2001年、岐阜大学で開催した第1回臨床家のための吃音講習会を特集した「スタタリング・ナウ」2001.10.20 NO.86 から、概要を紹介してきました。「今日は、岐阜が、日本で一番気温が高いらしい」とのニュースが流れたので、外へ出てその気温の高さを肌で感じてきました。でも、きっと、研修室内での熱気の方が高かったのではないかと思います。
参加された方の感想を紹介します。
日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2023/06/03
参加された方の感想を紹介します。
第1回 臨床家のための吃音講習会 〜参加者の声〜
岐阜県立長良養護学校 部主事 村上英雄
初の講習会で運営は不慣れ、おまけに予想以上の申し込みに急遽会場の変更を余儀なくされ、会場はすし詰め状態。加えて2日間とも酷暑。それでも、強力な講師陣に助けられ、参加者の熱心さに支えられ、ほとんどの感想は「大変良かった」「よく分かった」と記されていた。参加者の感想等を要約してまとめたものを紹介したい。アンケート総数は78名。
○成人のどもる人、保護者の体験発表はこの会ならではであり、心に残った。
○理論あり、実践あり、体験からの考察あり、レッスンありで楽しかった。
○「あなたは一人ではない、あなたには力がある」などは、経験した方の話だからこそ、心に響き得た。様々な悩みをもつ人が待っていることばだろうと思った。
○吃音は訓練したから治るものではない、人の優しさがどもる子どもを傷つけているという意見に驚きであった。ならば、ことばの教室では何ができるのか、私はどうしたらよいのかと考えさせられた2日間。
○吃音をもつ子どもの内面を少し理解できたが、実際子どもを目の前にするとどこまで変われるか不安がある。
○ことばの教室は楽しいだけでよいのかという思いがあったが、ホッと安心できる場であっていいということばに力を得た。
○吃音を治してあげることがどもる子どもにとって一番してあげたいことと思っていたが、吃音をテーマに人生を生きていける人になるように支援できることは何か、と思えるようになった。吃音でよかったと思える人生を送れるように関わっていきたい。
○今回の講習会は、吃音を窓口にみんなの生き方をみんなで考える会だと思った。
○一緒に考えていける関係が作れるように日々を大切にしていきたい。その子の苦手な部分を見つめ合うことが生きることに繋がるという言葉が印象的であった。
○「どもってもいいから表現を」の目標で指導してきたが、やはり症状を軽減する方法が自分の知らない所にあるのではと、捨てきれずに参加したが、自分の目標が間違っていなかったことを確認できた。同時に目標の奥深さを考え直すことができた。
○どもってでも出来た体験をさせること、吃音に対するマイナスの概念を持たさないことの話が印象的だった。
○自分の吃音に対する知識不足に大変大きなショックを受けた。
○教師側からの発表、見方に終始する研修会が多い中、保護者発表の指摘は指導を受ける子どもの視点が提示されたのはとても新鮮で、こういう視点が大切だと思った。
○どもる人、保護者の話を聞いて、内面の大変さが分かった。子どもや保護者の気持ちにそった支援が出来そうである。
○いずれも刺激的で、特に実践発表に心を強く打たれた。指導者自身の自己満足に終わってはいけないということを学んだ。教師が無造作に心をひっかくようなことはしないようにと強く思った。
○とても充実していて、心の底から熱くなった2日間だった。症状を軽減するのでなく、個性的な話し方を見つけるという講師の話は説得力があった。
○ことばの教室の実践例や様々な立場からの実践が聞けた。吃音の考え方は様々だが、1つの大きな考え方をまとめた形での企画に感謝する。
○実践発表やキャンプ(VTR)の様子を見て、吃音について深く考える機会がもて、印象深かった。
日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2023/06/03