サマキャンの写真  7% 先日、吃音親子サマーキャンプの会場である、滋賀県彦根市の荒神山自然の家に打ち合わせのため、行ってきました。
 2年間の中止を経て、今年、吃音親子サマーキャンプの開催を決めたのは、5月のゴールデンウィークが明けて2週間くらいが過ぎてからでした。連休後の感染拡大が大きいものではなかったので、これならいけるのではないかと判断して、「お待たせしました!」とお知らせしたのです。
 心配が全くなかったわけではありませんが、今年開催できないと、これまで1年ごとに子どもたちの成長を見守ってきたことが崩れてしまうとの思いがありました。あのとき、小学6年生だった子どもたちは、今年、中学3年生になっています。
 開催を決めたものの、参加者がどれくらい集まるか、何よりスタッフが集まって下さるか、不安はつきませんでした。これまでと同じような人数の申し込みが届いているわけではありませんが、人数に関係なく、本当に必要として下さっていた人たちが集うことになり、きっといい時間になるだろうと思っていました。
 ところが、ここへ来ての感染急拡大。覚悟を鈍らせるような数字ですが、行動制限はしないとの方針に、それならば、最大限気をつけて、予定どおり開催したいと思っています。今後の状況により、まだ流動的ではありますが。

 3年ぶりか、と荒神山自然の家が近づくと、懐かしい思いがよみがえってきます。ここは、みんながバスに乗って到着するところ、車で来る人たちの駐車場、ラジオ体操をする広場、3年前と変わらない荒神山自然の家が出迎えてくれました。
 うれしかったのは、その日、自然の家を利用していた人たちの様子でした。チアガールの練習のための合宿だとのことで、小学校低学年から高学年までの女の子が70人くらい、参加していました。キラキラ光るポンポンを手に、音楽に合わせ、体を動かしています。リーダーも指導者も、マスクはしていますが、とても楽しそうな表情です。音楽に合わせて、声も出していました。

 自然の家の所員さんの話では、会場として何も制限はしていない、主催者側に任せているとのことでした。もちろん、検温、消毒などの基本的な感染対策はきちんととり、食堂の利用人数も80人までとして、その上で、僕たちに任せてくれるというのです。いつものように、僕たちだけの貸し切りです。部屋は、全て自由に使っていいとのことです。ベッドや布団は、新しくなっていました。コロナの影響を受け、休館となったときにリニューアルしたそうです。見慣れたはずの会場が、僕たちのことを待っていてくれている気持ちになりました。

 実際、使用するにあたり、まだまだたくさん、細かいことを考えなくてはいけないだろうと思います。コロナ感染防止対策も、万全にしなければなりません。課題はいろいろとありますが、今後、よほどのことがない限り、実施の方向で準備をすすめます。
 これ以上の拡大にならないことを祈って、こんな状況の中、参加申し込みをして下さった人たちと、いい時間いい空間を過ごしたいと、強く思いました。

日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2022/07/25