昨日、箕面市に行ってきました。第38回みのお市民人権フォーラムがあり、その全体会の記念講演が、桂文福さんと桂福点さんの人権落語二人会だったからです。文福さんから、招待券を送ってもらっていました。
箕面市は、人権に関してきちんと取り組んでいるところだという印象があります。僕も、2019年1月24日に、箕面人権セミナーで講演をすることになっていました。その当日の朝、風邪気味で、念のために行った医院でインフルエンザと診断されました。すでに会場設営に出向いていた担当者にあわてて連絡をとり、急遽中止となりました。ありがたいことに、1年後の同じ日、1月24日に、再度呼んでいただき、箕面人権セミナーで話をさせていただきました。そんなご縁のある箕面市です。
会場は、箕面駅から近い箕面市立メイプルホール大ホール。前から2番目の席に座りました。市長や関係者のあいさつの後、桂福点さんの登場です。
福点さんは、障がい者・生活介護「お気楽島」所長であり、音楽療法士でもあります。
パンフレットから、プロフィールを紹介します。
「初めまして桂福点と申します。全盲で視力は真っ暗でございますが、ヘアスタイルの方がまぶしいという具合で、バランスをとらせていただいています。
人権といいますが、誰もが豊かに暮らしていく権利が私たちの住む日本では保証されているのでしょうか。私は一人の障害者として生きてまいりました道すがら、人との出会いこそが人を守り、励ますことにつながっていくと思っています。
この度は文福師匠とご一緒させていただきまして、障害を持つ人も持たない人もともに生きるとはどういったことなのかを話させていただければと思います。
文福師匠は私が入門して間もない頃から常にお声をかけてくださり、応援してくださっております。「がんばりや」といって大きな手でいつまでもいつまでも握手をしてくださったこと、忘れられません。そんな人の出会いやつながりについて話をさせていただければと思います。 どうぞよろしくお願いします」
プロフィールにあるとおり、いろいろな人との出会いの中から、目が見えないという障害と上手につきあってこられた人生を語られました。大変なこともたくさんあっただろうと思いますが、そんなことを少しも感じさせない、ユーモアたっぷりのお話でした。音楽療法士としての姿も見せてくれました。また、オペラも披露してくれました。
福点さんの後は、文福さんの登場です。
桂文福さんは、NHK Eテレの「にんげんゆうゆう」以来の長いおつきあいをさせていただいています。僕たちの吃音ショートコースという2泊3日のワークショップにも来てくださったし、應典院でのコモンズフェスタで話をしてくださったし、大阪吃音教室にもふらっと気さくに参加してもらっています。僕たちと出会ってから、吃音のことを公表されるようになり、「吃音とともに豊かに生きる」を、身をもって実践されています。
いつものように、「バアッー」から始まりました。話の中で、僕や僕たちの日本吃音臨床研究会や大阪吃音教室との出会いの話が何度も出ました。30年前に僕との出会いがなかったら「吃音の公表」はしていなかったかもしれないそうです。僕と出会ってからは、どこでも吃音の事を話題にし、積極的に話していくのだと話しながら、「今日も、どこかに来てもらっていると思いますが…」と周りを見渡しました。前から2番目にいましたが、みつけられなかったようです。
小学生の頃のつらかったこと、本名が「田中ノボル」なのに、「田中ドモル」と呼ばれていたこと、落語家になろうと思ったときのこと、弟子入りのときの話、全国各地を回るふるさと寄席で出会ったたくさんの人の話、そのすべてが温かく、優しい話でした。文福さんの人柄がよく表れています。今回は人権講演ということもあってか、いつもより吃音について、自分の落語人生について話しておられました。
お二人の話のあとは、文福さんと福点さんのトークショーでした。
吃音の話があちこちに散りばめられているのですが、突然、「日本吃音臨床研究会の伊藤伸二会長が今日、参加されています」と紹介され、おまけに「立ってください」と言われ、慌てました。まさかこんな展開になろうとは想像もしていませんでした。いつまでも、30年前の最初の出会いを大切にしてくださる文福さんらしい対応でした。
そして、最後は、にぎやかに、人権音頭でしめくくりました。午後1時半から始まった全体会が終わったのは、午後5時前。予定時刻をオーバーしての熱演でした。落語会では、よく終わったら、出口に立って、参加者を見送ってくれる文福さんですが、まさか今日はそれはないだうと思っていましたが、会場を出ると、にぎやかな声が聞こえます。文福さんが、福点さんと一緒に参加者を見送ってくれていました。ここで、記念の写真を撮りました。最後まで、あったかい文福さんでした。
外は冬に突入したように、寒い風が吹いていましたが、温かい気持ちになって、帰りました。
日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2024/12/08
箕面市は、人権に関してきちんと取り組んでいるところだという印象があります。僕も、2019年1月24日に、箕面人権セミナーで講演をすることになっていました。その当日の朝、風邪気味で、念のために行った医院でインフルエンザと診断されました。すでに会場設営に出向いていた担当者にあわてて連絡をとり、急遽中止となりました。ありがたいことに、1年後の同じ日、1月24日に、再度呼んでいただき、箕面人権セミナーで話をさせていただきました。そんなご縁のある箕面市です。
会場は、箕面駅から近い箕面市立メイプルホール大ホール。前から2番目の席に座りました。市長や関係者のあいさつの後、桂福点さんの登場です。
福点さんは、障がい者・生活介護「お気楽島」所長であり、音楽療法士でもあります。
パンフレットから、プロフィールを紹介します。
「初めまして桂福点と申します。全盲で視力は真っ暗でございますが、ヘアスタイルの方がまぶしいという具合で、バランスをとらせていただいています。
人権といいますが、誰もが豊かに暮らしていく権利が私たちの住む日本では保証されているのでしょうか。私は一人の障害者として生きてまいりました道すがら、人との出会いこそが人を守り、励ますことにつながっていくと思っています。
この度は文福師匠とご一緒させていただきまして、障害を持つ人も持たない人もともに生きるとはどういったことなのかを話させていただければと思います。
文福師匠は私が入門して間もない頃から常にお声をかけてくださり、応援してくださっております。「がんばりや」といって大きな手でいつまでもいつまでも握手をしてくださったこと、忘れられません。そんな人の出会いやつながりについて話をさせていただければと思います。 どうぞよろしくお願いします」
プロフィールにあるとおり、いろいろな人との出会いの中から、目が見えないという障害と上手につきあってこられた人生を語られました。大変なこともたくさんあっただろうと思いますが、そんなことを少しも感じさせない、ユーモアたっぷりのお話でした。音楽療法士としての姿も見せてくれました。また、オペラも披露してくれました。
福点さんの後は、文福さんの登場です。
桂文福さんは、NHK Eテレの「にんげんゆうゆう」以来の長いおつきあいをさせていただいています。僕たちの吃音ショートコースという2泊3日のワークショップにも来てくださったし、應典院でのコモンズフェスタで話をしてくださったし、大阪吃音教室にもふらっと気さくに参加してもらっています。僕たちと出会ってから、吃音のことを公表されるようになり、「吃音とともに豊かに生きる」を、身をもって実践されています。
いつものように、「バアッー」から始まりました。話の中で、僕や僕たちの日本吃音臨床研究会や大阪吃音教室との出会いの話が何度も出ました。30年前に僕との出会いがなかったら「吃音の公表」はしていなかったかもしれないそうです。僕と出会ってからは、どこでも吃音の事を話題にし、積極的に話していくのだと話しながら、「今日も、どこかに来てもらっていると思いますが…」と周りを見渡しました。前から2番目にいましたが、みつけられなかったようです。
小学生の頃のつらかったこと、本名が「田中ノボル」なのに、「田中ドモル」と呼ばれていたこと、落語家になろうと思ったときのこと、弟子入りのときの話、全国各地を回るふるさと寄席で出会ったたくさんの人の話、そのすべてが温かく、優しい話でした。文福さんの人柄がよく表れています。今回は人権講演ということもあってか、いつもより吃音について、自分の落語人生について話しておられました。
お二人の話のあとは、文福さんと福点さんのトークショーでした。
吃音の話があちこちに散りばめられているのですが、突然、「日本吃音臨床研究会の伊藤伸二会長が今日、参加されています」と紹介され、おまけに「立ってください」と言われ、慌てました。まさかこんな展開になろうとは想像もしていませんでした。いつまでも、30年前の最初の出会いを大切にしてくださる文福さんらしい対応でした。
そして、最後は、にぎやかに、人権音頭でしめくくりました。午後1時半から始まった全体会が終わったのは、午後5時前。予定時刻をオーバーしての熱演でした。落語会では、よく終わったら、出口に立って、参加者を見送ってくれる文福さんですが、まさか今日はそれはないだうと思っていましたが、会場を出ると、にぎやかな声が聞こえます。文福さんが、福点さんと一緒に参加者を見送ってくれていました。ここで、記念の写真を撮りました。最後まで、あったかい文福さんでした。
外は冬に突入したように、寒い風が吹いていましたが、温かい気持ちになって、帰りました。
日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2024/12/08