動画配信中3 吃音について正しく知ろう
大阪吃音教室では、「吃音と上手につきあう」ことを目指して、年間のスケジュールを組んでいます。4月の開講式の後は、つきあう相手である吃音についてきちんと知っておこうと「吃音基礎知識」の講座が定番になっています。それを動画で紹介しようと、動画プロジェクトが立ち上がりました。
大阪吃音教室の運営委員の、藤岡千恵さんと井上詠治さん、西田さんが中心になって事前に質問項目を考え、たくさんの中から選定します。選定された質問を藤岡さんが自分の体験と絡めて質問していきます。それを井上詠治さんが撮影してくれ、後日、文字を入れるなど編集作業をしてくれます。事前の打ち合わせはまったくしない、ぶっつけ本番です。動画の撮影が始まるまで、僕はその質問内容はほとんど知らないようにしています。何の用意もしない方が僕は好きなのです。藤岡さんの質問を受けて、彼女と対話をしながら質問に答えていきます。
このやりとりを、大阪吃音教室の講座の中で、つまり聴衆がいる場ですることに意義があります。動画を見て下さる人たちを代表して、大阪吃音教室の仲間が聞いてくれている。この場の支えがあるから、緊張感をもって僕もその場にいることができるのです。編集は一切しない、ぶっつけ本番の緊張感が好きなのでしょう。藤岡さんとの対話の中で、普段考えていなかったことが、ふと浮かんできます。1965年の夏に東京正生学院で吃音に向き合い始めてから、吃音のことばかりを考え続け、7000人を遙かに超えるであろう、どもる人と直接出会ってきたので、その人たちの体験が僕のテータベースに入っていて、何か質問をしてもらえると活性化するのでしょう。ぜひ、藤岡さんと僕のやりとりを見て下さい。
これは、4回のシリーズになっています。最近のものは紹介しましたが、これまでに出てきた質問は、次のとおりです。
2017.4.14 大阪吃音教室
・吃音の原因
どもりになりやすい遺伝子があるとか、脳科学の発展で、どもる人の脳の機能に問題があるなどと言われるようになりましたが、吃音の原因は解明されたのですか。
・どもりは治るか
「吃音は治せる」という本もありますし、ネット上では吃音は改善できると宣伝するところがあります。吃音は治るのでしょうか。
・どもりの波
すごくどもる時と、あまりどもらない時の調子の波があります。どもる人はみんな、私のように波があるのでしょうか。
・どもりと障害
吃音は言語障害のひとつですが、吃音は障害ですか。病気ですか。すごく調子がいいときなどは、障害と思えないし、すごくどもる時もあって、その時は障害のように思うのですが。
・吃音と発達障害
吃音が発達障害支援法の中に入っていますが、吃音は発達障害なのでしょうか。紀元前の時代から文献に残っている吃音と、最近、注目され始めた発達障害とは違うように思うのですが。
・どもる人の人口
吃音は人口の1%の発生率があると、ずいぶん前から言われていますが、子どもの頃を振り返っても、大人になった今でも、周りにはそんなにいない気がするのですが。
・どもる人の仕事
どもる人は話すことの少ない、電話の応対等があまり必要ない仕事に就いた方がいいと言われたことがあります。どもる人はどんな仕事に就いていますか。また、どんな仕事が向いていますか。
・世界の吃音
日本語以外でも、どもる人はいるんですか。
・どもりの説明の仕方
自分がどもることについて学級の中で説明している子どもがいると聞きました。また、成人になると就職試験の面接で吃音について尋ねられることがあると思います。そのような時、どのように吃音を説明すればいいですか。
2017.11.10 大阪吃音教室
・どもりと不安
不安がなくなれば吃音がよくなるからと、精神科医に抗不安剤を処方されたのですが、吃音と不安について話して下さい。
・不安への対処
吃音の大きなテーマは、どもることを予想する「予期不安」ですが、どう対処したらいいですか。
・緊張とのつき合い方
「緊張するからどもるのだ。リラックスして」とよく言われますが、どもるから緊張するのか、緊張するからどもるのか、緊張とのつきあい方を教えて下さい。
・事前練習の効果
音読やプレゼンテーションの前に練習をするのですが、効果はありますか。
・しゃべりやすくする工夫
吃音を治すことは難しいとは思いますが、少しでもしゃべりやすいように工夫することはどうですか。
・自己紹介の工夫
自己紹介がとても嫌で、自己紹介がありそうな場面にはできるだけ出ていきたくないのですが、どもる人が自己紹介で工夫することはありますか。
・第一声が出ない
連発のどもり方なら、何か話そうとしていることが相手に伝わるのでいいと思うのですが、難発(ブロック)の状態になって、第一声が出てこないので困ります。どんな対処ができますか。
・どもりは差別用語?
どもりは差別用語だという人がいますが、私たちは「どもり」をよく使います。どもりは差別用語なのですか。
2018.04.13(金) 大阪吃音教室
・魅力的などもり
大阪吃音教室には魅力的などもる人が多いですが、魅力的などもりになるには、どうしたらいいですか。
・対人関係と吃音
人の悩みは「対人関係」がほとんどだと言われますが、吃音と対人関係について話して下さい。
・どもる人の武器
どもることはある意味、ハンディだと思いますが、人間関係や仕事に出て行くとき、どもる人の武器になるようなことはありますか。
・難行から易行
言語訓練で吃音を改善しようとするのは「難行苦行」で、吃音を認めて生きる方が易しい道(易行・いぎょう)というのはどういう意味ですか。
・どもる覚悟
どもるのに、覚悟っているのですか。
・笑いとユーモア
大阪吃音教室では、「ユーモアスピーチ」「吃音川柳」「どもりカルタ」の活動がありますが、吃音にとってユーモアはどんな意味をもちますか。
・治らないことの意味
紀元前300年代の「デモステネス」は訓練をして治したと言われていますが、周りを見渡しても多くの人が治っていないように思います。「治らないことの意味」を考えたいです。
日本吃音臨床研究会のホームページ(www.kituonkenkyu.org)
日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2019/5/26
大阪吃音教室では、「吃音と上手につきあう」ことを目指して、年間のスケジュールを組んでいます。4月の開講式の後は、つきあう相手である吃音についてきちんと知っておこうと「吃音基礎知識」の講座が定番になっています。それを動画で紹介しようと、動画プロジェクトが立ち上がりました。
大阪吃音教室の運営委員の、藤岡千恵さんと井上詠治さん、西田さんが中心になって事前に質問項目を考え、たくさんの中から選定します。選定された質問を藤岡さんが自分の体験と絡めて質問していきます。それを井上詠治さんが撮影してくれ、後日、文字を入れるなど編集作業をしてくれます。事前の打ち合わせはまったくしない、ぶっつけ本番です。動画の撮影が始まるまで、僕はその質問内容はほとんど知らないようにしています。何の用意もしない方が僕は好きなのです。藤岡さんの質問を受けて、彼女と対話をしながら質問に答えていきます。
このやりとりを、大阪吃音教室の講座の中で、つまり聴衆がいる場ですることに意義があります。動画を見て下さる人たちを代表して、大阪吃音教室の仲間が聞いてくれている。この場の支えがあるから、緊張感をもって僕もその場にいることができるのです。編集は一切しない、ぶっつけ本番の緊張感が好きなのでしょう。藤岡さんとの対話の中で、普段考えていなかったことが、ふと浮かんできます。1965年の夏に東京正生学院で吃音に向き合い始めてから、吃音のことばかりを考え続け、7000人を遙かに超えるであろう、どもる人と直接出会ってきたので、その人たちの体験が僕のテータベースに入っていて、何か質問をしてもらえると活性化するのでしょう。ぜひ、藤岡さんと僕のやりとりを見て下さい。
これは、4回のシリーズになっています。最近のものは紹介しましたが、これまでに出てきた質問は、次のとおりです。
2017.4.14 大阪吃音教室
・吃音の原因
どもりになりやすい遺伝子があるとか、脳科学の発展で、どもる人の脳の機能に問題があるなどと言われるようになりましたが、吃音の原因は解明されたのですか。
・どもりは治るか
「吃音は治せる」という本もありますし、ネット上では吃音は改善できると宣伝するところがあります。吃音は治るのでしょうか。
・どもりの波
すごくどもる時と、あまりどもらない時の調子の波があります。どもる人はみんな、私のように波があるのでしょうか。
・どもりと障害
吃音は言語障害のひとつですが、吃音は障害ですか。病気ですか。すごく調子がいいときなどは、障害と思えないし、すごくどもる時もあって、その時は障害のように思うのですが。
・吃音と発達障害
吃音が発達障害支援法の中に入っていますが、吃音は発達障害なのでしょうか。紀元前の時代から文献に残っている吃音と、最近、注目され始めた発達障害とは違うように思うのですが。
・どもる人の人口
吃音は人口の1%の発生率があると、ずいぶん前から言われていますが、子どもの頃を振り返っても、大人になった今でも、周りにはそんなにいない気がするのですが。
・どもる人の仕事
どもる人は話すことの少ない、電話の応対等があまり必要ない仕事に就いた方がいいと言われたことがあります。どもる人はどんな仕事に就いていますか。また、どんな仕事が向いていますか。
・世界の吃音
日本語以外でも、どもる人はいるんですか。
・どもりの説明の仕方
自分がどもることについて学級の中で説明している子どもがいると聞きました。また、成人になると就職試験の面接で吃音について尋ねられることがあると思います。そのような時、どのように吃音を説明すればいいですか。
2017.11.10 大阪吃音教室
・どもりと不安
不安がなくなれば吃音がよくなるからと、精神科医に抗不安剤を処方されたのですが、吃音と不安について話して下さい。
・不安への対処
吃音の大きなテーマは、どもることを予想する「予期不安」ですが、どう対処したらいいですか。
・緊張とのつき合い方
「緊張するからどもるのだ。リラックスして」とよく言われますが、どもるから緊張するのか、緊張するからどもるのか、緊張とのつきあい方を教えて下さい。
・事前練習の効果
音読やプレゼンテーションの前に練習をするのですが、効果はありますか。
・しゃべりやすくする工夫
吃音を治すことは難しいとは思いますが、少しでもしゃべりやすいように工夫することはどうですか。
・自己紹介の工夫
自己紹介がとても嫌で、自己紹介がありそうな場面にはできるだけ出ていきたくないのですが、どもる人が自己紹介で工夫することはありますか。
・第一声が出ない
連発のどもり方なら、何か話そうとしていることが相手に伝わるのでいいと思うのですが、難発(ブロック)の状態になって、第一声が出てこないので困ります。どんな対処ができますか。
・どもりは差別用語?
どもりは差別用語だという人がいますが、私たちは「どもり」をよく使います。どもりは差別用語なのですか。
2018.04.13(金) 大阪吃音教室
・魅力的などもり
大阪吃音教室には魅力的などもる人が多いですが、魅力的などもりになるには、どうしたらいいですか。
・対人関係と吃音
人の悩みは「対人関係」がほとんどだと言われますが、吃音と対人関係について話して下さい。
・どもる人の武器
どもることはある意味、ハンディだと思いますが、人間関係や仕事に出て行くとき、どもる人の武器になるようなことはありますか。
・難行から易行
言語訓練で吃音を改善しようとするのは「難行苦行」で、吃音を認めて生きる方が易しい道(易行・いぎょう)というのはどういう意味ですか。
・どもる覚悟
どもるのに、覚悟っているのですか。
・笑いとユーモア
大阪吃音教室では、「ユーモアスピーチ」「吃音川柳」「どもりカルタ」の活動がありますが、吃音にとってユーモアはどんな意味をもちますか。
・治らないことの意味
紀元前300年代の「デモステネス」は訓練をして治したと言われていますが、周りを見渡しても多くの人が治っていないように思います。「治らないことの意味」を考えたいです。
日本吃音臨床研究会のホームページ(www.kituonkenkyu.org)
日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2019/5/26