
講演会の総合タイトルは、「子どもが幸せに生きるために」で、午前は、「あなたはあなたのままでいい、あなたはひとりではない。あなたには力がある〜非認知能力について考える〜」、午後は、「私ならできる、やってみる、そんな子どもを育てる非認知能力」という演題にしました。保育士、幼稚園教諭、小学校の通常学級の教師、保護者が参加するかもしれないということだったので、こんなタイトルにしました。講演会の開始時刻が近づくと、保護者に連れられた子どもたちも会場に入ってきました。いろいろな立場の人が参加してくれたことになります。

午前のしめくくりとして、「世の中に分からないことはいっぱいある。吃音も同じ。治らないけれど、変わる。これは信じていい。不確かな中で不安に耐えながらがんばっているどもる子どもには、ネガティヴ・ケイパビリティという能力がある」ことを話しました。 僕の体験だけでなく、僕が出会ったたくさんのどもる子どもたちのことも伝えました。 あなたはあなたのままでいい、あなたはひとりではない、あなたには力がある、このメッセージを受けた子どもたちです。

出雲空港まで送ってもらって、2日間の島根での出会いを思い浮かべていました。多くの方に支えられてここまできたなあという思いを一層強くしました。こうして「吃音の夏」は、島根からいいスタートを切りました。
日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2025/06/20