けふもまた 声にならない 音が出る 


 送られてきた漫画の、すてきな絵とせりふの一言一言に、うれしくなりました。お礼にどもる人の体験を綴ったことば文学賞特集の「スタタリング・ナウ」や本をお送りしました。ブログでの紹介についても問い合わせました。そして、そのお返事のメールをいただきました。

 
当事者研究の本や当事者だけでなく周りの方の考えなどとても勉強になります。また吃音以外の生き方そのものを考える上でも「こういう考え方をする人や問題解決方法があるのか」と思考の幅が広がりました。漫画を描く時は、キャラがどう考え、どう行動するかを常に想像しているので、様々な人の考え方を知ることができるのはとても嬉しいです。


 メールの最後に、自分語りなので読み飛ばしてもらっていいのですが、と、自分のことを振り返って下さいました。

 作者は、小学校の6年間、ことばの教室に通っていたというのです。吃音ではなく、構音だったようです。サ行とタ行の滑舌が特に悪かったので通っているのだと先生や親からは説明されてたのは自覚していたそうですが、本人は私生活で全く困っていなかったし気にしていなかったため、授業を休んでまでどうこうするようなものとは認識していなかったとのことでした。今もそんなに気にしていないし、話のネタにしている位だそうです。本人は、指摘を受けてもあまり困っていなかったようで、そもそも何のために授業を抜け出してことばの教室に行っていたのかよく分からないままに通っていて、ラッキーと思っていたとか。お母さんに、「ちゃんと言えずに伝わらなかったら不便でしょ?」と言われていたようですが、「みんなニュアンスで汲み取ってくれてるし、どうしても伝わらなかったら描いて伝えるから大丈夫」と全然意に介していなかったそうです。
 高校に入り、演劇部に入って少しましになったと、作者は言います。その演劇部、みんな滑舌が悪かったそうで、大会などいいところまでいっても、必ず「滑舌が悪いけれど、…」と言われていたとか。でも、その後に、「でも、高校生らしく元気があってよかった」と続いたそうです。

 作者がぐんと身近になりました。こうして、自分の特徴にし、そのまま認めて、生きている人は多いのだと改めて思います。
 おもしろい出会いになり、世界が広がりました。こんな出会いがあるから、人生はおもしろい、と思います。最後に、興味のある方、この漫画の入手方法を、お知らせします。
 作者からいただいたメールのまま、紹介します。

ブログで紹介して頂けるのは私も嬉しいです。
私の方も、今回頂いた本と合わせて、今回の事についてTwitterで紹介を呟いても宜しいでしょうか。こちらが私のTwitterです。
https://twitter.com/mazuuma
入手方法ですが、新しく自分のネットショップを開設致しました。
少々手間なのですが、購入にはpixivというお絵描きSNSのアカウントが必要です。
https://misoshop.booth.pm/items/863326
現在まだ商品入荷待ち状態なのですが、商品は倉庫に送ってあるので今週中か来週には入荷済みになるかと思います。
また、次回いつ参加するかは未定なのですが、またイベント等で実地販売も出来ればと考えています。


日本吃音臨床研究会会長 伊藤伸二 2018/06/29