私は日本一周を2回しています。一回が大学4年生の時の3か月の旅でした。北は礼文島・利尻島から、南は沖永良部や与論島までの旅でした。当時はオキナワは返還されておらず、パスポートが必要でした。最南端の島として、与論島で1週間ほどいて、オキナワを見ていました。
激しい学生運動には、生活のためのアルバイトで参加できず、心情的には応援していました。「オキナワを返せ」のデモには参加したことがありました。旅行が好きなのに、沖縄は今回が初めてです。沖縄に行ったら一番に戦争に関係する所へ行きたいと思っていました。ホテルから、専門学校へはタクシーですが、その道中で、明日は一日空くので、普天間基地や嘉手納基地、ひめゆりの塔などに回りたいがどうしたらいいか相談しました。レンタカーで回るのもいいが、よかったら格安で案内してもいいと運転手さんが言って下さいました。
朝の9時から夕方の6時まで、行けるところを案内して下さいました。ガイド資格も持っていて、ノートに勉強したことが書いてあり、車の中、施設をみながら詳しく説明して下さり、レンターカーでただ見て回るだけでは得られない、沖縄の人たちの怒りや、苦悩をたくさん話して下さいました。
詳しくは書きませんが、嘉手納基地の広大な広さ、ものすごい爆音、この中で過ごさなくてはならない、怒りや苦悩を身近に感じることができました。高台からみた、普天間基地には本当に驚きました。テレビの映像ではみていたものの、本当に住宅密集地に、ぽっかりと飛行場のような基地があるのです。爆音のすごい軍用機が飛び交う中での過酷な生活を、本州にすむ私たちはもっと想像すべきだと思いました。なぜ、この地にあのような基地があるのか、基地の周りに人が住むようになったとアメリカはいうのでしょうが、しんじられません。反対する危険なオスプレイも配備され、沖縄の人たちの叫びはすべて虫です。
沖縄の地元紙は連日アメリカ兵の暴行事件を大きく掲載しているのに、本州では報道されるものの、その扱いはまったく違います。沖縄の人の犠牲の上に成り立つかりそめの平和。タクシーの運転手さんから聞いたたくさんの人々の生活や、体験。9時間に及ぶオキナワ体験はあまりにも強烈でした。
軍用機が何度も飛来し、爆音は耳にしっかりと記憶されました。次回はひめゆりの塔や対馬丸を。
日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2012/11/13








