が、3年、4年と続けて来て、このキャンプの意義、楽しさがわかったので是非続けたいと言ったそうです。キャンプが終わった後の、子どもたちのいきいきした姿、保護者の方々のほっとした安心した姿を目の当たりにして、「参加してよかった、また来るからね」と別れていく姿を見ると、やはり続けたいと、みんなもかんがえたのでしょう。

 そのような話し合いがなされたことも知らずに、当然今年もあるものと心づもりにしていたのが、やはり、実現して本当によかったと思います。10年の実績を踏まえて、今年はプログラムが変わっていました。第一回開催当時のプロク゜ラムに近いものがしばらく続いていたのですが、今回は明確に違いました。新しい岡山吃音キャンプが誕生したような感じがしました。私の保護者への講演、親の話し合い、子どもとの話し合い、例年と違いました。

 その内容については次回報告します。それにしても、11回目を開催できたのはうれしいことでした。
 気持ちよく、幸せな気持ちを味わいながら、岡山から新幹線での帰路、キャンプの子とだけを考えていました。

 日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2013/10/22

第11回 岡山吃音キャンプ


 新しい出会いが楽しみ

 吃音ショートコース「内観入門」が終わりました。3日間、吃音にどっぷりとつかったも幸せな時間でした。
 いろんなことを考え、整理できた3日間でした。それからもう新しい週末がきました。一日一日の流れの速さは驚くばかりです。何も報告しないままに、また新しい行事がくるという繰り返しです。

 今日から、岡山県のことばの教室の教師が実行委員会をつくって取り組む、「岡山の吃音キャンプ」。これも早いもので、何回になるのでしょうか。11回目のキャンプだと思うのですが。3年続けば何事もひとつの区切りですが、10年も続くとは、岡山のことばの教室の先生の、どもる子どもへの思いが、続けさせています。

 毎年、8月に行われていたのが、私の今年の夏があまりにも忙しかったために、10月にしていただきました。毎年、毎年新しい度合いがあり、懐かしい出会いがあり。そのような輪の中に身を置ける幸せを感じます。
 できれば早く岡山キャンプを紹介したいものです。

 日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2013/10/19

どもりと内観 吃音ショートコース


 19回目の対談

 しばらくまたブログをかけないままに、今琵琶湖にきています。
 第19回吃音ショートコースが一昨日から始まっていて、今日は最終日。今回のテーマ「内観」の講師、三木義彦大阪大学名誉教授との対談が3時間あります。
 吃音ショートコースの最終日はいつもゲストとの3時間の対談ですが、これまで18人のゲストと対談してきたことになります。どもりでなければ決して出会うことのなかった、臨床心理学、精神医学など、さまざまな分野の、その道の第一人者の方々と対談してきました。僕にとって至福の時間です。今年は、どんな対談になるか、不安でもあり、楽しみでもあり、前日はなかなか眠れません。昨晩も良い仲間たちと、つい深夜2時すぎまで話し合い、朝は5時に目が覚めるという、いつものパタンですが。睡眠不足ですが、なんとか頭をフル回転させて、対談に臨みます。

 終わったこともなかなかかけずに、オランダの世界大会、吃音親子サマーキャンプの報告もできていないのに、予告編のように記事は、行事のお知らせ以外ははじめてです。
 吃音ショートコースに参加した人たちから、もつとプログを更新してと言われました。以前よりは少し時間の余裕がでてきましたので、たまりにたまった報告を、ぼちぼち忘れないうちにしていこうと思います。
 朝早く起きて、さあ、どんな対談になるだろうかと思って事務局の部屋にきたら、開けっ放しのパソコンがあったので、思わず、ブログの更新となりました。

 どもり内観。とてもいい相性です。吃音ショートコースの報告もお楽しみに。

 日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2013年10月14日

自分の弱さを認める

 今日の夢の話

 僕は夢をとても見ます。スケールの大きいスペクタクルや、断崖絶壁に追い詰められたり、ちよっと1楽しく、うれしい夢であったり、カレー専門店を経営してころの夢であったり。夢をみながら、これ小説にしたらおもしろいなとど思いながら夢を見ています。怖い夢の時は、必死で目を覚まそうとしています。いい夢で、目が覚めても続きを見たいと思ったら、いつもではありませんが続きをみることがあります。

 どもりで悩んでいた頃、学童期・思春期は、怖い夢ばかり見ていました。何か井戸のような、海底のような下の方へ引きずり込まれるような夢。何度も繰り返してみる夢。「夢分析」をしたいと思ったこともありました。

 さて、今日の夢、僕は講演や講義をしている夢もよく見るのですが、そり類の夢でした。吃音に悩む人が話をしているのか、何かの文章を書いているのか、体験を話します。新しい一歩を踏み出した話です。まだ、体験がぐちゃぐちゃしていて、整理がつかない状態で、一旦めが醒めました。そして続きをみました。

 「かれの体験で、何が一番大きな意味をもったか。それを整理しないと,今回の体験は次に生きない。それは何だろうか」

 講義なのか、何かの集まりなのか、私は30人ほどの人に聞きます。何人かが発言します。それもそうかもしれないが、もっと本質的なことがあると、整理していきます。
 私は講演や講義の時、よく人を当てて意見、感想を聞きますが、今回もいろいな意見がでました。僕は意見はその人の意見として決して否定はしません。
 しかし、僕が大切なことだと考えたものではないので、繰り返し尋ねていきます。
 結局出なかったので僕はこう言いました。

 「自分の弱さを認めたこと」
 これにつきると僕は思うといいました。もっと強くなったら、どもりが軽くなったらと考えると、いつまでも一歩補踏み出すことは出来ません。弱くても、不安があっても、つらくても、しんどくても、一歩を踏み出すのは「今なのです」
 夢なので、断片的にしか覚えていません。しかし、「自分の弱さを認めたから」は、はっきりと覚えていました。すると、眠れなくなりました。結局4時に起きて、このブログを書いています。
 
 まとまりのない、なんのことか分からない、夢の中の夢の話でした。

 日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2013/10/03

第24回 吃音親子サマーキャンプ 2 スタッフ


 頼もしい仲間たち  


 吃音親子サマーキャンプの記事をひとつ書いてストップしていました。
 私は、いつまでもパソコン初心者のままなので、写真をとりこもうとすると、ついおっくうになってしまいます。文章だけならすぐにかけるのですが。 でも、いままでの、超多忙からかいほうされつつありますので、すこしずつ勉強していまたいと思います。
 
 キャンプの感想が届いています。今年も、いいキャンプだったとが分かります。毎年、例年通りのすばらしいキャンプが継続してできること、奇跡に近いことだと思います。参加する子どもたちや保護者も違い、スタッフも違います。それなのに、常に最高水準のキャンプができること、不思議なきがするのです。毎年毎年、私は不安になります。昨年まではとてもすばらしいキャンプだったが、今年も同じようなキャンプができるだろうかということです。

 同じことがスタッフにも言えます。昨年は40人のスタッフが集まって下さったが、今年も来てくれるだろうか。あのベテランが来ないと、あのプログラムや準備はどうなるだろう。私は日常生活の中でも、不安神経症的なところがあれます。ガスやカギがちゃんとかかっているか気になります。大阪駅まで行ってから不安になって、帰ったこともあります。

 今年は沖縄県からもスタッフとして参加してくれました。ことばの教室の教師、言語聴覚士、成人のどもる人がバランスよく参加してくれます。また、新しい人が毎回加わってくれます。常に新陳代謝を続けながら、中心的な存在は毎年参加する。140名を超えるキャンプなのに、事前の実行委員会、打ち合わせはまったくありません。事前の合宿は、劇の上演のためのレッスンです。初日、1時間ほど自己紹介をし、今から次回のスタッフ会議までのスケジュールを話して、話し合いの担当のグループに別れての少しの打ち合わせだけです。

 初参加の人はベテラン行動をみて動き、ベテランは何の指示されることなく、自分の持ち分を担当していく。昨年担当していた人が参加していなければ、誰かが何の指示もなく担当していく。これはもう驚くばかりです。
 こんなにすばらしい仲間と出来るから、楽しいから、キャンプは24年もつづいているのでしょう。
 キャンプの最終日、私は、心から、心からスタッフへの敬意と、尊敬と、感謝の気持ちでいっぱいになるのです。

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 日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2013/10/01
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