吃音治療は効果があがっていない
マイケルさんの僕へのインタビューの後、ご夫婦で大阪吃音教室に参加してもらいました。本来の今日のテーマは、アドラー心理学。急遽予定を変更して、僕がマイケルさんと質問しました。京都から来てくださった、進士和恵さんの通訳で二時間たっぷり、アメリカの吃音治療の実情や、セルフヘルプグループの活動について聞きました。
たくさんある中で、特に印象に残っているのが、セルフヘルプグループに参加するほとんどの人が、学童期、さらには大人になってからもセラピーを受けていることです。治らなかった人がセルフヘルプグループに来ているのかもしれませんが、治っていません。公立小学校のすべてに言語聴覚士が配置され、吃音やその他のスピーチに課題をもつ子どものセラピーに当たっているのですが、その内容は「ゆっく、そっと、やわらかく」のバリー・ギターの統合的アプローチに代表される、どもらずに話す、吃音をコントロールする言語訓練です。
マイケルさんは、きっぱりとあのような訓練は意味がないし、受けたくなかったといいます。セラピーを好意的に受け止めていません。僕の仲間の、日本のことばの教室に来ている子どもたちが、喜んで通級し、楽しくて、意味ある体験だったと言うのとは大きな違いです。日本の吃音臨床の方が、はるかに進んでいると改めて思いました。
アメリカのマイケルさんのセルフヘルプグループのメンバーは、その事情の中でも、相変わらず「吃音を治す、軽減する」を目指す人もいるようですが、マイケルさんたちは、はっきりと「吃音とともに生きる」方向のようです。治っていないのだから、当然のことなのですが、この考えが対立しているのも興味深いところです。
アメリカは吃音研究の先進国であつても、臨床では僕たちより遙かに遅れていると、大阪吃音教室のメンバーたちは思ったのでした。マイケルさんも、僕たちがしている大阪吃音教室の例会内容を話すと、うらやましいと言っていました。
今、このブログ伊丹空港で書いています。今から沖縄県・言語聴覚士会の吃音講演会のために、那覇に向かいます。大阪は今朝は気温零度でした。那覇は20度気温差が大きい、那覇に行ってきます。
伊藤伸二



マイケルさんの僕へのインタビューの後、ご夫婦で大阪吃音教室に参加してもらいました。本来の今日のテーマは、アドラー心理学。急遽予定を変更して、僕がマイケルさんと質問しました。京都から来てくださった、進士和恵さんの通訳で二時間たっぷり、アメリカの吃音治療の実情や、セルフヘルプグループの活動について聞きました。
たくさんある中で、特に印象に残っているのが、セルフヘルプグループに参加するほとんどの人が、学童期、さらには大人になってからもセラピーを受けていることです。治らなかった人がセルフヘルプグループに来ているのかもしれませんが、治っていません。公立小学校のすべてに言語聴覚士が配置され、吃音やその他のスピーチに課題をもつ子どものセラピーに当たっているのですが、その内容は「ゆっく、そっと、やわらかく」のバリー・ギターの統合的アプローチに代表される、どもらずに話す、吃音をコントロールする言語訓練です。
マイケルさんは、きっぱりとあのような訓練は意味がないし、受けたくなかったといいます。セラピーを好意的に受け止めていません。僕の仲間の、日本のことばの教室に来ている子どもたちが、喜んで通級し、楽しくて、意味ある体験だったと言うのとは大きな違いです。日本の吃音臨床の方が、はるかに進んでいると改めて思いました。
アメリカのマイケルさんのセルフヘルプグループのメンバーは、その事情の中でも、相変わらず「吃音を治す、軽減する」を目指す人もいるようですが、マイケルさんたちは、はっきりと「吃音とともに生きる」方向のようです。治っていないのだから、当然のことなのですが、この考えが対立しているのも興味深いところです。
アメリカは吃音研究の先進国であつても、臨床では僕たちより遙かに遅れていると、大阪吃音教室のメンバーたちは思ったのでした。マイケルさんも、僕たちがしている大阪吃音教室の例会内容を話すと、うらやましいと言っていました。
今、このブログ伊丹空港で書いています。今から沖縄県・言語聴覚士会の吃音講演会のために、那覇に向かいます。大阪は今朝は気温零度でした。那覇は20度気温差が大きい、那覇に行ってきます。
伊藤伸二



