DSC_0021-001
DSC_0008
DSC_0012 - コピー - コピー - コピー - コピー-001
DSC_0015
DSC_0019 - コピー - コピー - コピー-001
  8月24日キャンプ開幕

 これまで147名が最大でしたが、今年は151名という過去最大の規模になりました。さすがに大きな体育館も人でいっぱい。初参加が多い割には雰囲気は和やかです。これが私たちのキャンプの伝統でしょうか。体育館で自然の家のオリエンテーションを受けてから、学習室に移動して開会式です。
 私は挨拶で昨年3月11日の大津波で亡くなった阿部さんのことを紹介しました。昨年は黙祷を捧げましたが、今回は彼女がキャンプに参加して、一回の話し合いを経て、2日目の午前中に書いた作文を読み上げました。
 小学6年生になって、からかいやいじめにあって不登校になった彼女は、一日目の夜の話し合いで、泣きながら自分の思いを語りました。みんなからレスポンスをもらって、90分の話し合いの終わり頃には、涙がすっかり消え、笑顔になっていました。その夜をみんなと過ごして、翌日の朝にこんな作文を書きました。

 「中略・・・・・話し合いがあり、その時思ったのが、みんな前向きにがんばっているんだ!なのに私は、どもりのことを引きずって全然前向きに考えてこなかった。その時私は思いました。どもりを私の特徴にはちゃえばいいんだ。それと同時にキャンプに行く前にお父さんに言われたことを思い出しました。どもりも、立派ないい大人になるための、ひりょうなんだよ。そうだどもりは私にとって大事なものなんだ。今日、朝起きたら気持ちが楽でした。まだサマーキャンブは始まったばかりだけれど、学校でしゃべれる自信がとてもつきました」

 彼女は秋には学校に行けるようになり、その後2年連続して宮城県女川町から参加しました。とても元気になり楽しい中学生活をへて、仙台の育英高校に進学が決まっていて、将来をとても楽しみにしていたのに、あの大津波でなくなりました。私は、彼女のことを決して忘れずに、作文などを紹介して語り継いでいきたいと思います。

 この、阿部さんの話と、大勢の参加で大変だけれど、ゆったりとキャンプを楽しみましょうと話を締めくくりました。23回目のキャンプはこうして始まりました。

日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2012/09/09