伊藤伸二はとても元気です。

 随分長い間、ブログを書けずにいました。何か、病気でもしているのではと、心配されているのではないかと、心配しています。昨年と同じように、4月5月6月と、5つの言語聴覚士の専門学校が同時にスタートしてた上に、執筆も重なり、時間がブログに使えませんでした。やっと、それらも終わりに近づき、書く余裕が出てきました。「オオカミ少年」と何度もかいていますが、こんどこそ、継続したいと思います。

 本当は、どのような状況であっても、書きたかったのですが、精神的にべつのことでエメルギーを使ってしまいました。嫌な人とは会わない、嫌なことはしないと決めたはずなのに、ふりかかってくる火の粉は、払わざるを得ませんでした。もう、したいことだけして生きていきたいと、強く思います。

 「スタタリング・ナウ」は日本吃音臨床研究会が毎月発行しているニュースレターですが、今月号は、1月に行われて、東京・吃音ワークショップの報告になりました。吃音をテーマに人生を考えようとの1日ワークショップで。北は岩手県、南は鹿児島から参加してくれました。10時から5時までの1日ワークショップですが、参加者の集中力と熱意で、楽しい、心豊かな時間となりました。

 どもる人がどのような仕事につけるか、吃音は職業選択にどのように影響するかの話し合いは、それぞれが、どんな経過で今の仕事に就いたかを話して下さり、これから、仕事につく若い人への大きな応援のメッセージになりました。もうひとつの大きな話題は、「自己紹介や電話で、自分の名前が言えない時どう対処するかでした。
 これは、どもる僕たちの永遠のテーマでしょう。おもしろい話し合いになりました。さらに、楽に声がでるようにと、竹内敏晴さんから学んだ「日本語のレッスン」みんなで体験しました。

 「スタタリング・ナウ」の巻頭言は、僕が毎月かいているのですが、今月号は「吃音サバイバル」。治らない、治せない吃音と共に生きるためには、僕たちは、どんな手を使っても人とかかわっていこうと書きました。
 僕は何冊かの月刊紙、週刊誌を定期購読していますが、その中に、メンタルヘルスマガジン「こころの元気plus」があります。それらは、トイレの本棚においてあり、トイレで読む習慣になっていますが、ある号を読んでいて、ブログに書きたいとおもったことがあります。「薬の正しいつきあい方」の特集だったとおもって、調べたのですが、それらしき記事はありません。やはり、気づいた時、思い浮かんだとき書いておかないとだめですね。

 精神的な病には、「薬」があり、適切に、上手につきあえば日常生活がらくになります。近視の人は「メガネ」があり、かなり強度の近視でもメガネのおかげで、日常生活がおくれます。
 どもる僕たちにとっての「薬」「メガネ」に該当するものは何だろうと、考えたとき、「どもる事実を認めること」が基本としてありますが、もうひとつ「サバイバル術」があります。べてるの家の、向谷地生良さんが、私たちのところで、ワークシヨップをして下さった時、みんなが日頃している「サバイバル術」を、「すごいですね」とかんしんしてくださいました。「べてる式当事者研究」で言うところの「自分を助ける術」です。

 次回、僕たちのサバイバルの、ほんの一部を紹介します。

 日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2014/06/18