柳家小三治・柳家三三親子会

 5月に入りました。
 年末年始を玉造温泉で過ごしたのがついこの前のように思うのに、もうすでに1年の3分の1が終わってしまったことになります。ちょっと恐ろしいくらいです。
 年末、玉造温泉にいるときに、新聞で「柳家小三治・柳家三三親子会」の案内をみつけ、4月19日のチケットをとりました。まさか4月、本の執筆でかかりっきりになっているとは、年末には全く想像できなかったことでした。忙しさの真っ最中ですが、せっかくとったチケットです。京都のロームシアターに行ってきました。
 4月19日は、いい天気で、普段なら、せっかく行く京都なので、落語会だけではなく、プラスαでどこかに寄るのですが、さすがに今回は、落語会のみにしました。昨年も、この「柳家小三治・柳家三三親子会」には行きました。
小三治・三三親子会1
 落語家で好きなのは、立川志の輔と、柳家小三治です。落語の案内をみつけたら、できるだけ行くようにしています。小三治の、とぼけたような、独特の話し方、間の取り方が、なんともいえない雰囲気で、いいのです。僕が、落語を好きになったのは、いつ頃からなのでしょうか。
 「山のあな、あな、あな、…」という三遊亭圓歌は、自分のどもりを生かした落語を作りました。僕の父親が謡曲の師匠だったことも影響していると思います。ことばに悩んできたので、ことばを扱う芸に人一倍惹かれるのかもしれません。
小三治・三三親子会 舞台小三治2小三治・三三親子会 舞台小三治
 たくさんの人が出る芝居と違って、落語は、舞台上にいるのは、落語家ひとり。扇子と手ぬぐいのみの小道具で、話の世界を作り出します。その話芸の奥深さに心惹かれます。
 ロームシアターでの演目は、三三が「高砂や」で、小三治は「長短」と「死神」でした。
 小三治は、まくらの小三治と言われるくらい、まくらが長くて有名です。前回は1時間以上雑談のようでした。他の落語家なら聞けないと思うのですが、小三治の場合は、とても味があっておもしろかったので、今回も古典よりもむしろまくらを楽しみにしていたのですが、残念でした。今回はまくらはほとんどなく、まじめに落語をしていました。「長短」の「長」の語り方は、小三治ならではのものでした。
小三治・三三親子 演目
 しばし落語の世界に浸り、つかの間の休憩になりました。

日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2018/5/2