今日は、村田喜代子さんの体験を読みました

 今、大阪スタタリング・プロジェクトの仲間と、吃音の体験文集の第2集を出版しようと、編集が急ピッチで進んでいます。金沢で8月2日3日と開かれる「親、教師、言語聴覚士ための吃音講習会」に間に合わせたいからです。
 第3回になる講習会のテーマは「ナラティヴ・アプローチ」です。ナラティヴとは「物語」「物語る」などの意味がありますが、僕たちが吃音に悩んできたのは「ネカディヴ」な物語を、周りの影響もあって作り上げ、そのネガティヴな吃音の物語にそった体験だけを集め、その物語を語り、その物語を強化していったからでした。

 僕たちは、その物語を肯定的な物語に変えようとしています。吃音の症状と言われるものの改善、軽減よりも、ずっと楽で、効果的で、楽しいからです。編集の段階の、仲間の文章を読むと、こんなに悩んでいたひとが、こうも変われるものかと、人のもつレジリエンス(回復力)に、驚くとともに、敬意をもちます。

 僕は今回書かなかったのですが、代わりに、芥川賞作家の村田喜代子さんの講演記録の一部を掲載するために、読み直しています。吃音ショートコースの講師として来て下さったときの講演ですが、さぞ、その時は大きな声でみんながわらったであろう、愉快な話がたくさんでてきます。楽しく、サバイバルしている話は、今、悩んでいる人に大きな勇気づけになると思いました。

 また、昨年6月どもる人の世界大会のオランダで出会った、世界的に著名な小説家、デイビット・ミッチェルさんが、僕たちに寄稿して下さった文章も掲載します。

 大阪の僕たちの仲間の体験、二人の著名な小説家の体験、サバイバルの体験は、どもる子どもたちにも、大いなる勇気と、元気を共有できるものと思います。
 7月中旬には完成します。宝物がいっぱい詰まった、体験文集。是非お読みいただきたいと思います。完成しましたら、紹介しますので、ご注文下さい。

 日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2014/05/02