みなさん、どのように年末年始をお迎えだったでしょうか。
私たちは、ここ10年以上、厚生年金保養ホームで新年を迎えることが恒例になっています。以前は、島根県の玉造温泉でしたが、ここ3年は由布院です。
玉造温泉では、神奈川県久里浜の国立特別支援教育研究所で私が講義したときの受講生が島根県のことばの教室の教師で、私が年末、玉造温泉に滞在することを知らせたら、年末の忙しい時期にもかかわらず、松江市の雑賀小学校ことばの教室で、ことばの教室の教師だけでなく、保護者も大勢集まって下さり、講演会のようなものを開いて下さいました。そのときに、「島根スタタリングフォーラム」の話が出て、翌年の5月に、90名ほどが参加し、吃音キャンプが実現したのでした。
最初は、一回きりのつもりが、とてもいいキャンプだったので、翌年も開きたいと継続され、昨年は12回目で、今年も予定が決まっています。出発となったのが、玉造厚生年金保養ホームだったのです。
昨年は、3月11日の大震災がありました。私もつらい体験をしました。吃音親子サマーキャンプに3年間参加して、高校生になるはずだった、女子生徒と母親が亡くなりました。年末の九重エンカウンターグループでも、そのことを話しました。決して二人のことは忘れません。その思いをもちつつ新年を迎えましたが、思いがけずに、その思いを太鼓の音とともに伝えることができました。
1月1日、湯布院温泉の亀の井別荘の庭で、源流太鼓の演奏があります。被災地の人々と交流したという源流太鼓の皆さんの思いと、私たちの思いが重なりました。代表の挨拶も、3月11日について触れられ、交流が紹介されました。聴衆の思いもひとつになったのでしょうか。昨年とはまったく違う感じのすばらしい太鼓の響きでした。過去に2回聞いているのですが、その深みある太鼓の響きが、たたいているメンバーも、聴衆も、同じ思いを共有しているかのような一体感でした。
たくさんの命とつながる、太鼓の音が魂の響きとなって、天高く届いていく新年を迎えました。
すばらしい源流太鼓に励まされ、私たちも、この一年、精一杯吃音の問題に取り組むことを誓ったのでした。
源流太鼓は、ホームページなどで聴くことができます。ぜひお聞きください。
ホームページには、次のような紹介がありました。
由布岳の山境、塚原峠から湯布院盆地へ毎夜響き渡るリズムがある。
町の中心部にある金鱗湖から湧き出た温泉が源流になり、小川になり、
やがて大河となるように日本、そして世界へ故郷の音として響いてゆく。
鍛え上げられた心と肉体・・・・一打で大地を激震させ、一打に人生のすべてをかける。
『ゆふいん源流太鼓』・・・それは男たちの魂のリズム。
日本吃音臨床研究会 伊藤伸二