大阪スタタリングプロジェクトの忘年会

12月17日(土)は、大阪スタタリングプロジェクトの忘年会でした。
毎年、この時期に、僕の家の近く、学研都市線の「忍ヶ丘」駅から徒歩5分くらいの所にある、カフェ・グッデイズという店を貸し切りにしてもらって、行っています。今年の参加は、31名。午後6時に始まって、終わったのが、なんと10時過ぎでした。姫路や堺など、かなり遠いところから参加して下さった方もいらっしゃいました。4時間以上の忘年会は、珍しいと思います。でも、あっという間に終わったような感じがします。

カフェ・グッデイズのスタッフの方も、僕たちの忘年会が終わると、いよいよこれで年末だなあという気分になりますとおっしゃっています。こんなに長時間、使わせていただいて、いつも感謝しています。

グッデイズの看板

グッデイズの中

ツリー



僕たちの忘年会は、もちろん、食べ、飲みますが、それ以上に、ひとりひとりのスピーチがすばらしいです。今年も、ひとりひとりのスピーチに、しんみりしたり、大笑いしたり、拍手もヤジもとびかう、僕たちらしい忘年会でした。みんなのスピーチを聞きながら、いろいろなことがあったなあと思いました。
<吃音とともに豊かに生きる>をまさに実践して、生きている皆さんの話は、本当に胸打たれます。それにしても、よくしゃべること、しゃべること、いつも時間が足りなくなります。今年も例年に増して、そうでした。10人終わった時点で、8時半。少々あせりました。

奥田さんが、小学3年生のときの文集を持ってきてくれて、そのとき書いた自分の作文を紹介してくれました。本読みでどもって、つらかったこと、嫌だったことを素直に書いていました。おうちの人や先生が「あせらないで、いいよ」とやさしく声をかけてくれていました。小学3年生が、こんなふうに自分のことを正直に書くのか、それもずっと残る文集に、とまず思いました。文集は後々残るので、そういうところに自分のことを書くなんて、奥田さんの秘めた強さのようなものをそこに見た思いがしました。そしてまた、それに対する先生のコメントがすてきでした。「どもっていてもいいんです。あなたはあなたのままでいいんです」とのコメントはもどんなに奥田さんを勇気づけたことかと思います。

会長の東野さんのスピーチも心に残りました。どもりを治す・改善するを目標に活動をしていた頃の仲間は、こんなにたくさんおしゃべりしなかった。どうしたら軽くなるかとか、また元に戻ったとか、あいつよりはまだ自分の方が軽いとか、そんな、幅の狭い会話でしかなかったのでしょう。今は、吃音とともに豊かに生きることを目指しているので、幅広く人生を考え、対話がすすみます。また、先輩たちは、自分の体験を書いてきませんでした。自分が経験した体験を話したり、書いたりする活動の大切さを伝えてくれました。仲間を信頼している会長のさすがのスピーチでした。

この忘年会を盛り上げてくれた、もうひとつの要素は、急遽結成された男性2人組によるギター演奏でした。井上さんと鈴木さんの、エレキギターとギターによる演奏で、雰囲気はぐっと盛り上がりました。
発声訓練を兼ねて、初めに3曲歌い、スピーチ、そして、フィナーレに「若者たち」を歌いました。

前日の金曜日の吃音教室に初めて参加した人が、2人も、この忘年会に参加しました。誘う方も誘う方ですが、来る方も…と言いながらも、とてもうれしかったです。みんなの温かい雰囲気を感じ取り、このチャンスをつかんで下さった2人に、乾杯!です。4時間を超えるこの時間は、参加している人の人生を聞くことができる、とてもすてきな時間です。大阪吃音教室のロングバージョンのようです。大勢の人の人生に触れることができました。

恒例となった、大阪吃音教室の年間参加回数も発表しました。大阪吃音教室の講座は、年間40回あります。
一番たくさん参加したのは、会長の東野さん。たった1回の欠席でした。多分、職場の歓送迎会で休まれただけでした。2回欠席したのは、坂本さん、数村さん、奥野さんの3人です。用事があったり、体調が悪かったりすることもあるでしょうに、この出席率には、頭が下がります。上位3人には、こころのこもった、その人に合ったプレゼントをします。それをとても喜んでくれるのも、贈る側の喜びです。
忘年会を写真で振り返ります。

全体1

全体2

演奏する二人

伊藤のスピーチ



日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2016/12/24