卒業式も、先輩の挨拶もすばらしかった


 23回、吃音親子サマーキャンプを続けて来ましたが、本当に不思議に思うことがあります。一年一年と参加者が違うのだから、昨年はよかったけれど、今年のキャンプは、あまりよくなかったなどと、満足できずに帰る人もいるのではないかと、実は毎年不安なのです。これまでのキャンプもたくさんの感動場面があってよかったのですが、今年もすばらしいキャンプだったと、参加者のみなさんか言って下さいました。決してお世辞ではないことは、伝わってきます。
 最終日は劇の上演。そして卒業式です。今年も2人の卒業生がいました。高校3年生だから卒業と言うことではありません。3年以上参加していることが条件です。高校2年生から参加して、高校3年生のときも参加した人は、卒業式をしてもらえずに、もっと早くキャンプを知っていたら3年をクリアーできたのにと悔しがった人が何人もいます。
今年は、小学2年生から参加している、文句なしの卒業生と、ぎりぎり3年の卒業生がいました。つきあった年月に差はあるものの、私にとっては、ふたりとも印象深い卒業生でした。本人の挨拶、二人を支えた家族や友人の挨拶は感動的でした。涙、涙の卒業式でした。

 最後の振り返りに、今年大学を卒業する兵頭雅貴君を指名しました。
 彼の就職の苦労を知っていたからです。かれば、次のような話をしてくれました。
 将来のことを不安に思っている保護者の皆さんには、とても大きな勇気づけとなった話でした。それを紹介します。

     消防署の試験に合格     兵頭雅貴 
 
 僕は、春に消防署の試験を、大阪と東京を受けた。大阪は落ちたけど、東京は受かることができた。そのとき、いろいろ考えたことがあった。大阪の吃音教室には小学校の4年生のころ行っていたけど、もう10年くらい行ってなかった。10年ぶりくらいに参加して、相談させてもらった。そこで、やりたいことを自分からあきらめることはないというアドバイスをもらった。消防署の方から、どもっていてはだめだと言われたら、仕方がないけど、消防署もいっぱいあるし、10箇所くらい受けて、それでもだめだったら仕方ないけど、ということを言っていただいて、心が楽になった。
 面接を受けるときにも、どもるということをはっきり面接官に伝えて、どもり倒しました。それでも、合格することができた。これから消防署の学校に行かないといけないんですけど、そこも上下関係がめちゃくちゃ厳しいと聞いています。不安なことはいっぱいあるんですけど、僕は、初めにどもりだということを打ち明けて、それで合格しているのだから、後になってあっちが、どもることで何か言ってきても、僕としては反論できる。あかんのやったら、初めから落としておけやと言える。どもることを初めから言っておいて、それはよかったと思います。
 今、こうして前に出たので、ちょっと言いたいことがあります。今、いろいろ悩んでいる人が多いと思うんですけど、僕も最近までずっとそうだったんですけど、自分のことがどんどん嫌になっていく。頭では分かっているのに、一歩が踏み出せない自分が本当に嫌で嫌でした。だから、自分のことを嫌いにならないような選択をしていけば、少しは楽になるのではないかなと思いました。こんな意見をもあるよということを心の片隅においておいていただければと思います。