



今月号の大阪の機関紙「新生」担当の藤岡さんは、その様子をこう書いている。
この映画がこれから日本でどのように上映されていくのかわからないため、何としても試写会で観たかった。ポートランドの自然豊かな風景と静かで心地いい音楽、マイケルの穏やかな語りに心が癒され、80分があっという間だった。毎年恒例の「どもりカルタ」の講座で「世界中 どこかで誰かがどもってる」という内容の読み札に時々出会う。私は一人で悩んでいた時、どもりで悩んでいるのは自分一人なのではないかと、深い闇の中にいた。
大阪吃音教室でたくさんの仲間に出会った時、私は決して一人ではないことにとても大きな勇気をもらった。映画の中で(ポートランドの)セルフヘルプグループの例会でも同じようなことが話されていた。同じ国籍であっても価値観や考え方は様々だけど、国籍を超えて同じテーマで同じような価値観を持つ人がいることに心から勇気づけられた。私もいつか、世界のどもる人とどもりについて語ってみたいと思っていた。
2016年度の大阪吃音教室が開講した。今年度最初の講座は開講式と映画の試写会。先月号で紹介した、進士和恵さんの翻訳と井上詠治さんの字幕作成によって、この映画の日本語版が実現した。
今のところ日本での上映も予定されていないため、この試写会を逃すと次はいつ観られるのかわからない。マイケルの好意により、この日の参加者には無料で上映可能ということだった。この日の参加者は43人。例会のスタートから少し遅れて会場に入った時にはすでに満席だった。映画館ではないため座席に傾斜もなく、字幕を見るために、参加者の4分の1ほどは立ち見となった。
80分の上映が終わると会場は大きな拍手に包まれ、伊藤伸二さんのリードで参加者が感想を述べた。
(藤岡)
私の感想を含めて、参加者の感想を次回に紹介します。
日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2016/04/17