熱い津市での全国大会
僕の故郷、三重県津市で行われていた全国大会が500人を超える参加者のもと、無事に終了しました。とにかく熱い熱い日でした。
僕が小学1年から高校を卒業し、一年間大学浪人をしていたところです。小学2年生の秋の学芸会で、合理的配慮で、担任教師にセリフのある役から外されて、吃音に悩み始めたので、楽しい思い出は何一つありません。全国大会の会場から交流会参加のために会場への方向に母校の三重県立津高等学校がありました。そして、その近くには少年鑑別所があります。ふと、同乗していた人に、「僕は少年鑑別所に入ってもおかしくないくらいだった」と思わず、そこに行くのではないかと不安だったときのことを思い出し話していました。
それほど、最悪の学童期・思春期を送った「津市」での全国大会で、僕を苦しめた吃音の分科会の助言者、午後の講習で吃音の講義をしていること、とても不思議な思いです。大会実行委員会の事務局長は、僕の「吃音を生きる子どもに同行する教師・言語聴覚士の会」の仲間辻大輔さんです。また、吃音分科会の発表者はこれも、僕の仲間の神奈川県のことばの教室の教師、土井幸美さんです。75歳の節目の年に、この年になってもこのような全国大会に仲間が実行委員をしているところに、講師として参加できること、とてもありがたいことです。
二つの吃音の発表は吃音に対するとらえ方に大きな違いがありました。僕は、コーディネーターとしては、公正な立場でコメントすることを心がけました。また、発表者が発表してよかったと思ってほしいと考えていますので、相当考えてコメントしました。土井さんの発表については、また触れたいと思います。
交流会では、僕も随分全国大会のコーディネーターをしていますので、知り合いはたくさんいます。声をかけて下さった人たち多くの人たちと話すことができました。とても親しくしていた人たちが定年したなどの報告の話を聞くと、少し寂しくなります。随分長い間この全国大会にかかわってきたものだと思います。大会終了後は、全国から僕の仲間が集まってきますので、15名ほどと、名物のうなぎを食べに郊外まで車で出かけ、また、別のところでは、話し込みました。こんな仲間がたくさんいるから、この年になっても吃音の問題にかかわっていることができるのです。
ホテルに戻ってからも、明日から始まる、「8回・親・教師・言語聴覚士のための吃音講習会の打ち合わせをしていました。本当に吃音を愛し、吃音に魅せられた人たちです。どれだけ話しても話したりない感じが、僕にとっては、とてもうれしいことなのです。吃音にかかわることを楽しんでくれる人がいる。どもる子どもに幸せになって欲しいとの共通の思いがあるからです。このブログを書いてるのは、翌日になって、吃音講習会が始まり、午前、午後のセッションが終わり、懇親会のはじまる前の今日の振り返りをグループでしている時間です。グループの話し合いの声を聞きながらこれを書いています。
中身の濃い一日が終わり、これから懇親会です。大騒ぎになることでしょう。
日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2019/08/03