笑いが明日を変える 松元ヒロさん
  
 僕の家では、生まれたときから、新聞は、朝日新聞で、それから、70年、今でも、とっている新聞は朝日新聞です。大学受験の2浪の大阪での生活も朝日新聞店で住み込みでしたし、どもりを治すために東京正生学院に行くために、東京での大学生活を自分で賄うために新聞配達店に住み込みましたが、それも朝日新聞配達店でした。ジャーナリズムは劣化し、新聞を辞めようとさえ思いましたが、腐れ縁か、とり続けています。
 
 そして今、日曜日と月曜日は、毎日新聞を買っています。日曜日は、藤原帰一さんの映画評論「映画愛」と、月曜日は高橋源一郎さんの人生相談が好きだからです。その二つの記事のためにだけ買います。また、東京へ行ったときは東京新聞を買っています。
 今日は、月曜日。枚方税務署に確定申告を提出しに行ったときに、毎日新聞を買いました。高橋さんの人生相談には、思わず納得。同じように相談を受けたら、僕も同じように答えるだろうなという内容です。これまでにも、そんなことがたくさんありました。感覚、センスが似ているのでしょうか。この人生相談に限らず、高橋さんが書かれた本などでも、同じような感覚を覚えます。
 そして、今日の新聞で、飛び込んできたのは、大写しの松元ヒロさん。コメディアンと書かれていました。

松元ヒロ 毎日新聞1_0001

松元ヒロ 毎日新聞1_0002

 ヒロさんは、2005年の吃音ショートコースに来ていただきました。そのときの吃音ショートコースのテーマは、笑いとユーモアでした。ずっと前から取り上げたかったテーマだったのですが、なかなかいい講師がみつからなくて、温めていたテーマでした。定期購読している「週刊金曜日」に書かれていたエッセイにひかれ、笑いやユーモアをテーマとするショートコースの講師にはこの人しかいないと思いました。一度、実際に本物を見てみたいと、名古屋で開かれたライブに参加しました。腹の底から笑いました。政治ネタ、権力に抗う柔らかさ、しなやかで倒れない不屈の精神、涙が出るくらい笑いました。そして、ライブが終わってから、講師依頼をしました。ライブなら、日程さえ合えば二つ返事でOKだったと思うのですが、僕が依頼したのは、2泊3日の長時間にわたるワークショップです。少し迷われたようですが、OKをもらいました。そして、吃音ショートコースが実現したのです。

 そのときからのおつきあいです。近くでライブがあると聞けば、必ずといっていいほど行っています。そんな松元ヒロさんの掲載されている新聞記事をたまたま買い、また縁を思いました。
 来週、新宿・紀伊國屋ホールで、「松元ヒロ ひとり立ち」のライブがあります。
 来週は、3月17・18日、千葉でどもる子どもたちのキャンプがあります。もう一泊して、松元ヒロさんのライブに行く予定で、チケットも手に入れました。
 こんな偶然に出会うと、元気が出ます。
 
 日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2018/3/12