親、教師、言語聴覚士のための吃音講習会の実行委員合宿

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 先週の週末は、第14回島根スタタリングフォーラムと、翌日の島根県のことばの教室の教師の1日研修会、そして、今週は吃音講習会のための合宿で東京へ。
 7人が参加しての実行委員会は、根っからの吃音大好き人間ばかりなので、いつものように話は熱を帯びます。大体の大枠はきまっていたものの、具体的なものは何一つありません。土曜日の午後1時に集まり、日曜日の午後6時まで、あきることなく、熱く語り合える仲間に、本当に感謝です。このような人たちと一緒に考え、行動できるから、私は45年も、ずっと吃音一筋に走り続けることができたのです。これまで、つき合って下さった多くの方々に、感謝の気持ちが広がっていきます。

 2日間のプログラムを一つずつ、具体的にどのように進行していくのか、話し合いますが、最初いいと思ったことがどんどん覆されていきます。私たちの話し合いはいつもこうです。吃音ワークブックを作っている時も、最初の原案がほとんど形がなくなるまで、変わっていくことがたびたびでした。これが、とてもおもしろいのです。どんどん変わってく、新しいアイディアが生まれる、その場にいる人たちの「語り」によって、練りに練って新しいものが生まれていく、臨場感にあふれるこのような合宿の話し合いは、まるで、大学生のサークルのようで、実に楽しいのです。

 今回も思いがけない、アイディアが出され、従来の「講習会」と名付けられるようなものとは、かなり違うものになりそうです。確定したプログラムではなく、参加者の語りによって、どんどん変形していくものにしました。あらかじめ決めた路線でいけば安全です。失敗はあまりないでしょぅ。しかし、それではおもしろみに欠けます。参加者の発言によって変わっていく可能性があるのは、ある意味危険です。うまくいかないかもしれません。形式的なシンポジウムのような、実践交流会ではおもしろくない。今回はおもしろいものになりそうです。
 また、どもる保護者のための3時間枠をどうするかでも、二転三転しました。親の個人面接、グループの話し合い、公開吃音相談会など、参加者が確定していない段階で、どう変わっていくか分からないとしながらも、冒険することにしました。オーソドックスな失敗の少ないものよりも、挑戦することを選びました。
 実行委員の私たちも、当日どのように進行していくか、つくりあげるプロセスをみんなで作り上げる、そんなわくわくするようなものになりそうです。
 講習会は、8月4日、5日千葉市で開かれます。次回は詳しい案内を掲載します。関心のある人なら誰でも参加できます。興味がもてましたら、ご参加下さい。日本吃音臨床研究会のホームページにも案内は掲載されています。

 日本吃音臨床研究会・会長 伊藤伸二 2012/07/01