君が僕の息子について教えてくれたこと
ディヴィド・ミッチェルさんと、自閉症の東田直樹さんがテレビで紹介されると、仲間からメールが入ってテレビを見ましたが、びっくりしました。
昨年6月、オランダのどもる人の世界大会で、あんなに長く話したのに、息子さんのことはまったく話にでてきませんでした。オランダの世界大会の時は、「どもり」について話したいことがいっぱいあって、息子さんのことを話すと、そちらに話題がそれるからと考えて下さったからでしょう。
ディヴィド・ミッチェルさんは、僕たちと話している間に、「アハハハ」と喉の奥での笑い声が頻繁にはいりました。テレビ番組では少なかったのですが、それがとても懐かしく思い出されました。
ディヴィド・ミッチェルさんの直樹さんへのまなざし、楽しみにしていたミッチェルさんなのに、合ったとたんに窓の外の景色に気をとられの直樹さんに、母親の背中をやさしく触れるミッチェルさんの仕草。
直樹さんや、母親のすごさは当然なのですが、僕は、ミッチェルさんの雰囲気、笑顔、声のの優しさに、恋人に再会したような胸のときめきを憶えていました。
東田直樹さんのことは、ホームレス支援の雑誌「ビッグイシュー日本版」を時々読んでいましたので知っていました。あの文章があのような時間をかけて書かれていたこと。母親が直樹さんの才能を見抜いて育てて行った経過を知ることができ驚きました。
ミッチェルさんの質問に答える直樹さん。
怖いのは、人を刺すような人間の視線。
幸せの瞬間は、以前は自然との一体感だったが、今は家族と笑っている時と、自分が書いた本を読んだ人から、感想をいただくとき。
父親として何が手伝えるかには、そのままで十分。
このミッチェルさんと、直樹さんの会話は、僕たちが感じていることでもあり、どもる子どもの保護者のみなさんにいつも話していることでもあり、全ての人に通じる普遍的なものだと思いました。
改めて、自閉症のもつ豊かな世界。ミッチェルさんの人柄に触れた幸せな時間でした。いい番組でした。
あの番組を見た仲間から感想が届いています。それらをまとめて、ミッチェルさんに送ろうと思います。
オランダでミッチェルさんと出会ったときのことは、2013年12月27日、28日にブログで書いています。お読みいただければうれしいです。
吃音親子サマーキャンプの報告の途中ですが、ミッチェルさんについて書きました。
日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2014/08/29