故郷への小さな旅 紫陽花とおいしい食べ物を満喫

 昨日、第9回吃音講習会中止のお知らせをしました。
 昨年の第8回吃音講習会は、三重県津市で行いました。全国難聴・言語障害教育研究協議会全国大会三重大会が開かれ、それに続いて、僕たちの吃音講習会も津市で行ったのです。津市は、僕が、小中高と過ごした故郷です。
 小学2年生から吃音に深く悩んでいた故郷は、何一つ、いい思い出はありません。ずいぶん前のブログに、絶対行きたくなかった中学の同窓会に強く誘われて参加したことを書きました。そのとき、多くの人が話しかけてくれ、孤独ではなかったことが確認できました。そのおかげで、津市が近くなり、その後は時々行っています。懐かしい、ソウルフードがあるからでもあります。
 昨年の講習会、僕は、講演の冒頭でこう切り出しています。

 
「第8回吃音講習会に参加の皆さん、ようこそ、三重県津市にいらっしゃいました。津市は、僕が育った故郷です。養正小学校、西橋内中学校、津高等学校に通いましたが、津高のすぐ近くに、少年鑑別所があります。僕は、少年鑑別所の近くを通るたびに、「今の僕は塀の上を歩いていて、鑑別所の内側に落ちるか、外側に落ちるか危なっかしいものだ」と、いつも不安を抱いて思春期を送りました。中学生から映画館に入り浸り、夜の町をさまよい歩き、警察に何度か追いかけられました。パトカーに乗せられたことも一回あります。一歩間違えば、少年鑑別所に行っていたとの実感があるので、今日までよく生き延びてきたなあと思います。その思いを持って、今日は、故郷の津で、一生懸命しゃべります」

 
 県境をまたいでの移動が解除され、僕たちも、4月の終わりに行く予定だった小さな旅に出かけました。ここ何年かゴールデンウィークは、毎年、三重県に行っています。車の渋滞もなく、大阪から近くて、おいしいものがたくさんあるからです。今年もそのつもりでしたが、コロナの影響でキャンセルしたのです。

あじさい1あじさい2あじさい7





 津市に、「かざはやの里」というところがあります。初めて行ったのは、藤の花が見事に咲いていたときでした。ホテルだったかで小さなポスターを見て、時間もあったので、行ってみました。とてもきれいで、気に入りました。そこは、藤だけでなく、2月の梅、6月の紫陽花も有名です。今年も、藤の花を見るつもりだったのですが、それができなかったので、ぎりぎり紫陽花に間に合うかと思い、出かけました。
 広い敷地に、色鮮やかな紫陽花が、咲いていました。ゆっくり散歩して楽しみました。ひとときののんびりタイムでした。
 香ばしい鰻、やさしい甘さの蜂蜜まんじゅう、そして、伊賀の金谷本店のすき焼きと、パーフェクトに満喫し、久しぶりに旅行気分を味わいました。

 昨日、小学校の同級生が、古い写真をメールで送ってくれました。この年になると、そんな気持ちになるものなのかなあと思いながら、写真を眺めています。
 今日は、紫陽花の花を皆さんにもおすそ分けです。
 
あじさい3あじさい4あじさい5あじさい8あじさい9あじさい10あじさい11あじさい12あじさい13あじさい14あじさい15















明日は、何年も前のブログを再掲載します。津市が身近に感じられるようになったきっかけの
同窓会の話です。


日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2020/6/25