アドラー心理学の子育てのすすめ
群馬のキャンプの二日目は、保護者と僕の話し合いの場です。
2時間30分ほど、ゆったりとした時間の中で、みんなで話したいこと、僕に質問したいことなど、保護者の要望に添って進んでいきます。その中での話題をいくつか紹介します。
これは電話相談でもそうなのですが、子どもの定期検診などで、吃音についてほとんど何も知らない、保健所や、相談機関の相談員に「お母さんがストレスを与えているのでは」「下の子に手がかかって、あまりこの子と関わる時間がとれなかったからではないか」など言われてきました。はっきりと「母親の愛情不足、優しさが足りない」などと言われて、深く傷つくお母さんが、未だにいます。吃音の原因が分からず、母親の子育ての責任ではないと、かなり知られるようになっているはずなのに、今回参加した保護者も、相談機関などで責められたと言います。はっきりと「それがトラウマになって、子育てに自信をなくしている」母親が決して少なくないことに驚きます。
いつも、私は「今日限り、子どもがどもり始めたのは自分に責任があると考えるのは、きっぱりとやめて下さい」と言います。そうして、今後どのような子育てをすればいいかと話が進んでいきます。具体的な、今、子育てで悩んでいること、困っていることを出してもらって話し合っていくと、もう吃音の話ではなく、誰でもが必要な子育ての話になっていきます。毎年、育児についての話が中心になっていくのが、群馬キャンプの特徴のような気がします。
学校から帰ると子どもはだらっとして、宿題はしないし、明日の学校の準備もしないので、つい、がみがみ叱ってしまい、「優しくしたいのに、優しくできない」との悩みが出されました。
「愛情不足」と言われたトラウマもあり、「優しくなれない自分はだめな母親だ」と言います。とても優しそうなお母さんです。子どもの将来を思って、子どもが家でゆっくりしたいとの気持ちを理解しながらも、つい「宿題をしたか」「ゲームは、宿題をしてから、明日の準備をしてから」などとつい叱ってしまいます。
私の学童期、吃音にすごく悩んでいたので、学校生活は、猛獣のいるジャングルに弱いシカが迷い込んだような心細さと、いつ襲われるかわからない恐怖でいつも緊張していました。そんな僕の体験からすると、「子どもは、精一杯学校でがんばっているんだから、だらっとしてても、認めてあげたら」とつい言いたくなります。でも、宿題をしないと困るのは子どもなのでつい、お尻をたたいてやらせようとします。
叱って、やらせようとしてその成功の確率はどの程度ですかと聞くと、叱ることはほとんど効果がないといいます。「だったら、叱ってやらせる方法をやめましょう」と提案します。「ほめない、しからない」の「アドラー心理学の子育てのすすめです」
宿題をしないで学校へ行ったら困るのは子どもです。宿題をしなければどのようなことが起こるか、子どもに経験してもらう必要があります。叱ってばかりいたこれまでのあり方を反省したことを子どもに伝えて、子どもとどうすれば宿題ができるかを相談するのです。いくつかの選択肢を一緒に考え、子どもも納得した方法を考えます。叱って、叱られてお互いが気分が悪くなるだけで終わる言い争いをやめるのです。
いろいろと、子どもと相談する手順と、どうするかをお母さんと話し合いました。
子どもの課題と、親の課題をごっちゃにしている、お互いが気分を悪い思いをして終わるよりも、アドラー心理学が提案することを、半年でもためしにやってみませんかと提案しました。これまで、失敗してきたのですから、半年ぐらいは、何が起こっても、たいしたことはないのです。
お母さんや、お父さんと、吃音についてだけでなく、育児について語り合えるのはとてもおもしろいです。
日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2013/12/07


群馬のキャンプの二日目は、保護者と僕の話し合いの場です。
2時間30分ほど、ゆったりとした時間の中で、みんなで話したいこと、僕に質問したいことなど、保護者の要望に添って進んでいきます。その中での話題をいくつか紹介します。
これは電話相談でもそうなのですが、子どもの定期検診などで、吃音についてほとんど何も知らない、保健所や、相談機関の相談員に「お母さんがストレスを与えているのでは」「下の子に手がかかって、あまりこの子と関わる時間がとれなかったからではないか」など言われてきました。はっきりと「母親の愛情不足、優しさが足りない」などと言われて、深く傷つくお母さんが、未だにいます。吃音の原因が分からず、母親の子育ての責任ではないと、かなり知られるようになっているはずなのに、今回参加した保護者も、相談機関などで責められたと言います。はっきりと「それがトラウマになって、子育てに自信をなくしている」母親が決して少なくないことに驚きます。
いつも、私は「今日限り、子どもがどもり始めたのは自分に責任があると考えるのは、きっぱりとやめて下さい」と言います。そうして、今後どのような子育てをすればいいかと話が進んでいきます。具体的な、今、子育てで悩んでいること、困っていることを出してもらって話し合っていくと、もう吃音の話ではなく、誰でもが必要な子育ての話になっていきます。毎年、育児についての話が中心になっていくのが、群馬キャンプの特徴のような気がします。
学校から帰ると子どもはだらっとして、宿題はしないし、明日の学校の準備もしないので、つい、がみがみ叱ってしまい、「優しくしたいのに、優しくできない」との悩みが出されました。
「愛情不足」と言われたトラウマもあり、「優しくなれない自分はだめな母親だ」と言います。とても優しそうなお母さんです。子どもの将来を思って、子どもが家でゆっくりしたいとの気持ちを理解しながらも、つい「宿題をしたか」「ゲームは、宿題をしてから、明日の準備をしてから」などとつい叱ってしまいます。
私の学童期、吃音にすごく悩んでいたので、学校生活は、猛獣のいるジャングルに弱いシカが迷い込んだような心細さと、いつ襲われるかわからない恐怖でいつも緊張していました。そんな僕の体験からすると、「子どもは、精一杯学校でがんばっているんだから、だらっとしてても、認めてあげたら」とつい言いたくなります。でも、宿題をしないと困るのは子どもなのでつい、お尻をたたいてやらせようとします。
叱って、やらせようとしてその成功の確率はどの程度ですかと聞くと、叱ることはほとんど効果がないといいます。「だったら、叱ってやらせる方法をやめましょう」と提案します。「ほめない、しからない」の「アドラー心理学の子育てのすすめです」
宿題をしないで学校へ行ったら困るのは子どもです。宿題をしなければどのようなことが起こるか、子どもに経験してもらう必要があります。叱ってばかりいたこれまでのあり方を反省したことを子どもに伝えて、子どもとどうすれば宿題ができるかを相談するのです。いくつかの選択肢を一緒に考え、子どもも納得した方法を考えます。叱って、叱られてお互いが気分が悪くなるだけで終わる言い争いをやめるのです。
いろいろと、子どもと相談する手順と、どうするかをお母さんと話し合いました。
子どもの課題と、親の課題をごっちゃにしている、お互いが気分を悪い思いをして終わるよりも、アドラー心理学が提案することを、半年でもためしにやってみませんかと提案しました。これまで、失敗してきたのですから、半年ぐらいは、何が起こっても、たいしたことはないのです。
お母さんや、お父さんと、吃音についてだけでなく、育児について語り合えるのはとてもおもしろいです。
日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2013/12/07


