すばらしい太鼓の響きで勇気が出ました

 由布院の旅館の御三家のひとつ、亀の井別荘では、毎年元旦12時ごろから、地元の源流太鼓の演奏で、新年を祝います。30年以上、地元で活躍する太鼓の一座で、その道の人には有名な一座です。

 2012年の元旦の太鼓の響きは、すごいものでした。東日本大震災の犠牲になった人々への鎮魂の祈りと銘打った演奏は、静かに、時に強く、魂に迫ってくるすばらしい太鼓でした。
 吃音親子サマーーキャンプに3年連続して、宮城県、女川町から参加していた、阿部さんのお母さんと、高校入学を控えていた莉菜さんが津波にのみ込まれて亡くなっただけに、僕には万感の思いで太鼓の音と、からだに響く振動を体感していました。翌年はもうひとつだったのですが、今年は昨年と比べて格段にすばらしいものでした。昨年初めてたたいていた小学6年生が、今年は中学一年生、体力のひつような太鼓を必死でたたいているのが、とても印象的でした。和太鼓の世界は、豊かなものだと、団員の一所懸命さにうたれました。

 亀の井別荘の天井桟敷という茶寮で、一年の計を考えました。

 「吃音を治す、改善する、軽減する」の大きな壁、最近の大きな波に向き合っている僕にとって、2014年は大きな年になります。まだ、紹介していなかったかもしれませんが「吃音の当事者研究−どもる人がべてるの家に出会った」で成人吃音について、「吃音とともに豊かに生きる」のパンフレットで学童期の吃音について書きました。
 今年は、幼児の吃音について取り組みたいと考えています。

 吃音をナラテイヴ・アプローチほもとに考える
 幼児の吃音について考える

 このふたつを2014の大きな柱としたいと考えています。

 この一年どうかよろしくお願いします。

 日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2014/01/02、