毎週金曜日、どもる人のセルフヘルプグループである大阪スタタリングプロジェクトの大阪吃音教室が開かれる。講演などで大阪を離れている場合を除いて、必ず参加する、私の金曜日の大切な時間だ。毎回、25人から30人ほど参加しているが、初参加の人も毎回と言っていいほどに参加する。今回も2人の初参加者があった。
この日のテーマは、「ことば文学賞の作品を味わう」だった。今年で13回になる文学賞、以前は大阪吃音教室で授賞式をしていたために、多くの作品にふれることができた。最近は、授賞式が吃音ショートコースという、2泊3日のワークショップの場で開かれるため、最優秀賞、優秀賞以外の応募作品の多くは、ニュースレターで後になって読むことになっていた。やはり、みんなで共有したいと、今回は応募作品を味わうことにしたのだった。
受賞作は3編だが、応募作品も受賞作に負けず劣らずすばらしいものが多い。どの作品が優秀賞をとってもおかしくないほどだ。選考は私がするのだが、名前を知らずに選考する。大阪吃音教室では、作者の名前が入ったものが、参加者全員に配られ、その日参加した応募者が自らの作品を読み、感想を言い合い、書いた人も、その書いた意図や、感想を話す。一度に多くの人の吃音人生に触れ、文章だけでは分からない部分を質問する。とても、豊かな世界になっている。しみじみと、この大阪の仲間たちと、「吃音と共に豊かに生きる人生」を生きていることを、ありがたいと思う。
新しく参加した2人について、特別に書きたいことがあるので、次回に。
今から、私の好きな、アドラー心理学を学びに横浜に行きます。東京から帰ってから、紹介します。
日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2013/11/09