ちば吃音親子キャンプ 人が変わる場に出会う喜び
 レストランでのバイキング昼食の後は、最後のプログラム、ふりかえりでした。参加者全員で大きな円を作りました。そして、ひとりひとりが、キャンプを振り返って、自分が思ったこと、感じたことを発言していきました。
ちばキャンプ15 終わりの会 全体ちばキャンプ16 終わりの会 伸二

子どもたちの感想
・同じようにどもる仲間に出会えたことがうれしかった。
・どもりについて話し合えたことがよかった。
・出会いの広場の島渡りがおもしろかった。
・ずっと知りたいと思っていたことが聞けてすっきりした。
・どもったときのやり方がいろいろ違っていたので、びっくりした。
・真似しないでほしいと言ったのに、また真似されて気にしていたけど、伊藤さんが気にしないでいい、気にしているとずっと残る、気にしなければそれで終わると言ってくれて、それがよく分かった。もう気にしないで、いい方に考えて、これから生活していこうと思った。
・どもる友だちは今まで誰もいなかったけど、このキャンプに来て、いい友だちができたので、よかった。
・すぐに友だちができて、質問したかったことも質問できてうれしかった。
・いろんなキャンプに行ったことがあるけれど、どもる子には全然会えなかった。孤独だと思っていたけど、このキャンプに来て、どもる人とたくさん会えて、話し合いもできたし、泊まれたし、楽しかった。

保護者
・吃音についての考えが全く変わった。
・子どもたちが、たくさんどもりについて語ることにびっくりした。
・出会いが本当に大事だと思った。友だちや先輩の話を聞いたことが、今後自分がどう生きていくかのときの知恵になっていくと思った。ありがたい出会いだった。
・最初、不安があったけど、着いたとたん、子どもの顔がいきいきとしていた。自分の意見をしっかり言っているのを見たら、最初の不安を忘れるくらいだった。
・子育てに悩んでいて、失敗したと思っていたけど、伊藤さんから「謝らなくていいんだよ」と言ってもらえて、そのことばは、私の中で宝物になりました。
・今まで、悩みを言えなかったけれど、夜、部屋で、話したり聞いたりして、分かる分かると思えたことがうれしかった。
・子どもがこれからどういう問題にぶつかっていくか分からないけれど、壁にぶつかったときに、ちゃんと話せるようになりたいと思った。
・ことばの教室に通っていなかったら、また、伊藤さんに会ってなかったら、今頃、私は治さなきゃと思って、病院を回っていただろうと思う。まちがった道に行かなくてよかった。
・参加する前は、とまどいがあったが、楽しく参加できた。自分の考えががらりと変わった。吃音を受け入れて、心豊かに暮らしていけるようになれたらいいなと思った。
・「英国王のスピーチ」は、何度も見ようと思ったけれど、せつないものを感じて、見る勇気がなかった。今度は、家族で見ようと思う。

スタッフ
・学年末という大変な時期だったけれど、思い切ってやってよかった。
・これまでの子どもとのかかわりを振り返ることができ、新学期からまたがんばろうと思った。
・誠実に生きるということが大事なんだと思った。どもっていても、どもっていなくても、自分と向き合い、同行してくれる人と生きるのが一番だなと思った。
・子どもたちの話し合いに参加させてもらったが、子どもたちは一生懸命考えて生きているんだなと感じた。菜の花の花言葉は財産、仲間はほんとに財産だと思った。
・どうしようもないものをどうにかしたいという思い、私はもっと大きくなってから悩み始めたように思う。参加していた子どもたちは、今の段階で向き合っていて、たくましいなと思った。私が受けもっている子は今回参加できなかったけど、ぜひ、この子たちと出会ってほしいなと思った。
・どんなことでも、後悔する選択ではなく、これから進んでいくための選択をしたいと思った。ひとりで考えていると選択肢は少ないけど、たくさんの人と一緒に考えると選択肢は広がる。
・親子であっても、それぞれの人生が大事だと思う。寄り添いながらも、それぞれの人生があることを大事にしたい。自分の人生も、出会うみんなの人生も考えられる人になりたい。
・滋賀県の吃音親子サマーキャンプには何回か行っているが、千葉で同じような雰囲気が味わえてよかった。子どもたちは自分のことをちゃんと考えていると思った。先日、担当している子に、どもりでよかったことについて聞いたら、自分の事を友だちに言えること、自分のことを考えられることだと言っていた。どもりだということをみんなに言うことで考えることができるということだった。すごいと思った。

 それぞれの参加者にとっても、意味のある2日間だったようです。
 スタートしたばかりのちばキャンプ、これからどんどん広がりと深まりを見せて、歩んでいくことでしょう。そんな場に、これからもかかわっていきたいと思いました。

 やっぱり学年末はしんどかったと思った渡邉美穂さん、次回の会場予約をしたそうです。
 第2回ちば吃音親子キャンプは、今年の9月16・17日です。また、お会いしましょう。

日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2018/04/13