最後の沖縄レポート 

 今回で沖縄レポートは終わりにします。書き始めるとどんどん書いていきそうで、この吃音を中心としたブログの趣旨に外れていきそうです。私にとっては、吃音は最大のテーマではありますが、人間が生きるというベースでは、反戦・平和は、小学生になる前からの私のテーマです。小学入学前に観た「聞け、わだつみの声」の映画は、私に大きな衝撃を与えました。日本兵の上官が下士官を軍靴を口の中に押し込めようとしているシーン。戦地の父親の帰りを待つきょうだいの、小さな橋の小川かかる小川で「はあるの おがわわ さらさらゆくよ」の同様が、耳に残っています。どんなことがあっても、戦争はだめだ。子ども心に強く思ったものでした。

 空爆も、戦争としては大変なのはもちろんですが、自分の住む島にアメリカ兵が上陸して、戦う。地上戦のすさまじさは、平和記念館の映像や、体験記、さまざまに史跡が物語っています。戦後65年以上の歳月をへて、子どものころの戦争体験で、今なお、不眠や、うつで悩む人々がいます。
 地上戦を生き延びた、自分だけが助かったという罪悪感、妹が死に、自分だけが生き残った。そして、結婚し、子育ての大変さの中で過去の記憶を押さえ込んでいたのが、今になって記憶がよみがえって悩む人。最近のアメリカ兵の暴行事件をきっかけに、自分が子どものころに暴行されるみた記憶がよみがえって苦しむ人。

 今なお、大きな心の傷はいえることがありません。
 私を9時間も案内して下さった、タクシーの運転手さんから聞いたたくさんの悲劇を、私は決して忘れないでおこうと思います。沖縄の人々のことを、決して忘れないでいたいと思います。戦争の足音が聞こえてきたら、わたしにできる精一杯のことはしなければならないと思います。

 大勢の人で賑わう国際通りには、全国からの高校生の修学旅行生が買い物に集まってきます。ひめゆりの塔でもたくさんの高校生と会いました。その人たちの何人かでも、戦争について、平和について考えてくれる人がいるだろうと思うので、修学旅行には、沖縄、広島、長崎などを選んで欲しいと強く思いました。

 タクシーの運転手さんから聞いたたくさんの話は、とてもこのようなブログに書けるようなないようではありません。戦争が、人間を変えてしまう、信じられないことがたくさんありました。それらは、沖縄の人たちは、ごく当たり前のこととして見聞きし、伝えてきたことなのでしょう。その事実の前には、言葉を失います。

 沖縄戦に関係する本を何冊か買ってきました。それらを読んで学んでいきたいと思います。

 さあ、気持ちはずんずん沈んでいきますが、気持ちを切り替えて、今の私にできることは「どもりの語り部」として、吃音の真実を語っていくことにします。

 この週末は、群馬県、赤城の山で吃音親子キャンプです。私にできることをがんばります。
 どうしても、前回と今回のことを書かないと前に進めなかったので書きました。このような話題はパスをした人も多かったであろうと想像します。その中でお読み下さった方々に、心から感謝致します。

 日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2012/11/15


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