湯布院は第二のふるさと

 不思議なことが起こる湯布院は、僕の第二のふるさとになっています。第一のふるさとは、20歳まで過ごした三重県の津市ですが、楽しい思い出のなにひとつなかった津市でしたが、同窓会でみんなが歓迎をして下さったおかげで、第一のふるさとになりました。旧友との交流もはじまり、昨年は本の執筆の最終段階であったために同窓会にさそわれていたのですが、参加出来ませんでした。しかし、待っていて下さる仲間もできたので、懐かしいふるさとになっています。

 湯布院はここ数年、年末年始に滞在しているのですが、ゆきつけの店もできました。また、、九州大学の村山正治先生のエンカウンターグループのつきあいで親しくなった、湯布院在住の、中曽根不二さんが、いろんな所につれて行って下さり、ご自分の知り合いを紹介してくださるので、随分知り合いが増えました。

 その人たちがみんな、反原発や人権問題など僕と価値観を同じくする人たちなので、話をしていても楽しく、いろんな興味深い話が聞けて、とても居心地がいいのです。
 夏に鹿児島の全難言の大会の後、湯布院に寄って、子育て・教育について講演をして欲しいと頼まれていたのですが、その時は都合がつかず。湯布院にはよれませんでした。

 そこで、今回、僕の話を聞き、作ったものを持ち寄って食事をしようという、食事会をもって下さいました。10人ほどが集まって、僕の「吃音と共に生きてきて、今、考えていること」の話を聞いて下さいました。
 その中には、湯布院で映画祭をの事務局をしている人、子どもの文庫を開設している人、北海道から絵本作家のつれあいで、小学校の校長を退職し、今は幼稚園の園長をしているひとなど、多彩な顔ぶれが集まりました。
 
 どもりについておそらく聞いたことがなかったであろう話を、みなさん、熱心に聞いて下さり、いろいろと質問をして下さいました。また、感想として、ご自分の弟さんの聴覚障害について考えたこと、子育てのことなどを話して下さいました。質問だけでなく、ご自分のことを語って下さったことで、座談会にふさわしいものになりました。

 どもりをきっかけにして、いろんな人生に触れた、とてもいい時間でした。そして、それぞれが作ってきた料理が並べられ、楽しい食事会となりました。
 湯布院という小さな町に、やさい作りの名人、おいしいパンをつくる人、美術館を管理している人、子どもの本の館長さん、社会的な映画の上映や、講演会を企画する人、スクールカウンセラーをしている人など、いろんな形で、地域に貢献しながら、この小さな喫茶店の周りに親しい人がこうして集まってくる。都会にはない、人の、「じか」なつながりが、とてもうらやましく感じました。そして、その輪の中に入れていただいている幸せも感じました。

 会の終わり間近になって、うれしいハプニングがありました。それは次回に。

 日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2014/01/08 

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