伊藤伸二の吃音(どもり)相談室

「どもり」の語り部・伊藤伸二(日本吃音臨床研究会代表)が、吃音(どもり)について語ります。

2013年02月

 どもる中学生のいい物語 中学生日記 再放送


 中学生日記、是非見て下さい。
 関係者にも広くお知らせいただけるとありがたいです。

 私は今、保護者、ことばの教室の先生、通常学級の先生に読んでいただく「パンフレット」なかなか完成せずに、苦戦をしています。よりよいものにしたいという、凝り性のくせが出て、なかなか自分に、オッケーが出せません。缶詰状態で、メールの返信も、ブログの更新もできていません。今週末まではかかりそうです。

 というわけで、皆さんにお知らせしなければならない情報も滞っていました。ギリギリですがお知らせします。
 制作者の林さんからのメールです。

 
伊藤伸二様

「中学生日記」の取材でお世話になりましたNHK名古屋放送局の林です。先日のメールでお伝えしておりました、番組の再放送が決定いたしましたのでご連絡いたします。

3月2日(土)総合テレビ 17:00〜17:30(全国放送)

よろしくお願いいたします。

このメールの前のメールです。

伊藤伸二様

大変ご無沙汰しています。
以前、「中学生日記」の取材でお世話になりましたNHK名古屋放送局の林です。嬉しいご報告があり、ご連絡いたしました。実は、当時制作いたしました 中学生日記 転校生シリーズ「僕と君のメロディ」(2011年9月放送)をかねてより、アメリカの国際番組コンクールに出品していたところ、このたび受賞が決定いたしました。

受賞したのは、国際エミー賞の「子ども向けシリーズドラマ部門」です。
以下、NHKニュースのホームページをご覧ください。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130209/t10015411171000.html

当時の制作過程では、伊藤さんから勉強させていただいたことを基に、主人公の少年と向き合いました。
また、出演する主人公の勇気と努力があったからこそ、この番組は生まれ得たと思っています。
再放送も検討中ですので、決まりましたら、ご連絡いたします。
今後ともよろしくお願いいたします。
取り急ぎ、ご報告とお礼まで。

北九州の講演・相談会 2

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 中学1年生が参加してくれました。
 
 昼の部が終わって、多くの人が質問に来てくれました。また本にもサインをしました。6時開始の夜の部までに,夕食をすませる必要があります。言語聴覚士の志賀さんの知り合いの中華料理店がこの講演会の後の行きつけの場所です。センターの職員と、いつも手伝いに来て下さる仲間二人の他に、今回は広島から参加した、ことばの教室の教師がふたりと、小学せいの保護者の3人も一緒でした。いつものように、いろんな吃音に関する話題がつきないのし楽しいことです。

 6時から夜の部がスタートしました。昼の部では私が1時間以上話しましたが、成人の部では、一人一人から、今困っていること、考えたいこと、解決したいことなどを話してもらい、それについて私が話していくというスタイルをとりました。いろんな話が出されて、考えていく、私の一番好きなスタイルてせす。中学1年生が一番端に座っていたので、最後に取り上げました。どもるまねをする同級生が怖くて、学校へ行けなくなっているとの相談を3か月ほど前に電話してきた子です。中学1年生と電話で30分も話した珍しい経験でした。

 ふたりで対策を考え、クラスにははいれないものの、今は学校へ行っています。この4月からどうするかをみんなにアイディアを出してもらって話し合いました。彼の今起こっていることはいじめです。いじめには敢然として大人の力を借りて解決しようと言ったのですが、からかいや、まね程度はいじめとは考えないようでした。しかし、精神的苦痛から、学校へ行けなくなっているのですから、これはいじめです。

 いじめている3人の生徒の分析をして、こんなつまらない人間のために、学校へ行けなくなるのはばかばかしいとの結論になり、かれば参加者全員の前で、3人には負けないと宣言しました。
 大人が自分の問題を真剣に考え、話し合ってくれている。これだけでもおおいなる勇気づけになったと思います。夜に、90分もかけて一人で参加した、それだけでも大きな実績です。彼はきっと負けないで、4月からはクラスにも、クラブにも行ってくれると信じています。いつでも、困ったときは電話をするように約束した、温かい雰囲気の夜の部がおわったのでした。
 大阪への新幹線の最終便、広島の3人の女性と楽しく語り合いながら帰ったのでした。
 どもりに悩んだおかげで、このように幸せな時間をもつことができる。ありがたいことでした。

 日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2013/02/10

北九州市立障害福祉センターでの吃音相談講演会

 いつになく話しすぎました

 今、頭の中は、「どもりのパンフレット」でいっぱいです。そのために考えていたことがほとばしり、めずらしくつい、一方的に前半は話してしまいました。あっという間の2時間30分でした。

 もう40年も前になりますが、「どもりの相談」という、小さなパンフレットをつくりました。かぎりある少ないページに何を捨て、何をいれるか、2年近くかかって書き上げたときの感じがもどってきました。今回の相談会は、冊子で書こうとしていることを話せばいいので、準備としては楽でした。

 最近は、当事者研究、ナラティヴ・アプローチの視点から「英国王のスピーチ」などを絡めて話すことが多かったのですが、それは昨年も話しているので、今回は、ナラティブ・アプローチの専門家から、「伊藤さんたちのしていることは、リジリアンスだ」と、教えていただいたので、本を新しく取り寄せました。アマゾンや紀伊國屋のネットで買えるのは、本当に便利です。以前から持っていたものも含めて、この1週間で「リジリアンス」の本を一気に4冊の本を読みました。

 いまだに、パンフレットを書けないでいるのに、こんなことをしているからますます書けなくなるのですが、これが今回のパンフレットに大きな目玉をつけてくれそうです。
 九州に向かう新幹線の中でもずっと読んでいたのですが、今、私が強く主張している「吃音否定」から「吃音肯定」の提案にぴったりなのです。

 本当に不思議な縁だと思います。これまで考え、取り組んできたことが、どんどんと広がり、一本の線に結びついていきます。読んだすぐで、まだなじんでいなかったのですが、従来のアメリカ言語病理学が、吃音の原因を探し、どもる子どもの脆弱性を指摘したのに対して、「リジリアンス」は「脆弱性」に対抗します。従来から私が取り組む「サバイバルモデル」であり、つくづく私が考え、実践してきたことが間違いがなかつたと確信が持ててたのでした。また新しい戦友が増えました。

 めずらしく一気に話したのですが、50人ほど参加者が熱心に聞いて下さりありがたいことでした。その中に、以前からしっている、広島市のことばの教室の先生ふたりと、どもる子どもの親が来て下さったのはうれしいことでした。その親は、3年前の山口での吃音キャンプに広島から参加した人で、今、どもる子どもと保護者が集まれる、吃音カフェをしていると報告してくれました。うれしい再開でした。

 たくさんの人がいて下さった感想には、「ほっとした。元気が出た」など書いて下さっており、私の方が、ほっと胸をなで下ろしたのでした。帰りの新幹線が、広島の三人と同じになり、広島までの1時間、いろいろと話せたことも、ありがたいことでした。少しずつでも、私の考えに共感して下さる人が増えるのは、うれしいことです。
 夜の部は、大人の部ですが、来て欲しかった中学1年生か、90分もかけて参加してくれました。その話は次回にします。

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   日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2013/02/05

今、どもる子どもにかかわる親や教師のためのパンフレット書いています。


 明日は、北九州で相談講演会です。
 
 九州の方、よかったらお越し下さい。ホームページに案内があります。

 横浜での相談会の報告も出来ないままに、日が過ぎていきます。
 明日は、毎年行っている、北九州の講演・相談会です。50名をこえる参加申し込みがあるようです。毎年行っているのに、このように参加者が多いのは、それだけ吃音について考えて下さる方が多いことなので、一所懸命話してきます。一度電話をくれた、不登校になっている中学生も、参加してくれればいいのですが。

 今年三月発行の、親向けのパンフレット。先月末が原稿締め切りだったのですが、なかなか仕上がりません。
 これまで、たくさんの本を書いていますし、論文や、書きためたものもたくさんあのですが、これまでにないものを書きたくて、苦戦をしています。でも、今やっと方向性が見えてきて、一気に書き上げるつもりです。
 これまでと、違うことを書くことは、もちろんないのですが、これまで以上に明確に書くつもりです。私としては、これまでのことの延長なのですが、パンフレットとしては、画期的なものになりそうです。

 吃音を治す・改善の、吃音否定の立場ではなく、吃音を肯定しての取り組みです。ナラティヴ・アプローチ、当事者研究、リカバリー、そして、リジりエンス、比較的あたらしい概念を使いながら、これまでの40年来の主張を整理しています。私の方向が間違っていなかったと、最近とても強く思うようになりました。

 とてもいいものに仕上げます。完成しました紹介しますので、是非お読み下さい。
 先ほども電話相談が3件あり、メールでの相談もありました。ますます忙しくなってきました。
 では、北九州の報告致します。

 日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2013/02/02
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