スピーチがメイン料理の忘年会
大阪スタタリングプロジェクトの今年の最終行事が忘年会です。
こんな案内によって人は参加してきます。
「吃音教室に参加しないのに、忘年会だけ参加するなんて・・」という方の声を聞いて、そのことに気づきました。それだけ大阪吃音教室が、真剣な場となっているからだと思います。参加しなくても、会員となって会を支えていただいている方達ですから、年に一度ぐらい顔をあわせて近況など話したいです。来年からはもっと参加を呼びかけたいと思いました」
東野晃之会長は言います。そこでこのような案内文がつくられました。
私たちの忘年会は、飲んで、食べて、騒いでの忘年会とは違って、ひとりひとりが自分のこと、吃音のことなどを話し、それにみんなで耳を傾ける、とても温かい、一年を締めくくるにふさわしい忘年会です。
大阪吃音教室に行っていないから、ちょっと…と迷っているあなた
2年ぶり、3年ぶりで、ブランクが気になっているあなた
忍ヶ丘ってどこ?と、尻込みしているあなた
もちろん、毎週大阪吃音教室に参加しているあなた
そんなあなたこそ、ぜひ、忘年会にご参加下さい。
普段、「新生」を読むだけになっている方ともぜひ直接にお会いしてお話できたらなあと願っています。大阪吃音教室にちょっと足が遠のいている方、思い切って参加されませんか。あったかい仲間と、おいしい料理と、楽しい会話が待っています。
貸し切り・バイキング・飲み放題、3拍子そろったすてきなお店です。
いい仲間と、2009年を振り返り、2010年を展望しましょう。
皆さんのお越しを、心よりお待ちしています。
私はこれまで様々な忘年会に出た経験がありますが、この忘年会が一番好きです。飲んで騒ぐ、いわゆる他の忘年会とは全く違うのです。
いつごろからこのようなスタイルになったのかは記憶にありませんが、少なくとも15年ほどはこのスタイルでしょうか。
少し、お酒や食事が入ると、ひとりひとりのスピーチが始まります。今年一年を振り返って、来年の抱負を語るという、ただそれだけのことなのですが、それがとてもおもしろいのです。その人の一年が分かり、吃音とどう向き合い、どうつきあってきたかも話されますと、聞いている人にもとても参考になるのです。静かに聞いているわけではなく、ヤジや突っ込みが入る、大阪のノリで進んでいきますが、みんなは、とても真剣に聞いています。質問も出ます。
当初、時間制限がなかったので、5分以上話す人もいて、最後の方はあまり時間がなくて、少ししか話せない人も出てきました。そこで、最近は3分程度と少し制限を加えていますが、本当にみんなおしゃべりが好きです。みんなが、真剣に聞いてくれるからでしょう。何を話すか、事前に考えてくるようで、メモを用意している人もいました。
私たちの忘年会は、一人一人がみんなの前に立ってする「スピーチと突っ込み」がメイン料理なのです。
今年は31名が参加しました。とても懐かしい人もいました。大阪吃音教室には参加できなくても、このようにつながっている、このことはありがたいことです。
「久しぶりに参加した人が、「例会に参加していないのに、毎月機関紙を送り続けて貰えて嬉しい」と言い、「例会に参加していないのに、ずっと会費を払って活動を支えて頂き、いつも感謝しています」と伝え、握手をしてお別れしました」
このような報告がありました。
自分の仕事を見つめ直して新しい一歩を踏み出そうとしている人、
金曜日を楽しみにして毎回参加しているという人、
いろんな工夫をして職場でサバイバルしている人、
ここ何年かで大きく変わった人、
吃音ショートコースで学んだことを、日常生活に活かしている人、
嬉しい報告あり、決意表明あり、それぞれが真剣に人生に向き合っていると心から思いました。そのひとりひとりの話を聞くのがとても好きです。
それぞれの人生に励まされたり、ほっとしたり、ふと涙が浮かんだり…。
笑いあり、ペーソスあり、一年の終わりを締めくくる、本当にいい忘年会でした。
3時間30分という、ロングランもあっと言うまでした。
毎週の吃音教室は毎回30名ほどが参加して充実し、吃音親子サマーキャンプや、吃音ワークショップや、出版活動などの、幅広い活動ができるのは、真剣な人達の集まりだからでしょう。
年に一度の忘年会で、いい仲間と活動できる幸せを実感できるのです。
2009年度私のブログをお読み下さった皆様
ありがとうございました。
できるだけ書き続けていきたいとおもいますので、どうか、来年もよろしくお願いします。このブログはコメント、レスポンスが受けられないように設定してあります。どのような感想をもたれているか、もし、よければ、メールでお寄せ下さい。メールに対しては必ずレスポンス致します。
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このホームページもよろしくお願いします。
来年は、このホームページもできるだけ更新しようと考えています。
皆様、お元気よいお年をお迎え下さい。
2009年12月25日 日本吃音臨床研究会 伊藤伸二