吃音の夜明けは近い


 このブログで、まだ昨年秋に出版された「吃音の当事者研究−どもる人たちが「べてるの家」と出会った」(金子書房)の紹介をしていないことに気づきました。
 僕たちにとって、これまでの主張の集大成のような本になりました。是非、お読みいただきたくて、紹介をします。
 あとがきに、このような内容のことを書きました。

 「伊藤さん、吃音の夜明けは近いですよ」
 向谷地生良さんが対談で何度も言って下さっているのに、「いやあ、そうは思えませんよ」と、私はそのたびに返しています。いかに悲観的だったかが分かります。それでも、この本がその夜明けにに導いてくれると、向谷地さんは何度も言って下さいました。

 今回の出版は、向谷地生良さんが、吃音ショートコースの二日目の当事者研究の演習の後、「伊藤さん、これ、おもしろいよ。出版しましょうよ」と言って下さったことが実現したものです。長い時間、夜遅くまで私たちにつきあって下さったことが、かたちになりました。ものすごく忙しい向谷地さんが、3日間も、ひとつのグループに関わって下さるなんて、おそらく始めてて最後のことではないかと、向谷地さんを知る人が要っていました。とてもありがたいことでしたる
 向谷地さんと出会うきっかけをつくって下さり、序文を書いて下さった斉藤道雄さんの、「この人は、自分のことばを話している」は、私にとって一番うれしいことばです。
 向谷地さんに出会うきっかけは、1986年の第一回世界大会にさかのぼります。世界の人々が出会う最初が大事だと、「出会いの広場」を担当してくださったのが九州大学の村山正治さん。村山さんの九重でのベーシック・エンカウンターグループで初めてファシリテーターをさせていただいたときに私と組んでくださったのが、九州大学の高松里さん。セルフヘルプグループを研究していた高松さんから紹介されたのが、大阪セルフヘルプ支援センター。そのメンバーで読売新聞記者の森川明義さんは、私のセルフヘルプグループで生きた半生を7回シリーズで写真付きの大きな記事にして下さいました。森川さんに紹介されたのが、人と人とが出会うお寺として有名な應典院の住職・秋田光彦さん。應典院の小さなニュースレターで私のインタビュー記事を目にして、東京から私に会いに来て下さったのがTBSの斉藤道雄さん。斉藤さんの浦河の別荘でお会いしたのが向谷地さん。こうして人と人とがつながっていくのだと、不思議な縁を思います。

  吃音の当事者研究−どもる人たちか「べてるの家」と出会った (金子書房) 2000円+税
                                           向谷地生良・伊藤伸二

  
    目次
機々岷蕁‥事者研究と私        向谷地生良
 1精神医療の世界で起こっていること
 2浦河でべてるで行われていること
 3当事者がもつ力
供々峙善藹 当事者研究の実際 向谷地生良
 1 講義 当事者研究について
 2 演習 グループによる当事者研究
3 質問
掘‖价漫‥事者研究を吃音に生かす 向谷地生良 伊藤伸二
 1 伊藤伸二の当事者研究
 2 吃音の悩みから解放される道筋 
 3 どもる人のセルフヘルプグループ言友会の設立
検ゝ媛擦療事者研究 吃音が治る、治せるを、あきらめる生き方 伊藤伸二
 1 世界の吃音治療の現状
   1 対談 カナダ・北米の吃音治療の現状について
  2 統合的アプローチ
2 吃音の定義から始める吃音の取り組みの再構築
 3 映画「英国王のスピーチ」の当事者研究


当事者ビラ'