伊藤伸二の吃音(どもり)相談室

「どもり」の語り部・伊藤伸二(日本吃音臨床研究会代表)が、吃音(どもり)について語ります。

2012年01月

豊の国 ゆふいん源流太鼓 で新年を迎えました。


 みなさん、どのように年末年始をお迎えだったでしょうか。

 私たちは、ここ10年以上、厚生年金保養ホームで新年を迎えることが恒例になっています。以前は、島根県の玉造温泉でしたが、ここ3年は由布院です。

 玉造温泉では、神奈川県久里浜の国立特別支援教育研究所で私が講義したときの受講生が島根県のことばの教室の教師で、私が年末、玉造温泉に滞在することを知らせたら、年末の忙しい時期にもかかわらず、松江市の雑賀小学校ことばの教室で、ことばの教室の教師だけでなく、保護者も大勢集まって下さり、講演会のようなものを開いて下さいました。そのときに、「島根スタタリングフォーラム」の話が出て、翌年の5月に、90名ほどが参加し、吃音キャンプが実現したのでした。
 最初は、一回きりのつもりが、とてもいいキャンプだったので、翌年も開きたいと継続され、昨年は12回目で、今年も予定が決まっています。出発となったのが、玉造厚生年金保養ホームだったのです。

 昨年は、3月11日の大震災がありました。私もつらい体験をしました。吃音親子サマーキャンプに3年間参加して、高校生になるはずだった、女子生徒と母親が亡くなりました。年末の九重エンカウンターグループでも、そのことを話しました。決して二人のことは忘れません。その思いをもちつつ新年を迎えましたが、思いがけずに、その思いを太鼓の音とともに伝えることができました。

 1月1日、湯布院温泉の亀の井別荘の庭で、源流太鼓の演奏があります。被災地の人々と交流したという源流太鼓の皆さんの思いと、私たちの思いが重なりました。代表の挨拶も、3月11日について触れられ、交流が紹介されました。聴衆の思いもひとつになったのでしょうか。昨年とはまったく違う感じのすばらしい太鼓の響きでした。過去に2回聞いているのですが、その深みある太鼓の響きが、たたいているメンバーも、聴衆も、同じ思いを共有しているかのような一体感でした。
 たくさんの命とつながる、太鼓の音が魂の響きとなって、天高く届いていく新年を迎えました。

 すばらしい源流太鼓に励まされ、私たちも、この一年、精一杯吃音の問題に取り組むことを誓ったのでした。
 源流太鼓は、ホームページなどで聴くことができます。ぜひお聞きください。
 
ホームページには、次のような紹介がありました。

由布岳の山境、塚原峠から湯布院盆地へ毎夜響き渡るリズムがある。
町の中心部にある金鱗湖から湧き出た温泉が源流になり、小川になり、
やがて大河となるように日本、そして世界へ故郷の音として響いてゆく。
鍛え上げられた心と肉体・・・・一打で大地を激震させ、一打に人生のすべてをかける。
『ゆふいん源流太鼓』・・・それは男たちの魂のリズム。

 日本吃音臨床研究会 伊藤伸二

新年の挨拶です。 今年もよろしくお願いします。

 ブログをお読み下さっている皆様

 お元気で新年をお迎えのことと思います。
 私も、元気で新年を迎えることができました。精神的には未だに思春期・青年期なのですが、本当に驚くべきことに、今年の4月28日で68歳になります。根拠なく、63歳が寿命だと思い、周りの人にも言ってきたのに、それから5年間生きたことになります。 これからの一年一年を大切にしながら、生きていきたいと思っています。
 
 まず、今年の年賀状に書いた新年の挨拶で、2012年の最初のブログとします。
 このブログは、今滞在している大分県の湯布院温泉の湯布院厚生年金保養ホームのパソコンから更新しています。パソコンは持ってきたものの、インターネットに接続していないため、ブログの更新は大阪に戻ってからと思っていたのですが、ここでもできることが分かりました。
 昨年は、オオカミ少年のように、「更新をします」と書きながらなかなかできなかったのですが、ブログの本来に立ち戻り、気楽に、日記のように書いていこうと思います。
 どうか、今年もお読みいただければうれしいです。
 他のブログと違って、コメントをいただけないようになっています。文の末尾にある、(拍手)の数に、読んで下さっている人を想像しながら書いています。ものすごい数の迷惑メールに閉口し、メールアドレスも公開しなくなりました。お手紙やファックスには必ずお返事いたしますので、ブログへの感想でも、何か質問でも、相談でもご連絡下さい。お手紙やファックスを下さった方々には、メールアドレスもお知らせいたします。今後ともよろしくお願いします。

 今年の私の年賀状の文面です。
 
  『ストレスや苦手とつきあうための 認知療法・認知行動療法
       吃音とのつきあいを通して』     (金子書房)

 認知療法の第一人者で精神科医の大野裕先生と共著で、吃音の新しい提言ができました。
 また昨年は、ことばの教室の教師の研修会だけでなく、小児科医師会や、言語聴覚士会で講演の機会がありました。少しずつ少数派の私の話を聞いて下さる人が増えるのは、ありがたいことです。
 滋賀の吃音親子サマーキャンプが22回になり、島根、岡山、静岡、群馬の吃音キャンプがそれぞれ回を重ねています。北九州、横浜での吃音相談会も続き、たくさんの出会いがありました。
 17回目の吃音ショートコースは、北海道・浦河のべてるの家の「当事者研究」でした。「治す文化」に対抗する戦友とも言える向谷地生良さんとの出会いは、私に大きな勇気を与えてくれました。
 このように楽しく活動が続けられますのも、皆様のご支援のおかげと、感謝いたしております。今後ともどうかよろしくお願い申し上げます。
〒572-0850 大阪府寝屋川市打上高塚町1-2-1526
         TEL/FAX 072-820-8244
伊藤 伸二
    日本吃音臨床研究会 http://kituonkenkyu.org
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