昨日、第29回全国公立学校難聴・言語障害教育研究協議会全国大会山形大会で、谷川俊太郎さんと僕とが記念対談をしたことを、巻頭言で紹介しました。テーマは、《内なることば・外なることば》で、約600人が参加し、その様子は夕方のテレビ放送でも流れたようです。記念対談のことを、山形新聞が写真入りの記事で紹介しています。「スタタリング・ナウ」2000.10.10 NO.74に掲載した、その新聞記事を、紹介します。

「言葉は愛情の形」
難聴・言語障害教育研究全国大会山形大会 谷川さん(詩人)対談

谷川さんとの対談 新聞記事 第二十九回全国公立学校難聴・言語障害教育研究協議会の全国大会が、二十七日、山形市民会館で開幕し、詩人の谷川俊太郎さんと日本吃(きつ)音臨床研究会代表の伊藤伸二さんが「内なることば・外なることば」をテーマに記念対談した。二日間の日程で、聞こえと言葉の教育の在り方を探る。
 同協議会は、難聴や言語障害を持つ子どもを指導する全国の公立幼稚園、小・中学校の教諭らで組織。県内では二十五の小学校が「ことばの教室」を設置し担当教諭らが加入している。
 全国大会は、毎年、各県で開いており、今年は本県を会場に約六百人が参加した。
 記念対談で、谷川さんは「言葉は人間にとって、生まれた時に母親から受ける愛情の一つの形」と指摘し、「言語障害児に言葉遊びを披露したら、驚くほど反応した。意味のある言葉を交換するだけが言語ではなく、意味がなくても、言葉の肌触りを交換することが大切で、それが人間のコミュニケーション」と話した。伊藤さんは「言語の障害があっても書くことに支障がない場合が多いが、自分で否定してしまうと黙読でも、障害が出る。障害を肯定できるかどうかがポイント」と説明した。
 きょう二十八日は、市霞城公民館などで分科会を開き、言語発達の遅れや吃音、聴覚障害などを指導する基礎知識を学ぶ。(山形新聞 2000.7.28)
(「スタタリング・ナウ」2000.10.10 NO.74)


日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2023/03/27