しばらくお休みしました。
ちばキャン9 旗ちばキャン3 渡邉さん 10月1・2日は、第4回ちば吃音親子キャンプでした。僕たちの仲間の、ことばの教室担当の渡邉美穂さんが中心になって、企画・開催してくれました。僕は、第1回から参加しています。今年は、呼びかけるのがとても送れたので参加者が集まらないかも、と聞いていたのですが、渡邉さんもびっくりの60名の申し込みがありました。
 3年ぶりの対面での開催、やはりこのような機会を待っていてくださったのだろうと思います。会場は、千葉市少年自然の家です。緑豊かな自然の中、さわやかな風が吹き抜けるすてきな会場でした。
ちばキャン1 受付ちばキャン4 全員 10月1日の昼過ぎ、参加者が集まってきます。出会いの広場で、ゲームなどを楽しんだ参加者の顔を見ると、初めの緊張がだんだんと緩んでいきました。
ちばキャン8 伸二 14時から17時まで、僕は、保護者やスタッフを対象に話をしました。初めは、参加者に質問を書いてもらい、それにすべて答えました。聞きたかったことがあるのに、違う話を聞いた、ということにならないよう、本当に知りたかったことを知って、帰っていただきたいと思うからです。思いのほかたくさんの質問が出て、時間が足りなくなりました。
 すべての質問に答えてから、後半は、子どもにとって、大切な「三間」の話をしました。これは、トーベ・ヤンソンのムーミンの話を聞いて、それを僕なりに吃音とからめてよく話をしているものです。「三間」とは、空間・時間・仲間のことです。家庭やことばの教室が、子どもにとって大切な「三間」になってほしいと思っています。そのために、子どもにどのようなことばをかけたらいいのだろう、どのような姿勢でいたらいいのだろうと、話をすすめ、プラスのストロークについて、みんなから意見を出してもらいました。
 プラスのストロークを、言語的・非言語的・身体的の3つに分け、ホワイトボードに書き上げました。たくさん出てきました。これらを浴びるように日常生活を送ると、子どもたちはきっと自己肯定感が高まることでしょう。
ちばキャン6 フィッシュボウル 夕食の後は、全員が集まって、吃音について考えました。人数が多いから難しいかなと思ったのですが、真ん中に椅子を4脚並べて、そこに話したい人が出てきます。話したいことを話せたら、外に出ます。周りは、聞く人ですが、椅子が空いたら、出てくることができます。オープンダイアローグのひとつの手法、フィッシュボウルの形を取り入れてみました。いい意味での緊張感があり、集中できて、いい話し合いになりました。
 2日目の午前中は、作文教室からスタートです。エピソードをひとつ思いだし、それについて書いていきました。書きにくそうにしている子どもたちもいましたが、そばに行って、少し話をしていくと、思い出すようです。保護者も含めて全員が書きました。作文と平行して、スタッフ向けに話をしました。二回目の吃音について話し合いをしたり、吃音キャラクターを描いたりして、昼食です。最後は、全員が輪になって、ふりかえりをしました。広い研修室いっぱいになったその光景は、迫力がありました。
ちばキャン7 ふりかえり
 7月末の、親、教師、言語聴覚士のための吃音講習会、8月の吃音親子サマーキャンプ、そして、10月初旬のちばキャンプ。いずれも、対面で開催しています。
 相手の表情を直に感じ取り、ことばの温かさや優しさを肌で感じ、自分の感情がしっかりと相手に届いているのを確かめることのできる、とてもいい時間でした。

 大阪に帰ってきてすぐに、「スタタリング・ナウ」の入稿に向けての準備をしていて、しばらくブログをお休みしました。入稿は終わりました。そして、今週末は、第5回新・吃音ショートコースです。準備不十分のまま、突入しそうです。まず、参加者が集まって、プログラムを作ることから始まるワークショップなので、まっ、いいかと思っています。
 新・吃音ショートコースの申し込みは、ぎりぎりまでOKです。ぜひ、ご一緒してください。

日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2022/10/07