東海四県言語・聴覚・発達障害児研究大会 吃音分科会


 「吃音と共に生きる」ための取り組み〜幼児か学齢にバトンをつないで〜

 二つ目は、ここ3年ほど、どもる子どもがかつてなく増えたそうで、静岡県、掛川市の幼児ことばの教室から、学齢期のことばの教室へと、吃音のとりくみをつないでいく提案です。

 幼児期にはも「子どものありのままを受け止め、活動を通して認められたり、心地よいやりとりを経験する」から、学齢期には「吃音を知り、吃音をじぶんのこととしてとらえる」「吃音があっても思いを伝え、のびのび活動できる」へとつないでいく、幼児期の担当者、学齢期の担当者のふたりの提案でした。

 幼児期から担当者が折に触れ、吃音に対する肯定的な考え方を話してことで、当初吃音にマイナスのイメージをもっていた保護者が、その思いを受け止められながら、いろいろと話し合ううちに安心し、前向きになってく様子が報告されました。それは、子どもたちも変化していくからでしょう。

 「幼稚園で、なかなか自分から誘えない子が、どもる子どものグループの中では、生き生きと遊び、人前で話すことが嫌だった子が、劇ごっこの主役に立候補した」

 親のことばです。

 吃音を少しでも軽減させるなどの取り組みではなく、吃音を肯定する周り姿勢、雰囲気が大きな力になります。そうして、連携ある学齢期のことばの教室につないでいきます。

 学齢期では一年生と二年生のこどもに対して、吃音のキャラクターを書いたり、職業について考えたり、僕たちのつくった「学習どもりカルタ」や吃音に波について話し合ったりの実践に、「吃音を生きる子どもに同行する、教師・言語聴覚士の会」 の僕たちの仲間の実践ににいてるなあと聞いていました。

 質疑応答になって、低学年の子どもに、どうしてそのような実践をするようになったのかの質問が出されました。低学年の子どもに、どうしてこのような取り組みができるか、不思議だったようです。

 発表者は静岡のことばの教室の担当者の実践を見て、自分も取り入れるようになつたと話し、この分科会にその人はきていると、ことばの教室の担当者を紹介しました。その担当者はこう発言しました。

 ことばの教室の担当者になって、どう子どもと関わればいいか悩んでいた時に、千葉市のことばの教室に見学・実習に行った。そこで、子どもたちが吃音についていきいきと学習するのを実際に見て、自分でもできると考えて実際にしてみたところ、予想以上に子どもたちが興味をもって取り組んだ。現在、千葉市立院内小学校でことばの教室を担当している、渡邉美穂さんの名前がでてきました。、「吃音を生きる子どもに同行する、教師・言語聴覚士の会」 の僕たちの仲間です。

 千葉市で始まった、どもりカルタや、吃音キャラクター、『親・教師・言語聴覚士が使える吃音ワークブック』(解放出版社)のワークが、静岡にも伝わっていたのです。とてもうれしくなりました。
 
 僕たちの仲間の実践が、このような広がりを見せていくことに喜びと、今後の展望がひかかれていく気がしました。吃音キャラクター、どもりカルタなどは、ナラティヴ・アプローチの実践につながります。今後の吃音の取り組みは、子どもを主人公にした当事者研究であり、ナラティヴ・アプローチになつていくと思います。

 また、機会があれば、助言者として僕が何を話したか紹介しいと思います。
 さあ、明日から、第25回吃音親子サマーキャンプです。

 日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2014/08/21