大阪吃音教室、2018年度の講座がスタートしました

 4月6日は、今年度の大阪吃音教室の開講式でした。
 ずっと暖かく春らしい陽気が続いていたのに、この日は、あいにくのかなりの雨。参加者は少ないかもしれないなあと思っていたのですが、新しい人が5人、運営委員はほぼ全員が参加し、にぎやかなスタートになりました。

 昨年は、「五拍子の福音」というラジオドラマ、一昨年はドキュメンタリー映画「The Way We Talk」の上映という特別仕立ての開講式でしたが、今年は、従来の形に戻りました。
 世話役のメンバーが、開講式にふさわしいゲームを考えてくれて、和やかに1年のスタートを切りました。

 自慢話を3つする、そのうち1つは嘘の話にする。それがどの話なのか当てる。グループごとにそんなことをして、盛り上がりました。

 その後は、初めて参加した人の自己紹介の時の、電話が苦手で仕事を辞めたいという話をとりあげてみんなで考えていくことにしました。電話とのつきあい方というひとつの講座ができるほど、吃音と電話は密接な関係にあります。尽きない話、きっと永遠のテーマなのでしょう。

 同じような話をしていても、参加するメンバーが違うと、新しい気づきも生まれます。マンネリ化しない所以でもあるのだと思います。

 大阪スタタリングプロジェクトの会長、東野晃之さんの、開講式を終えての感想を紹介します。

 
雨の日にかかわらず、新しい人を含む多くの人が参加しました。
 前半のゲーム、新鮮で楽しかったです。進行してくれた二人の吃音親子サマーキャンプや吃音ショートコースの出会いの広場などの経験が活かされているように感じられました。
 電話対応で行き詰まり、仕事を辞めたい、との新しい人の自己紹介を受けて、伊藤さんの後半の話し合いが始まりました。
 新しい人と伊藤さんのやりとりに、皆が傾聴し、参加しました。
 あの集中した温かい空間は、大阪吃音教室ならではのものだと思いました。
 どもる我々は、どもらない人のように話せないのは当然である。その事実から対処法を考えなければならない。
 どもりと付き合う我々の立ち位置が明確になった話し合いでした。
 新しい人の表情が最初と比べ、後半とても柔らかく、笑顔が見られてほっとしました。
 とてもいい2018年の開講でした。


 来週は、どもりQ&Aの第3弾です。これまでのどもりQ&Aは、収録し、ユーチューブで動画アップをしています。吃音の奥深さを感じることのできる講座になるでしょう。
 ブログを読んで下さっている方、日本吃音臨床研究会のホームページの一覧に、映像のコーナーがあります。どもりQ&Aだけでなく、ことばのレッスンやことば文学賞の朗読のコーナーなど、だんだんと充実してきています。是非、見ていただき、大勢の人に紹介していただけるとありがたいです。
 今年度の大阪吃音教室も、豊かに、賑やかにスタートしました。

日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2018/04/09