栃木県宇都宮市での相談会・研修会は、僕たちの仲間のことばの教室の担当者の高木浩明さんが計画してくれました。その計画は、随分前からあったのですが、コロナの影響を受け、なかなか実現しませんでした。ようやく開催でき、うれしかったです。先日、高木さんから電話があり、あの後、感染者が増えて、ことばの教室の通級指導がストップしているとのこと、今なら相談会も研修会もできなかった、あのとき開催できたことは絶妙なタイミングだったと話していました。そんな幸運にも恵まれ、一日、たくさん話しました。自分でも不思議なくらい、尽きることはありません。
午前中は、保護者向けの相談会でした。自己紹介の後、僕も自己紹介をしました。医療ではなく、教育の場で、吃音の問題を考えていること、小学2年生から21歳まで吃音に悩んで生きてきたこと、その後、大阪教育大学で、ことばの教室担当者の養成に携わったこと、初めてどもる人のセルフヘルプグループを作ったこと、そのセルフヘルプグループの活動の中で、どもる人の世界大会を初めて開催し、どもる子どものために吃音親子サマーキャンプを31年も続けていること、一貫してどもる人として生きてきたことを話し、そんな僕に質問をしてもらいました。
○小学生のとき、吃音で苦しかったとき、両親はどうしていたのか?
○吃音をコントロールすることはできるのか?
○21歳のときが転換だったとのことだが、何があったのか?
○どもる自分を研究するという話だったが、いつ、どこで、勉強したいと思ったのか?
○今、子どもは小学6年生で、周りにも恵まれ、いじめもなく、気分良く過ごしているが、来春中学校に行くと、新しい環境になっていろいろあるだろうと思う。不安でいっぱいになる。中学校に送り出すとき、どんな声をかけてやればいいのか?
どれも、親ならば当然の、子どものことを思っての質問でした。いつものように、ひとつひとつの質問の背景を尋ね、やりとりし、ていねいに答えました。
最後に聞かせてもらった感想には、不安ばっかりだったが、わが子に限らず、どの子にもあること、みんな自分で乗り越えていかないといけない、子どもを信じて待ちたい、今までは、サポートし過ぎていたかもしれないので、これからは、本人と相談し、ゆっくりとつきあいたい、きれいな丁寧な日本語を話せるよう練習したい、など大切なことをしっかりと受け止めてもらえたようでうれしかったです。

午後は、会場を変え、丸くなって、研修会でした。吃音の問題をとらえるときの基本的な立場、吃音の基礎的な知識や指導のあり方など、できるだけ基礎的なことを中心に丁寧に話しました。今、取り組んでおられることにプラスしてもらいたいことなど、提案もしました。あっという間に時間が過ぎていきました。校長先生も、最初から最後まで聞いてくださいました。千葉で出会った子どもたちの話もしました。きっと、この宇都宮でのことも、今後どこかで話していくだろうと思います。どもりながらも、それなりに豊かに自分らしく生きているどもる子どもや大人の話を、僕は伝え続けていきたいと思っています。
日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2022/12/15

○小学生のとき、吃音で苦しかったとき、両親はどうしていたのか?
○吃音をコントロールすることはできるのか?
○21歳のときが転換だったとのことだが、何があったのか?
○どもる自分を研究するという話だったが、いつ、どこで、勉強したいと思ったのか?
○今、子どもは小学6年生で、周りにも恵まれ、いじめもなく、気分良く過ごしているが、来春中学校に行くと、新しい環境になっていろいろあるだろうと思う。不安でいっぱいになる。中学校に送り出すとき、どんな声をかけてやればいいのか?
どれも、親ならば当然の、子どものことを思っての質問でした。いつものように、ひとつひとつの質問の背景を尋ね、やりとりし、ていねいに答えました。
最後に聞かせてもらった感想には、不安ばっかりだったが、わが子に限らず、どの子にもあること、みんな自分で乗り越えていかないといけない、子どもを信じて待ちたい、今までは、サポートし過ぎていたかもしれないので、これからは、本人と相談し、ゆっくりとつきあいたい、きれいな丁寧な日本語を話せるよう練習したい、など大切なことをしっかりと受け止めてもらえたようでうれしかったです。


日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2022/12/15