芳賀書店から発行された『新・吃音者宣言』の本をめぐって、小中学校の同級生からのFAXの話、芹沢俊介さんの書評、本に寄せられた竹内敏晴さんの寄稿文、と紹介してきました。いつも、僕の周りには応援してくださる方がいるということを実感します。
 今日は、このときの「スタタリング・ナウ」の最終ページに寄せられた安藤百枝さんからの応援メッセージを紹介します。安藤さんとは大阪教育大学からのつきあいで、長く横浜の相談会の企画運営をしてくれていました。仲間の中で一番若くて元気だったのに、残念ながら70歳で亡くなりました。安藤さんの年をはるかに越えてしまったことにも感慨を覚えます。本当にいい仲間でした。
 昨夜、今年の吃音親子サマーキャンプの芝居の事前レッスンの日程について、芝居を担当してくれる、東京学芸大学の渡辺貴裕さんから連絡がありました。
 心強い仲間たちと、2023年度も楽しく活動できそうです。
新・吃音者宣言 表紙
《読者の広場》
  私も仲間のひとりに
              小平市立障害者福祉センター 言語聴覚士 安藤百枝

 立春、今日の東京はポカポカ陽気です。
 2冊の本、売れゆきは如何ですか。この本は何としても自分の目でみつけたい、店員にも尋ねないで自分で、という変なこだわり(?)をもって、昨年暮れから本屋の前を通るたびに立ち寄ってさがしていました。昨年は紀伊国屋にも見当たらず、八重洲ブックセンターに行こうかな、と思っていたのですが、1月中旬、たまたま立ち寄った家の近くの本屋の教育・福祉のコーナーに2冊が肩を並べているのをみつけ、宝物でもさがし当てたように、思わず「あった!!」と声を出してしまいました。1週間後、紀伊国屋で別の本をさがしていたら2冊並んで「オレ達ここにいるよ」と呼んでいるように目にとびこんできて、また買ってしまいました。しばらく本屋に行かない方がよいかもしれませんね。本の方から呼びかけられて、見つけるたびに買ってしまいそうだから…。
 『吃音と上手につきあうための吃音相談室』(芳賀書店)は、ガイドブックより、特にお母さんへの章がさらに読みやすくなっていました。『新・吃音者宣言』(芳賀書店)は『スタタリング・ナウ』の一面の巻頭言を集めたものですが、そのエッセイは毎月心待ちにしていて、帰宅するなり玄関に座りこんで読み、夜もう一度読み、して一字一句心にきざんでいたはずなのに、こうして本になって読み返してみるととても新鮮に感じます。
 新たな感動です。座右の書になりそうです。
 竹内敏晴さんの、伊藤伸二さんと仲間たちの(5)の最初の部分の本の紹介は、すごいですね。私はうなってしまいました。こんなにぴったりと的を得ていて、人をドキドキさせ、ジーンとさせることば、表現!! 何度読み返しても「ウーン」うなるしかない。この、今の気持ちを表現できることばが見つからないのがくやしい。願わくば、私も仲間のひとりに入れていただいて、伊藤伸二に、竹内敏晴に聴き入りたい。見つめていきたい。
(「スタタリング・ナウ」2000年4月 NO.68)


日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2023/03/06