フジコヘミングのピアノソロコンサート

フジコ・ヘミング パンフレット_0001 フジコ・ヘミング パンフレット_0002昨夜遅く、鹿児島から大阪に帰りました。17日の吃音交流会のつづき、子どもたちとの対話について紹介するつもりでいたのですが、ホットな話題をと思い、今日行った、フェスティバルホールでの「フジコ・ヘミング」のピアノソロコンサートについて書きます。
 
フジコ・ヘミング 会場とピアノ 出会いは、今から13年くらい前になります。横浜で吃音相談会を開いたときに、両親と参加した大学生がいました。母親の陰に隠れるようにしていたその男子大学生は、その後、私たちの合宿などに参加して、自分の生き方としてバイオリンの道に進みました。吃音のこともあり、大変な苦労をして、ドイツの大学院に進学し、その後、ウイーンのとても有名な管弦楽団に所属しています。日本でも毎年コンサートが開かれています。招待をしていただいたのですが、毎年の新年の合宿と日程が重なり、一度も彼の演奏するコンサートには行けていません。ご両親は海外の演奏家を日本に招くなどの音楽関係の仕事をされていて、最初の出会いからずっとお付き合いが続いていました。お母さんからは、折に触れ、成長していく彼の様子を知らせていただいていました。
 そのお母さんから、大阪のフェスティバルホールでフジコ・ヘミングのピアノソロコンサートを主催するので、招待しますよという連絡をいただきました。ちょうど鹿児島から帰った翌日だったので、ありがたくお受けしました。
 フジコ・ヘミングは、NHK BSのドキュメンタリー番組で「魂のピアニスト」として紹介されていて、世界的なピアニストだとはよく知っていたのですが、コンサートに行ったこともなく、生で演奏を聴くのは初めてです。海外での演奏会も多く、精力的に演奏活動をされていますが、お年は90歳です。これはすごいことだと思います。
フジコ・ヘミング ピアノとパンフレット 会場はぎっしり満席で、舞台には1台のピアノが置かれていました。彼女がシルバーカーを押し、付き添われながら登場すると、舞台はとたんにパッと華やかになります。
 ショパンが大好きな彼女、今日も、ショパンの曲がたくさん選曲されていました。90歳という年齢を忘れてしまうほどの熱演でした。服装、しぐさ、そして「たくさんの拍手をありがとうございました」ということばの声、かわいいと思いました。ドキュメンタリーでみていた通りの人でした。 
 聞き覚えのある旋律が多く、馴染みのある曲がたくさんありました。
 おかげで、ことばの教室の担当者の鹿児島県大会の準備にかなりのエネルギーを使い、当日も頑張ったご褒美のような一日を過ごすことができました。
 毎年、年末のベートーベンの「第九」が恒例になるなど、「交響楽団」や「管弦楽団」などのコンサートには行くのですが、ピアノだけのコンサートは初めての経験でした。聞き慣れた旋律の心地よさに、世界がまた広がりました。吃音が縁でこのような機会がもてること、本当にありがたく、いつものことながら吃音に感謝しているのです。

日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2023/06/21