明日から、第5回吃音講習会が始まります



 第1回目の千葉での吃音講習会のとき、案内に、第1回と入れるかどうかで迷いました。これっきりで終わるかもしれないから、数字は入れないでおこうか、いや、続けることを考えて数字の1を入れようか、と。そんな吃音講習会が、今年で第5回目とは、感慨深いものがあります。
 
 今回の講師は、滋賀県立大学の松嶋秀明さん。レジリエンス関連の書籍は、すべて購入している僕の本棚には、松嶋さんの翻訳された本が並んでいます。ホームページを見ると、非行少年のレジリエンス研究をされていると書かれています。吃音という、ある意味虐待などとは少し劣悪さの程度として違うものにレジリエンスを取り入れようとしている僕たちに、何かヒントをいただけるのではないかと思ったのです。初対面の松嶋さんに長い手紙を書き、講師依頼をしました。お引き受けいただき、本当にうれしかったです。

 滋賀県立大学があるのは、滋賀県彦根市。ちょうど、27回目を迎える、吃音親子サマーキャンプの会場である荒神山自然の家のすぐ近くのようでした。自然の家の所員の誰よりも自然の家のことは知っていますが、下見を兼ねて打ち合わせには毎年いかなくてはいけません。せっかく行くのだからと、松嶋先生に直接会いできないとかと尋ねてみました。ご快諾いただき、6月29日、研究室をお訪ねしました。講習会実行委員のみんなと事前に話し合っておいた、講習会の内容、目指すもの、お願いしたいことをお伝えしました。ホームページで見る写真より、ずっと穏やかそうで、ゆっくりとした口調でお話してくださいました。そして、「実は、僕も小さいとき、どもっていたらしいんですよ」というお話が飛び出しました。ぐんと距離が縮まった気がしました。

 当日の配付資料が送られてきました。誠実に対応して下さっていることが伝わってきて、うれしく思いました。吃音という未知の世界での講義の準備は大変だったろうと思います。でも、レジリエンスという共通のキーワードを真ん中に、講師の松嶋さんと、参加者の皆さんと、共に充実した時間を過ごせるような予感がしています。 
お申し込みいただいた皆さん、岩倉でお会いしましょう。

日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2016年8月10日