不安神経症傾向で、ドジな私の対策
9月10日
今日の大阪吃音教室のテーマは、「森田療法」でした。
担当者の、森田療法でいう神経症についての解説の後、「説明で挙げられたことは、私にほとんど当てはまる。私は神経症なのだろうか」という質問がありました。吃音の原因論に神経症説が根強くあったように、吃音の悩みと、神経症の人の悩みは共通することが多いと思います。
神経症の人のセルフヘルプグループである、生活の発見会の40周年記念の講演会で、講師として招かれた私は、自分自身の吃音の悩みに入っていくプロセス、そこから解放されていくプロセスを話しました。
神経症の人の集まりに、なぜ私が呼ばれたのか、「吃音は、みなさんと親戚です」と前置きして吃音についての私の体験だけを話したのですが、後で、何人もの人が、「親戚ではなく、きょうだいですよ」と話しかけて下さった。
今日の、大阪吃音教室のテーマが「森田療法」だと知って、吃音ではなく、不安や、神経症傾向に悩み、それを克服したいと、40歳代くらいの女性が参加しました。その人の悩みは、いろいろとあるのですが、そのとき話された一つが、家を出るとき、鍵がしまっているかどうか心配で、何度も家に戻るのだそうです。すると、参加者の中から、私もそうだよと、体験が話されました。不安で、何度も鍵を「がちゃがちゃ」とかける、周りを見渡して人がいない隙をねらって鍵をかける、などです。
私も、家に鍵をかけたか、ガスをつけっぱなしにしていないか、心配になる方です。駅まで行きながら、鍵をかけたかどうか心配で、家に戻ることは、今でもたびたびあります。30分ほどかけて、梅田まで行って、再び電車に乗って家まで帰ったこともあります。多くの場合、鍵はかかっていることがほとんどなのですが、心配になって帰った時に、鍵がかかっていなかったことが一度あって、それから自分が信用できなくなったのです。
初参加のその人は、森田療法がどんなのかは分かったが、神経症を克服するには、どうしたらいいか、克服方法を教えてくれと言います。症状をもちながら、それとどうつきあうかが大切だと担当者が話しても、あまり納得しないようでした。
終わりの時間がきていたので、対策について話しませんでしたが、話しておけばよかったと反省し、このプログに書くことにしました。
何か、具体的に生活で不都合があるのかと質問をしたら、
「鍵がかかっているかどうかが、心配で、何度も家に帰ることで、待ち合わせに遅刻して、相手に迷惑をかける」ということでした。
ドジで、物忘れがひどく、大事なものを紛失する傾向にある私の対策はこうです。
約束の時間より、かなり余裕をもって出かける。そうすると、何度引き返しても遅刻することはありません。自分が、そのような傾向があるのなら、この程度の対策は立てた方がいいのです。
この冬、北九州市の小児科の医師会の勉強会から、講演を依頼されました。遠方の場合は当然のように、かなり時間の余裕をもって家を出ます。その日も3時間ほど前に、北九州の小倉駅に到着するように、家を出ました。
新大阪から新幹線に乗り、5分ほどして、いつも大切なものを入れるセカンドバックがないことに気づきました。今日の講演会の会場や、宿舎の案内の書類が全てそこに入っています。大阪駅か、新大阪駅で落としたのです。このまま、北九州に行っても、講演会場が分かりません。新神戸駅で降りて、新大阪に戻り、物忘れセンターに行ってもありません。大阪駅かもしれないと大阪駅の忘れ物センターに行きましたがありません。仕方なく、このまま小倉に行くしかありませんでした。
連れ合いの職場に電話をし、家に帰ってパソコンに入っている、会場や宿舎について調べてくれと頼みました。うまく連絡がつき、自宅に帰ってもらって、調べてもらい、講演会が始まる前になんとか、到着することができました。
新神戸から、大阪まで戻り、連れ合いの職場に電話ができる時間的余裕があったから、事なきを得たのであって、もし、ぎりぎりに新幹線に乗っていたら、小倉についても会場も分からず、どうしただろうと思うと、ぞっとします。
こんな、ドジな私を、自覚しているから、認めざるを得ないから、私は常に、かなりの時間的な余裕をもって家を出ることにしているのです。
こんな、失敗は数限りなくあります。次の週には金沢の講演の時、サイフを落とし、帰りの切符だけでなく、クレジットカード、運転免許証も落とし、交番に届けるなど大騒ぎしました。
その時でも、私はあわてません。「命までとられるわけではない。運転免許証も再発行してもらえばいいや。クレジットも、クレジット会社に連絡してストップをかければいいや、まあいいか」と考えてしまうのです。
だから何度も、同じ失敗を繰り返すのかもしれませんが。
こんな、とてもドジな私ですが、こんな所も結構嫌いじゃないのです。
だから、繰り返すのですね。まあいいか。
2010年9月10日
日本吃音臨床研究会 伊藤伸二
9月10日
今日の大阪吃音教室のテーマは、「森田療法」でした。
担当者の、森田療法でいう神経症についての解説の後、「説明で挙げられたことは、私にほとんど当てはまる。私は神経症なのだろうか」という質問がありました。吃音の原因論に神経症説が根強くあったように、吃音の悩みと、神経症の人の悩みは共通することが多いと思います。
神経症の人のセルフヘルプグループである、生活の発見会の40周年記念の講演会で、講師として招かれた私は、自分自身の吃音の悩みに入っていくプロセス、そこから解放されていくプロセスを話しました。
神経症の人の集まりに、なぜ私が呼ばれたのか、「吃音は、みなさんと親戚です」と前置きして吃音についての私の体験だけを話したのですが、後で、何人もの人が、「親戚ではなく、きょうだいですよ」と話しかけて下さった。
今日の、大阪吃音教室のテーマが「森田療法」だと知って、吃音ではなく、不安や、神経症傾向に悩み、それを克服したいと、40歳代くらいの女性が参加しました。その人の悩みは、いろいろとあるのですが、そのとき話された一つが、家を出るとき、鍵がしまっているかどうか心配で、何度も家に戻るのだそうです。すると、参加者の中から、私もそうだよと、体験が話されました。不安で、何度も鍵を「がちゃがちゃ」とかける、周りを見渡して人がいない隙をねらって鍵をかける、などです。
私も、家に鍵をかけたか、ガスをつけっぱなしにしていないか、心配になる方です。駅まで行きながら、鍵をかけたかどうか心配で、家に戻ることは、今でもたびたびあります。30分ほどかけて、梅田まで行って、再び電車に乗って家まで帰ったこともあります。多くの場合、鍵はかかっていることがほとんどなのですが、心配になって帰った時に、鍵がかかっていなかったことが一度あって、それから自分が信用できなくなったのです。
初参加のその人は、森田療法がどんなのかは分かったが、神経症を克服するには、どうしたらいいか、克服方法を教えてくれと言います。症状をもちながら、それとどうつきあうかが大切だと担当者が話しても、あまり納得しないようでした。
終わりの時間がきていたので、対策について話しませんでしたが、話しておけばよかったと反省し、このプログに書くことにしました。
何か、具体的に生活で不都合があるのかと質問をしたら、
「鍵がかかっているかどうかが、心配で、何度も家に帰ることで、待ち合わせに遅刻して、相手に迷惑をかける」ということでした。
ドジで、物忘れがひどく、大事なものを紛失する傾向にある私の対策はこうです。
約束の時間より、かなり余裕をもって出かける。そうすると、何度引き返しても遅刻することはありません。自分が、そのような傾向があるのなら、この程度の対策は立てた方がいいのです。
この冬、北九州市の小児科の医師会の勉強会から、講演を依頼されました。遠方の場合は当然のように、かなり時間の余裕をもって家を出ます。その日も3時間ほど前に、北九州の小倉駅に到着するように、家を出ました。
新大阪から新幹線に乗り、5分ほどして、いつも大切なものを入れるセカンドバックがないことに気づきました。今日の講演会の会場や、宿舎の案内の書類が全てそこに入っています。大阪駅か、新大阪駅で落としたのです。このまま、北九州に行っても、講演会場が分かりません。新神戸駅で降りて、新大阪に戻り、物忘れセンターに行ってもありません。大阪駅かもしれないと大阪駅の忘れ物センターに行きましたがありません。仕方なく、このまま小倉に行くしかありませんでした。
連れ合いの職場に電話をし、家に帰ってパソコンに入っている、会場や宿舎について調べてくれと頼みました。うまく連絡がつき、自宅に帰ってもらって、調べてもらい、講演会が始まる前になんとか、到着することができました。
新神戸から、大阪まで戻り、連れ合いの職場に電話ができる時間的余裕があったから、事なきを得たのであって、もし、ぎりぎりに新幹線に乗っていたら、小倉についても会場も分からず、どうしただろうと思うと、ぞっとします。
こんな、ドジな私を、自覚しているから、認めざるを得ないから、私は常に、かなりの時間的な余裕をもって家を出ることにしているのです。
こんな、失敗は数限りなくあります。次の週には金沢の講演の時、サイフを落とし、帰りの切符だけでなく、クレジットカード、運転免許証も落とし、交番に届けるなど大騒ぎしました。
その時でも、私はあわてません。「命までとられるわけではない。運転免許証も再発行してもらえばいいや。クレジットも、クレジット会社に連絡してストップをかければいいや、まあいいか」と考えてしまうのです。
だから何度も、同じ失敗を繰り返すのかもしれませんが。
こんな、とてもドジな私ですが、こんな所も結構嫌いじゃないのです。
だから、繰り返すのですね。まあいいか。
2010年9月10日
日本吃音臨床研究会 伊藤伸二