
新年のスタートは、どもりカルタ
早いものでどもりカルタが始まって6年。毎年しているともうできないだろう、新鮮味が薄れるだろうと考えてしまいますが、それがどうして、いつも新鮮なんです。
4時間の楽しい豊かなしゃべくり忘年会のあと、それぞれが新年を迎えて、1月13日、大阪吃音教室が始まりました。新しい年の初めは「どもりカルタ」です。
最初に、これまで「どもりカルタ」に取り組んできて、その意義について思いついたことをまず出し合いました。
・読み札を作った人は、なぜそのような読み札を作ったのか自分の体験を話すきっかけになり、周りの人はその人を理解するのに役立つ。話を聞けば、読み札の意味が良く分かる。
・嫌だった体験も、カルタにすることで、振り返ることができ、見方を変えて楽しく笑えるようになる。人のそんな話を聞いて共感できる。
・体験を、短いことばで伝えるのに、カルタは便利。
・大阪吃音教室のスケジュールの中で、チームを作って協同制作する貴重な時間になっている。
・同じような体験をしていても、違う受け止め方をしている人がいると分かる。似た経験を今後する時に、どう受け止めればいいのかのヒントになる。
・元気をもらえる。カルタをお守りのように使っているどもる子どもがいる。
・どもりで遊ぶのが楽しい。アメリカも、「どもりで遊ぼう」というが、他人のどもり方を真似たり、どもったかどもらなかったかの当て合いなど、吃音の症状に焦点を当てた遊び方だが、僕たちは「生き方」に焦点を当てて遊ぶ。
・つらかった体験も、どうユーモアに包んで表現するか考えることで、意味づけが変わってくる。
・ユーモア感覚が身につく。
いろいろと出てくるものです。これらのことを確認してから、グループに分かれて、
「読み札」を作りました。グループごとに「あ行」「か行」と割り振られ、考えますが、グループによって作り方が違います。ひとつひとつ話し合いでつくるグループ、ひとりひとりが担当する行の全部をつくり、その後出し合っていいものを選択するグループなど。
「読み札」が確定してから画用紙に「絵札」を描いていきます。絵の上手な人も下手な人もそれぞれ、特徴ある絵札をつくります。子ども時代に帰る楽しい時間です。

その間に、進行役が黒板に確定した読み札を書き上げます。大きな輪に戻って「読み札」をみんなで味わいます。6年間も続けているのに、新しいのが出てくるのがおもしろいです。「読み札」を鑑賞した後、ひとり5回まで手を挙げてもいいというルールで人気投票です。
共感できる読み札、メッセージ性のある読み札は、人によって好みがあります。「えー」と思う読み札にも多くの手が挙がるなど、おもしろい時間です。人気のベストスリーが選ばれました。
さあ、最後にカルタとりです。フロアーに44枚のカルタをまき、グループごとに順番に代表がひとりずつ出て、取り合います。グループごとの対抗戦です。毎年みんな必死になり、滑り込んだり、激突したり、大騒ぎです。みんなが必死に勝負するからおもしろいのでしょう。こうして、大阪吃音教室の2012年がスタートを切りました。
読み札のひとつひとつにその人の人生がある。それをみんなで味わうことができる、楽しい、豊かな時間。私はこの「どもりカルタ」が大好きです。

【参加者感想】
:「あ」から「わ」まで全部の音に、カルタが作られ、それぞれに物語がある。
:結構真剣に考えたが、ユーモアがあって笑えた。
:今日はトップを取れた。読み札でも一番人気、カルタ取りでも一番たくさん絵札を取 れて、正月早々良い気分になれた。
:初めは、「文字に当てはめて文を作るなんて」と、難しそうに思ったが、やって見る と案外でき来ると分かった。
:まず、44音全部出るのがすごい。自分も4つか5つ出すことができた。これまでサ マーキャンプでカルタ取りを熱心にやる子どもたちを見て、馴染めなかったが、自分 でやって見ると真剣になるもんだと、納得した。
:来年はスニーカーを履いて来る。
:これだけ毎年やっているのに、新しい読み札が出て来て新鮮だった。
:毎年これだけ出るのは見事だ。
:普段から、良いことばに出会ったらメモを取ることがお奨めだ。
:6回目の今回もいろいろ出来た。短いことばの中に入れていくのは大切だ。新しい価 値観に触れる機会になった。